2013年
明けましておめでとうございます。
穏やかないい日和の1日となりました。
今年1年、世の中が、
今日の空模様のようになってもらいたいものです。
さて、
昨日の大みそか。
2012年を締めくくったのは、
プロボクシングの5大世界タイトルマッチ。
東京、大阪の2会場で行われたこの5つのタイトルマッチ。
なんとうれしいことに、
5人全員が世界チャンピオンへ!
どの試合も見ごたえ満点だったこと『大晦日決戦』、
興奮しました。
【WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ】
王者 暫定王者
○ 内山 高志 TKO ● ブライアン・バスケス
(日本) 8回3分00秒 (コスタリカ)
東京のメインは、”KOバズーカ”内山のリニューアルされたバズーカ砲がさく裂しました。
前半ややバスケスのタフさと時折見せる強烈なパンチに戸惑いを見せていた感じの内山ですが、
徐々に試合を自分のペースに持っていくところはさすが。
8回残り40秒で強烈な右をヒットさせ、バスケスをぐらつかせると後は、
バズーカ砲を速射砲のように叩き込んでのTKO勝ちでした。
これ以上止めなければ打たれたバスケスは『死んでしまうんじゃないか』と思ってしまうほどの、
内山の迫力満点の連打でした。
解説の西岡選手も言っていたように、
これからは、さらに【光る場所】を求めて海外のリングに主戦場を移していくのもいいと思います。
とにかく『何回防衛したか』とかいうことよりも、
内山ほどのボクサーならば『どこでどんな相手と戦ったか』を追求していってほしいと思います。
彼がインタビューで、
『どれだけ自分が強くなれるかにしか興味がない』と言っていましたが、
その高い志がある限り、
内山の快進撃は2013年求まることはないと思っています。
【WBCスーパーフライ級タイトルマッチ】
王者 5位
〇 佐藤 洋太 12回 判定 ● 赤穂 亮
(日本) (日本)
まったく違いタイプの日本人対決として話題を呼んだ佐藤―赤穂のタイトルマッチは、
佐藤がチャンピオンとしての力を見せつけて貫禄の判定勝ち。
後半までほぼフルマークの差が付き、”一発で相手をマットに沈める”赤穂の強打は最後まで炸裂せず。
佐藤は本当にうまいボクシングを見せて、
『これぞアウトボクシング』
という試合でした。
東京での3試合は残りの2試合が強烈なKO決着でしたので、
ワタシはその間に挟まれたこの試合で佐藤の見せたアウトボクシングはとても楽しく、
素晴らしい技巧を見せてもらったことですっかり満足しました。
解説席には佐藤の所属する協栄ジムから坂田氏、赤穂の所属する横浜光ジムから畑山氏が座り、
特に畑山氏が我を忘れて後輩の赤穂を応援する様は、
なかなか面白かったですね。
佐藤はむやみに打撃戦に応じることなく技術に磨きをかけていけば、
当初思い描いていたよりもずっと長く、
王者を防衛していくことが出来るのではないかと思いました。
単なる強打者ならばこの日のようにうまくさばけるので、
変則的な相手と対峙した時が、
クリアすべき課題が出てくるところでしょう。
しかしながら、
強気一辺倒の挑戦者を相手に、
ほとんど自分のペースで試合を進めていくあたり、
なかなかしたたかな王者です。
佐藤チャンプ。
もう警官に職務質問なんてされないぐらい、
名前も顔も売れてきましたよ。
防衛ロード、頑張って進んで行ってください。
【WBAスーパーフライ級タイトルマッチ】
8位 王者
〇 河野 公平 KO ● テーパリット・ゴーキャットジム
4回2分8秒 (タイ)
この試合は戦前には、
この日行われた5つのタイトルマッチで最もミスマッチの試合といわれていました。
試合は予想通りテーパリットのペースで進んでいきました。
3Rまでは、
ワタシの手元の採点でもフルマークでテーパリット。
『中盤でのKO決着になってしまうかなあ』
と思っていましたが、
4R開始からそれまでより距離をやや広げてパンチを当てだした河野が、
乾坤一擲で放ったパンチがテーパリットの顎を捕らえました。
その構えを崩さぬまま前のめりに崩れ落ちるテーパリット。
まるで【明日のジョー】を見ているような、
戦慄のダウンシーンでした。
その後は『ここだ』とばかり攻めに攻めた河野が、
ついにテーパリットの堅塁を崩し、
3度目の挑戦にして世界チャンピオンとなりました。
テーパリットはこれまで、
亀田大をはじめ、清水、名城など日本人を次々倒し、
『日本人キラー』を標榜していた強打者。
そのチャンプに対して果敢に攻め込んでついに倒した河野。
会場の大興奮状態と同様、
ワタシもお茶の間で、
大興奮状態に陥ってしまいました。
いや~
すごい試合でした。
これぞ世界タイトルマッチでした。
そして大阪会場でも、
興奮の2大タイトルマッチが。
【WBA世界ライトフライ級王座決定戦】
2位 5位
〇 井岡 一翔 TKO ● ホセ・ロドリゲス
(日本) 6回 2分50秒 (メキシコ)
八重樫とのWBA・WBC統一王座戦で日本中を魅了するファイトを見せた井岡。
それ以来のファイトで、
2階級制覇がかかっていたとはいえ、
そんなことより
『彼が一体どんなファイトを見せてくれるのか』
に注目が集まった王座決定戦でした。
戦前から予想されていた通り、
この試合は今日の5試合の中では唯一の『井岡鉄板』の対戦だといわれていました。
試合は貫禄のKO勝ち。
1Rでダウンを奪った後は、
ワタシも安心して紅白歌合戦とのザッピングが出来てしまうほどの試合でした。
井岡の場合、
八重樫戦を見ていることもあって、
『かなり打たれたところで、井岡は崩れない』
ということに確信を持てる選手なので、
安心して見ることが出来ますね。
案の定、
ミニマム級のころよりさらにグレードアップしたパンチで、
6RしっかりとKO勝ちを収めてくれました。
『スター』
のオーラをしっかりと身にまとっている井岡一翔。
これからどんな『ビクトリーロード』を歩んでいくのか、
注目しています。
今更彼に、
なんだかおざなりの”異名”をつける必要など、
さらさらありません。
【井岡】
という単語だけでもう、
世間の認知度は抜群という選手になってきました。
望むべくは、
『本物路線』。
TV局に作られた『防衛ロード』など、
誰も望んではいないはずです。
それだけの大器が、
井岡一翔という男。
ますます力をつける2013年になりそうです。
【WBA世界ミニマム級王座決定戦】
2位 4位
〇 宮崎 亮 12R判定 ● ポンサワン・ポープムラック
(日本) (タイ)
そして最後は宮崎の戴冠です。
TVとしては5戦の中で最初の放送でしたので、
なんだか彼が勢いをつけてくれたような気がします。
宮崎選手の試合、
実はワタシ、観戦するのは初めてでした。
相手はあの”ターミネーター”ポンサワン。
なんだかいや~な相手でしたので、
予想としては『僅差での負け』でしたが、
回を重ねるごとに宮崎のキレのあるパンチと手数に、
最後は『絶対に(宮崎の)勝ち』を確信しました。
判定は2-1のスプリットでしたが、
内容は完勝といってもいいものだったと思います。
なかなかいいボクシングを見せてもらいました。
厳しいであろう初防衛戦を乗り越えれば、
長い王座を築けるかもしれません。
それにしても5試合すべてで日本人王者が誕生(防衛)するなんて、
うれしい誤算でした。
そしてボクシングを堪能した、
大みそかの”最後の4時間”でしたね。
それにしても、
こんな素晴らしい戦いばかりなのに、
何も大晦日に集中させなくたって……。
大橋JBC会長はご満悦の様子で
『これで向こう10年間、大みそかはボクシングだ』
と怪気炎を上げていたそうでしたが、
わたしゃあ反対ですよ。
だって内山がらみの3大世界戦、
本当に見に行きたかったですもん。
でも世の中の人(特に家族持ち)って、
大みそかの夜においそれとスポーツ観戦にゃあいけないんですって!
わかってくださいよ!
大みそかを【ボクシングの日】になんてしないで、
なんかもっと別の日に、
【今日はボクシングの日】
みたいにしてもいいんじゃないでしょうかね。
【映画の日】
みたいに。
一考してみてください、
ボクシング関係者の人たち。
まあそんなことは置いといたとしても、
素晴らしい夜でした。
そして、
いい年越しとなりました。
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