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旅の形 その14 オランジェリー美術館



  オランジェリー美術館

 オランジェリー美術館を初めて見た時「なんか変な格好をした美術館だな」というのが素直な感想でしたまた「なんか窓の多い美術館だな」とも思いました。

 オランジェリーというのも美術館としてはあまりふさわしい名前ではありません。
 その後調べてみてなるほどと合点しました。なんとこの建物前はオレンジの温室だったのです。
 1853年にナポレオン3世が、チュイルリー宮殿の庭園にあった今にも枯れてしまいそうなオレンジの木をなんとか越冬させようと、主席建築家であったフィルマン・ブルジョワに温室を作らせたのがその始まりです。
 なんともロマンチックな皇帝です。このナポレオン3世政治的にも経済的にも、対外的にもかなりの辣腕を振るった皇帝で、こんな一面もあるんだという感じですね。

 ともあれ、オレンジの温室を美術館にしようなんて考えは、かなり突飛ですよね。しかしこの建物に白羽の矢が立ったのです。
 
 1921年に、隣接するジュー・ド・ポーム美術館と共に企画展用の国立博物館に割り当てられることが決まっていたのですが、当時、クロード・モネが着手していた「睡蓮(すいれん)」という作品の展示用に「自然光の差し込む明るいパノラマの展示室」という需要がありました。

 そんな時に、モネの友人であった当時のフランス大統領が、モネの要望に応え、建築家カミーユ・ルヘーヴルに設計させ、「睡蓮」の専用美術館を造ったのです。そして1927年モネの作品を入れる美術館として整備されました。
 
 現在のオランジェリー美術館はモネの作品だけではありません、私の大好きな作品がたくさんあります。美術収集家ジャン・ヴァルテールとポール・ギヨームが収集した近代絵画のコレクションが見られる展示室です。オランジュリー美術館といえばモネの「睡蓮」ばかりが有名な気がしますが、他にもまだ多くの作品が展示されています。

 正面の入り口をを入るとすぐに下りの階段になっています。「なんか変なつくり」でもそこには、ジャン・ヴァルテールとその妻、そして彼女の2番目の夫であったポール・ギヨームが1959年から1963年にかけてフランス国家に寄贈した近代絵画のコレクションが展示されています。私の好きな印象派や後期印象派の画家の絵がたくさんあるのです。
 特にアンリー ルソーの絵が9枚もありました。アンリ― ルソーは何々派というカテゴリーにははまらない「自然派」などと呼ばれています。長い間日曜画家として絵をかいていました。幻想tr期な絵を描く画家であり、100年後のイラストを予見させるような作風です。
 
 余談ですが私は去年この美術館に行ったときに旅の疲れからルノアールの「ピアノを弾く少女たち」の前においてある椅子に座りました、そのうちになんと寝てしまいました。監視員も起こしてくれませんでした。たぶん少女たちの夢をみていたに違いありません。

 その内訳は、印象派の作品やルノワール20数点、セザン15点、ゴーキャン、シスレー1点、20世紀以降の近代絵画のピカソ12点、マチス10点、モジリアーニ5点、マリー・ローランサン5点、ルソー9点、ドラン29点、ユトリロ10点、スティーン22点となっています。

画像はオランジェリーがあるチュールリー公園の花壇 実は建物の画像がない

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