古今怪奇研究会の会報

怪奇事件マニアの穂積昭雪が主催する古今怪奇研究会の会報ブログです。

90年前の猟奇事件!「首なし娘事件」について

2023-05-28 17:10:19 | 日記

前回の記事でも告知した通り、4月29日、30日に幕張メッセ・ニコニコ超会議内で開催された「マニアフェスタVOL.7」に参加してきました!

たくさんの方に来てくださり、ありがとうございました!

 

今回の記事ではマニアフェスタで初売りとなった「首なし娘事件~実話怪談陰獣倉吉読本~」について、補足したいと思います!

 

「首なし娘事件」は1932年(昭和7年)に愛知県で発生した殺人事件で、

 

①被害女性は首が刃物で切断された状態で発見された。

②切断された女性の首は十数キロ離れた観光地の河原で発見された。

③犯人の男性は殺した女性の頭皮を被って自殺していた。

 

という凄惨な事件で、戦前時代の事件を扱った書籍にはほぼ必ず登場してくる事件です。

ウィキペディアにも単独記事があり、それなりに有名な事件かもしれません。

ただし90年以上も前の事件なので、資料によっては記述がバラバラで、噂が噂を呼び真実がわかり辛くなっているようです。

本書では事件の概要と、90年の間で「首なし娘事件」がどのように扱われていたのか独自調査した内容になっています。

 

トピックとしては「事件発生当時の現場写真を発見」「現地調査で事件当時を知る人に接触した」という2点でしょうか。

 

 

文字数は5万越えで恐らく、本事件を扱った書籍では一番情報が整理できているのではないか、と自負しています!

 

マルシェルでは送料込みで500円でご奉仕します! この機会に是非お手に取ってくださいまし!

 


4月29日、30日開催の「マニアフェスタ」に参加します!

2023-04-28 22:11:52 | 日記

穂積昭雪です!直前の告知になってすいません!

 

 

4月29日(土)30日(日)は、幕張メッセで行われる「マニアフェスタVOL.7」に参加します!

ニコニコ超会議で行われるマニアの祭典で、僕も2022年度は1日だけ参加してたのですが、今回は二日間フルで参加します!

テーブルが他の即売会より圧倒的に広いので、いつもの同人のほか、今まで集めてきた新聞記事や絵葉書なんかも直接お見せできるいい機会かと思います!

 

ラインナップはこんな感じ(もしかしたら変わるかも)

 

・日本怪奇事件史 1~2巻合本 1200円

・日本怪奇事件史 4巻 700円

・怪奇絵はがきの世界 800円

・明治時代の浅草に「ゴリラ」がいた? 500円

・首なし娘事件~実話怪談・陰獣倉吉事件読本~ 500円(新刊)

 

新刊は「首なし娘事件~実話怪談・陰獣倉吉事件読本~」です!

昨日現物が自宅に届いたので間に合うか不安だったのですが、なんとかマニアフェスタで初売りできそうです!

昭和のはじめの頃に愛知県で発生した謎の猟奇殺人事件を資料整理(史料批判)し現地調査も行った内容になっています!

こちらは厳密には新刊ではないのですが、品切れ状態だった「日本怪奇事件史 1~2巻」をまとめた合本も用意しました!なんと!48ネタ!108ページです!

マルシェルでも売ってますので、宜しければチェックしてください。次回は新刊の「首なし娘事件」についてお話したいと思います!

 

 

 

 

 


明治時代にゴリラがいた!……かもしれない話

2023-03-24 09:16:09 | 日記

ひさびさの更新になります!穂積昭雪です!

今回、新たな本をマルシェルに登録しましたので、ご紹介させて頂きます!

 

「明治時代の浅草にゴリラがいた?」

 

いったい何の話だ?となっている人も多いかと思いますが、マジでタイトル通りの本なのです(笑)

 

筆者がこの本を書いたキッカケは、明治時代に発行された東京都内の各新聞に「新着動物ゴニラ」という広告が掲載されたのを知った時でした。

1911年(明治44年)11月1日に都内の各新聞に掲載された広告

 

広告主は日本最古の遊園地として知られる東京都台東区・浅草の「花屋敷」(現:浅草花やしき)でした。

「ゴニラ」は「ゴリラ」の誤植ではないか?と 考えがちですが、日本にゴリラが初来日したのは戦後(1954年)の事なので、仮に「ゴニラ=ゴリラ」だとしても明治時代にゴリラがいるのはおかしいのです。

そこで、筆者はこの広告が掲載された時期の新聞調査のほか、動物の渡来史、ついには浅草花やしきへ直接インタビューをするまでに至りました。

 

果たしてゴニラはゴリラだったのか……の結論は本を読んで欲しいので、ここには書きませんが、発行後はネットニュースに取上げられたりして多少話題になりました。

 

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2211/13/news036.html

 

 

こちらの本はマルシェルにも出品中!送料込みで500円です!

この機会に是非!

 


「怪奇絵葉書」の秘密

2022-10-29 10:08:23 | 日記

こんにちは!穂積昭雪です。

 

前回の更新では「事件の調べ方」について解説しましたが、今回は私のもうひとつのコレクションである「絵葉書」について、ご紹介したいと思います。

絵葉書といえば、観光地における定番お土産のひとつなのですが、その歴史は古くて郵便制度が施行された1800年代後期から日本の各所で売りだしたようです。

1900年(明治33年)になると民間での絵葉書発行が可能になり、明治末期には日本全国で絵葉書が大ブームになったようです。

発行された絵葉書は観光名所だけではなく、海外の珍しい動物や怪しいサーカス団、お祭り、何のために発行されたのか良く分からないものなど、その種類は多岐に渡っているのです。

本稿では、これまで私が集めてきた興味深い「絵葉書」達をいくつか紹介したいと思います。

 

■関東大震災

1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災は東京を中心に甚大な被害をもたらしました。実は戦前絵葉書には震災の惨状を記録した絵葉書が多数発行されているのです。

これは「災害絵葉書」と呼ばれる絵葉書の一種で、水害や地震といった災害を記録したニュース絵葉書です。

何故このような絵葉書が発行されたかと言うと、所説はありますが当時の絵葉書は「報道メディア」としての役割を担っていたようです。

当時発行されていた新聞は印刷が粗くて鮮明な写真が掲載出来なかったこと、郵便を使う事で離れた地域へ被害状況を伝えられるといった側面があったようです。

ただ、中には悪い業者もいて、炎を筆で書き足したり、死体が写った絵葉書を売る業者も多かったようです。

 

■世界の探検家

民間での絵葉書発行が可能になると、一般企業だけではなく個人が発行する絵葉書も登場してきました。中には世界中を冒険しその模様を絵葉書にして売る人もいました。

菅野力男(1887~1963)は明治末期から昭和7初期にかけて8回の世界旅行へ出かけた冒険家なのですが、彼は探検で見つけた奇妙な場所や風習を写真に撮り、帰国後に絵葉書にして販売することで旅費を稼いでいたといいます。

明治末期に日本人が未開の地を探検する事は、今でいう宇宙旅行のようなもので、菅野氏が帰国後に開催した講演会や絵葉書は好評だったと聞きます。

 

■八幡地獄

大分県別府市には「別府の地獄」と呼ばれる温泉があります。八幡地獄にはかつて「怪物館」という妖怪や怪物の骨やミイラが展示されている博物館が営業しており館内ではお土 産品として、これらミイラの絵はがきを売っていました。

 展示されていたのは「鬼」「河童」「人魚」「鵺」「件」の5種類でこれらは絵葉書にして残されています。

当然、本物である可能性は低いのですが、「八幡地獄の妖怪ミイラ」は何種類もの絵葉書が確認されているので、当時大変な人気があったのだと予想されます。

 

■絵葉書はどこで手に入るの?

これら戦前の絵葉書は主に古本屋やネットオークションで地道に集めてきたものです。

値段は1枚100円以下の安い物から1万円以上するものまで、値段はピンキリです。自分は今のところ200枚以上の絵葉書を集めており、こちらも怪奇事件と同じように独自研究しています。

現在、こちらの絵葉書の一部は「日本怪奇事件史」の外伝として頒布しております(惣領サービス)のでこちらも宜しくお願い致します!

 


「怪奇事件」の調べ方

2022-09-21 22:01:14 | 日記

こんにちは!穂積昭雪です!

前回に引き続き、こちらでは「怪奇事件」についてのアレコレを書いていきたいと思います。

が、その前にお知らせ。事後報告になってしまうのですが。9月3日(土)にABEMA(AbemaTV)の「カンニング竹山の土曜The NIGHT」にゲスト出演してきました。

テーマは「昭和トンデモ事件簿」という事で、「津山事件」など昭和に発生した奇妙な事件を2時間たっぷり語らせて頂きました。無料配信期間は終了していますが、ABEMAプレミアム(月額960円)の会員ならアーカイブで観れるようですので、宜しければご覧ください!

 

https://abema.tv/video/title/90-1677

 

さて、今回は前回の予告通り「調査の方法」なんかをお教えしたいと思います!

 

一にも二にもまず図書館

この活動をしていると「こんな事件、どうやって見つけたの?」「何か特別な調べ方をしているの?」とよく聞かれます。ここだからぶっちゃけますけど、昔の事件の掘り出しは誰でもできます。何も難しい事はしていません。

 

以下は自分の調査方法ですが、どこにもでもある地元の図書館をフル活用しています。

基本、日本の市町村には公立図書館と呼ばれる図書館があります。図書館には書籍だけではなく雑誌や新聞も置いてあり誰でも気軽にバックナンバーを読めるようになっているのです。

私が目を通している昭和時代の新聞は大き目の図書館以外では原紙で保管はされてないので、代わりに縮刷版と呼ばれてる分厚い本を読みます。

縮刷版とは1か月ごとに出版されてる新聞の総集編本で月ごとに出版されています。朝日新聞・読売新聞・毎日新聞といった主要紙は昭和の時代から毎月に渡り途切れなく発行し続けており、それら縮刷版は全国の図書館に配られます。

1か月の新聞が網羅されている関係上、1冊辺り1000ページ前後と重量もあるので多くは本棚には置かれておらず(これを閉架資料と呼びます)、図書館の受付に頼んで奥の倉庫から取ってきて貰う必要があります。

もちろん、朝日・読売・毎日の縮刷版が全部揃っている訳ではなく「朝日だけ」「読売だけ」というパターンもあるので、出来る事なら市立図書館や県立図書館など大きい図書館へ行って図書館の受付に「新聞縮刷版のバックナンバーを探している」と伝えると良いでしょう。

 

居住地以外の図書館も積極的に利用しよう!

意外に知られていないようですが、全国の図書館はその土地に住んでいなくても利用する事ができます!

もちろん本の貸出はできないのですが、その図書館にしか置いていない本や新聞の縮刷版を館内の机を使って読む事ができるのです(手続きをすれば複写もとれます)。自分は地元だけではなく他の県の図書館も積極的に訪るようにしているのですが、その理由は「地元紙の縮刷版を読む」事にあります。

ほとんどの都道府県には歴史のある地元密着型の新聞が現在も発行されており、例えば秋田県なら秋田魁新報、山梨県なら山梨日日新聞、岡山県なら山陽新聞など個性豊かな新聞が発行されており、それらのバックナンバーを無料で読む事ができるのです。

地方紙の良さはその地元密着性にあります。例えば山梨県で発生した事件に関しては全国紙よりも山梨日日新聞の方が詳しく載っていたり、関係者のインタビューや住民の声など地元ならではの独自取材が行われていたりします。見比べてみるのも楽しいので積極的に利用していきましょう!

 

資料の宝庫!国会図書館

日本にはこれまでに発行された(ほぼ)全ての書籍が揃っている奇跡のような図書館があります。それが国立国会図書館です。

この国会図書館には書籍だけではなく新聞も取り扱っており、図書館4階の新聞資料室にはなんと全国紙および地方紙のバックナンバーのほとんどが保管されているのです。

自分の新聞調査はこの国会図書館が主戦場となっています。利用するには会員登録が必要ですが、18歳以上であれば誰でも利用できます。

また、一般図書館での新聞縮刷版は昭和時代までしか保管されていませんが、国会図書館に行けば明治時代、大正時代の新聞も読む事ができます。ただし明治時代・大正時代の新聞の多くはマイクロフィルムでの閲覧になることがほとんどです。

 

マイクロフィルムとは書類や図面を微小サイズに縮小してフィルムに記録したフィルムの事で、専用の機械で拡大して読みます。

フィルムの扱い方や複写の取り方など初めての人はやや扱いづらく感じるかもしれませんが、国会図書館で働いている職員さんは皆丁寧に使い方を教えてくれるので遠慮せずに聞いてしまいましょう(僕も最初は職員さんに教えて貰いました)。

 

今回の更新はこんな感じです!

 

今月の「マルシェル」にはシリーズ第3弾の日本怪奇事件史(明治・大正・昭和・惨劇編)を追加しました!限定50冊なので購入希望の方はお早めにどうぞ!