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産直あさの通信

涙と勇気

私が俳優になって、

目標のひとつとなっていたのが、こまつ座に出ること、井上ひさしさんの台詞を井上ひさしさんに公認されてしゃべることでした。

いつか出てみたいっ、て切に思っていました。


ですから、こまつ座の「闇に咲く花」というお芝居に参加させて頂くチャンスがあると聞いたとき、
わたしは死に物狂いにくらいつきました。

そして、運よく出させて頂き、
井上さんの全て吟味された一言一言を噛み締めながら稽古をしていました。

私が未熟だということも大いにありますが、井上さんの台詞って、役者にとってはすごく負荷のいる台詞だと私は思うのですけど、
ですが一度それが体の中を通ると、とてもキラキラした言葉となって響きになって、相手の心にすんなり沁みていくのですね。

そして題材はとても深いところにあるのに、笑わせるのは勿論、いつしか涙が出てきて、そしてお客様は勇気をもらって帰るのです。

「闇に咲く花」のときの懇親会で、目の前に座った井上さんは、初めてで緊張してる私をすぐさま引き込むくらい博学に富んでおられて、とても気さくな方でした。
それからは、井上作品見に行ってたまにお会いするたび、私ごときにも深々とあいさつをしてくれるような方でした。

だからああした作品をお書きになれるのだなあ、としみじみ考えたことがある。

今朝知って、悲しいというか、とにかくくやしいです。


今回の新国立劇場の第一部、「夢の裂け目」。
最後に角野さんがしゃべる台詞。

井上ひさしさんの言葉だ…。思いだすだけで、涙と、そして勇気が沸くのです。

ゆっくりやすんでください。


明日からまたがんばろう。

コメント一覧

tell_miy☆
素晴らしい舞台を…
井上先生のお芝居でたくさん笑ったり泣いたり…知らなかった事もたくさん教わって…
私にとっても先生だったなぁ…と改めて…

天国で新作を書いてらっしゃるような気がします。

浅野さん
「モジョミキ」頑張って下さい☆
よじ
生きる勇気
私が井上ひさしさんの作品と初めて出会ったのは、ある演劇評論家の先生の講義でした。
それから随分と時間が経ち、浅野さんが出演された「闇に咲く花」をきっかけに、また井上ひさしさんの作品を多く観るようになりました。
先日「夢の裂け目」も拝見しました。深い内容ですが、せりふや歌のなかに愛情が溢れていて、何とも幸せな時間でした。

浅野さんの言葉から、井上さんの人柄が伝わってきました。
井上さんは、
いつまでも自分の作品に出演した役者さんたちのことを見守ってくれている気がします…。
そんな気がしてなりません。

井上さんとの思い出を大切に…
これからも素敵な舞台をみせてください。
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