ふと、父が死ぬ間際に病院で、二人で話したことを思い出した。
ベッドの上で座りながら、過去のことを話していた。
「苦労をかけさせて悪かったな・・」
「いろいろなことがあったけど、お父さんは・・・」
「いい人生だった。」
父が、涙を浮かべて言った。
二人で泣いた。
この日を境に死ぬまでずっと眠ったままだった。
2週間後、
眠ったまま、息を引き取った。
何かもっとお話したかったこと、あったのじゃないかな?
おとうさんの心情は、
死ぬ寸前までも後に残す母のことを心配していたけど、
いまだにそんなことを思っていたのか・・
遠い過去。
ココロの奥に眠る私の過去。
なんだか父が側にいるような気がする。
実家に戻れば父が家にいるんじゃないかなって、思ってしまうのだ。
そういえば、ここしばらくの間、
実家の仏壇に手を合わせていなかった。