雇われの悲しみを君に

BOOK 3

ようやく、BOOK3を読み終えた。

わたくし、実のところ村上春樹の作品は、ほとんど読んでいる。
(翻訳したものも読んでいる、まあ、いくつかの作品は、見逃しているが…)

1Q84…ストーリーの破綻した部分もあったと思うが、どうにか着地したようだ。
(牛河の口からリトルピープルが出てきて、空気さなぎを作り出すのが、よくわからない)

全6冊読み終えたとき、昔、わたくしが妻の妊娠を知り、

新たな世界に踏み出すような感覚にとらわれたことを思い出した。

この感覚は、子供を持つ親ならば、誰でも経験しているはず、

そう考えると、1Q84のテーマはとても平凡なものだと感じました

ただ、1Q84のテーマが、もっと社会性を帯びた強いメッセージを含むものだとしたら、

わたしは、そのメッセージを信用できない。

暇な連中が小難しく文脈を読み解くような行為自体、信用できない。

本来、作家とその作品とは切り離して考えるべきだが、「社会性」に関しては、

作家の人物像と作品とを一体に考える必要がある、と思う。

村上春樹の社会性はパフォーマンスにしか見えない。

彼の、小説家は嘘をついても許される職業、という発言は、

虚構を組立てて小説を書くという意味では正しいと思う。

だが、社会性を帯びたメッセージを小説に込めるならば、

たとえ虚構に基づいていたとしても、彼の考える真実というものを

思わせぶりな比喩など多用せず、誤解されないように読者に伝えるべきだろう。
(本当に、そんなメッセージがあればの話だが、)

わたしは、村上春樹という人物に社会性を期待しない。

彼は、嘘をついて作品を生み出し、その作品で社会に問題を提起するフリをするだけの作家だと思う。

村上春樹は変質してしまったのかな、しかし「ノルウェーの森」が名作なのは疑いがない。

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