青色日誌

還暦を超え、子育てもひと段落。さて!

メイナード・ファーガソン

2006年04月05日 | ジャズだ。ビッグバンドだ
昨日、メイナード・ファーガソンの話題に触れたので
一寸延長。私にとってのファーガソンの思い出。

あれは確か大学在学中のこと。
ファーガソンが来日、それも名古屋公演があると言うことで、
当然私は見に行きました。
確か、あの厳しい部活でも、
この日ばっかりは、全員で行ったような記憶。
すさましいハイトーンに、まるで麻薬をやったかのような
(勿論、そんな状態知りませんよ!)そんな
快感になるほどしびれた覚えがあります。

ラッパ吹きって言うのは、大抵がハイトーンにあこがれ、
一日の練習のうち、一度や二度は、
プィーーーって、出るか出ないかの音域を
確かめるように吹きますもんね。
だから、ファーガソンのハイトーンは、
我々のハートを握りつぶしちゃうんです。

まぁ、そんなうんちくはどうでもよく・・・。
そのコンサートが終わるやいなや、
我々同期悪ガキ8人組は、
ファーガソンのサインほしさに、
楽屋目指してまっしぐら。怖い者知らずの小僧でした。

名古屋市内のステージは、有る程度踏んでいたので、
たしか市民会館だった記憶だが、
楽屋へのルートは理解。なおかつ要領として、
「お疲れ様でしたーーー」と、すれ違うスタッフに
声をかけつつ、一路楽屋へと進む。

これ、鍵がかかっていない限り、案外ブレークスルー。
身なりもそのころはいい加減なスタイルだったが、
それが又、下働きの音響マンのごとくに映る。
そして目指すはファーガソン・・・・。

と、さすがにそこには外人SP。
「お疲れ様でした~」「ノーノーノー!」
残念ながら、それ以上の英語は出てこず、
事が大きくなりそうだったので、一歩引く。

と、すぐ横はラッパ隊の控え室。
我々より一回りも、二回りも厳ついプレーヤー。
勿論そこには私のもう一人のあこがれ
StanMarkもいるではないか。

そして、連中一同、StanMarkに向かい、
「プリイズ・サイン!!」???
普通、ラッパ隊の我々が先に書いて貰うべき所、
一浪して入ってきた同期年長者サックスのAあたりが、
我々より先んじてサインを書いて貰った。

そして、3人目ぐらいであったか、
私の番になった時、今度は日本人の警備員が
「これこれ、部外者がこんな所にいてはだめだよ!」 
こればかりはよく理解が出来、そして悪いことに、
StanMarkもそのことが理解でき、
早く我々を部屋から出さなくてはいけないと言うことを
認識してしまった。

StanMarkが何故私があこがれるかというと、
確かにファーガソンのその輝かしいスタープレーヤーとしての
存在もすばらしいのだが、
彼のそのスターたるゆえんは、
必ずそのバックプレーヤーの
見事な支えが有ってと思っているからである。

マニアックな話になって恐縮だが、
次回競演するウェイン・バージェロンも、
まさにStanMark同様の役割を演じてきた。
それはリードラッパの鏡であり、
要するに私の見本以外の何者でもないのである。

話がそれてしまったが、
警備員のせいで(警備員が悪いわけでもないけど・・)
StanMarkは焦って私にサインを書いてくれた。
私は、自分の着ていたTシャツと、ミュートを持って行ったのだが、
とりあえずTシャツにのみサインをくれたところで
全員室外退去と相成ってしまった。

楽屋を出、会場のロビーにで、前出のサックスAが、
私のTシャツの背中を見て爆笑している。
すると、サックスOもトロンボーンIも、
指を指して笑っているではないか。
なになに、今StanMarkにサインして貰ったばっかりのそこを!

若かったと思うが、おもわずそこでTシャツを脱ぎ、
確認してみると、ななななんと、そのサインは
『SM』としか書いてないではないか!
それも焦った文字で、やたら大きく!!!!

なんか、ずしーんとショックを覚えた。
「かっこいいがや、スタン・マークのサインって分かるよ」
とはAの野郎。じぶんはしっかりStanMarkと書いてある!
思わず、おまえはサックスだろうが!!
もちろん裸で帰るわけに行かず、
それを着て、極力背中を見せないように
地下鉄に乗って帰ったという思い出である。

ファーガソン自身とは、全く関係ない話になっちゃいましたが、
とりあえず、ウェインのサインは、
しっかりと今回も沢山貰おうと思っています!

演奏者ファーガソンについての私の思い出話は、
又の機会に是非書いてみます。

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8 コメント

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Unknown (flatwound)
2006-04-06 11:20:03
大学に入ってはじめて聞いたBigBandがC.ベイシーでもなくW.ハーマンでもなくMF。当時8beatや16Beat全盛の上、レコーディングメンバーに幾人か好きなベーシストがクレジットされていたのもあってはまりました。いまだにラッパのハイノートが好きなのはその影響ですかね。近頃の練習、なにやら高い音がよく聞こえるのでこの先楽しみです。
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Unknown (デビルすねお)
2006-04-06 16:54:41
いいねぇ 最近のあの野太いハイノート。

あれが出てないとやっぱビッグビャンドじゃにゃ~だわ。

ドラムもブッチが叩けば線が太く聞こえるし、練習は

とても楽しくなりましたよ。
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flatwoundどの (あおやき)
2006-04-06 18:18:14
だからや!

それはある意味不幸の始まりだったかも!

大学入ったばかりの時、

誰がMFホーン吹いてたの?



確かにレアサウンズも

当時はやたら早い16の曲を

オープニングに使っていましたっけかね。

懐かしいです。
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デビルさま (あおやき)
2006-04-06 18:22:31
誉め合いするのもなんですが、

サックスも図太い音になりません、最近特に。

まぁ、僕が成っている時に、

良い意味で皆がつられますよね。

そういう良い効果があれば幸いです。



セントレア君も、

こないだ誉め殺したりましたけど、

ちょっとしたところに

光るセンスが見られる。



高校行った時、あの仕事で使うような、マンボでそう強く思いましたけどね。



まあ、三管リードしっかりと頑張りましょ。
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Unknown (st.rare)
2006-04-08 12:39:02
こちらではご無沙汰しておりやす。



リードラッパ、スタンマークやウエインが手本

だというあおやきさんの考え方は私のリード

トロンボーンに対する考え方に近いかな。



とにかくテクニックを見せ付けるのではなく、

なんでもない、ちょっとしたところにこだわる

という点では。



セクションフィーチャーをあまりやりたくないのは

実力がないのもさることながら、そういう価値観に

負うところが大きいですな。



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st.rareどの (あおやき)
2006-04-08 21:18:43
>とにかくテクニックを見せ付けるのではなく・・



そう、普通にちゃんとやる。

これが大好きです。

ただ、SM氏もWB氏も、

普通では全くなく、

超越してますけどね・・。



セクションの実力ねぇ・・
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Unknown (st.rare)
2006-04-09 13:32:26




×3



・・・・3年、いや、30年早い



ということのようですな。



周りの評価はそんなもんでしょ。



ま、普通にやれるようになるのに3年はかかりますかれね。



納得。
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st.rareどの (あおやき)
2006-04-09 17:39:25
いえいえ、「どうぞやってらっしゃい」

と言う意味でののつもり・・

いや、「やってみたらどう」の・・

ちがうなぁ、やれるんならやってみろの・・・・



なんでもいいや。他のパートのことなんか
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