熱海を観光したついでに、JRで次の駅の来宮にある、中山晋平記念館に行きました。
駅前の來宮神社に参拝したあと、記念館のある熱海梅園へ向け15分くらい歩きました。
梅園はシーズンオフ、殆ど人どおりはなく、庭園の中を流れる小川の、所々の急な流れ
の音と、風の音だけが聞こえてきました。園内を奥に向かってかなり歩き、登り坂を
上がり切ったところに、記念館はありました。
中山晋平が愛用していたピアノや、懐かしい蓄音器、そしてレコード、手書きの楽譜、
出版された楽譜集、また交流の広さがうかがえる写真が展示されていました。
中山晋平は1887年長野県須坂に生まれました。1912年、東京音楽学校(現・
東京芸術大学)本科器楽部(ピアノ専攻)を卒業。同年12月、浅草区千束尋常小学校
の代用教員になりました。
1905年から劇作家の島村抱月宅に寄宿し、1914年には抱月の劇団芸術座のために
≪カチューシャの唄≫を作曲、これを女優、松井須磨子が歌って爆発的な人気をよび
≪ゴンドラの唄≫等の劇中歌が生まれました。そして代用教員を退き、作曲に専念
することになります。その後も、≪出船の港≫≪鉾をおさめて≫≪波浮の港≫等が
ヒットしました。
一方、童謡のほうでも、野口雨情とのコンビで≪てるてる坊主≫≪兎のダンス≫
≪証城寺の狸囃≫などが発表されました。
中山晋平の作曲姿勢は、同じ時代の山田耕筰、信時潔達のアカディズムを追求する
行き方と異なり、大衆路線と言うべきものでした。
熱海にお出かけの節は、少し足を伸ばして、訪れてみてはいかがでしょうか。
熱海駅から梅園行きの路線バスも出ています。
長文、ご精読ありがとうございました。