女の冬華(とうか)

　　　長野県・八千穂高原


　　　長野県・坪庭

花も咲かない季節
雪が降り　吹雪にもなる
厳冬の真白き舞台で
淡々と疲れの顔を見せず
凛として美しく格好良く踊り
女の意地で咲かせる冬の華

寒さ厳しい雪の中
キリリと帯を締めなおし
気合を入れて姿勢を正し
熱の入った演技なればこそ
美しさに磨きがかかり
女の光り輝く喝采の華

春の陽射しに雪が融け
女は淡い恋をして
男の胸に寄り添い熱く燃え
しなやかな動きで艶(つや)がでて
演技を抜け出し誠になりきり
女の愛を舞う幸せの華

世の中

世の中はへそ曲り
ゆがんでいる。
まっすぐ歩くとぶち当たるし、落っこちる。
前横よく見て道なりに歩け。

世の中は濁流
流れが速い。
わき見をすると、誘惑に負けて流される。
溺れないように、気を奪われるな。

世の中はからくり仕掛け
みんなだまし合い。
ボッとしていると足を引っ張られ、突き落とされる。
周りを調べ考えて着実に進め。

世の中は野獣の集まり
物とカネの分捕り合い。
油断すると家畜のように食い殺される。
知力と体力で生き延びよ。