≪第101回全国高校野球選手権大会≫ ~甲子園~
【準決勝】
第1試合 履正社(大阪) 7-1 明石商(兵庫)
第2試合 星稜(石川) 9-0 中京学院大中京(岐阜)
全国の頂点へ。
履正社と星稜がコマを進めてきました。
この日準決勝を戦った両チーム。
本当にここに来て調子がピークに。。
見事すぎる戦いぶりで、
決勝への切符を獲得しました。
第1試合は、
明石商が満を持して2年生エース・中森を初戦以来の先発マウンドへ。
球が切れるだけでなく、
投球術も素晴らしい中森と強打の履正社打線の対決に心躍りましたが、
試合は早々に決着。
初回履正社が、
中森の立ち上がりを鋭くたたき連打で4点を先取。
これで完全に試合の主導権を握り、
最後まで明石商に渡すことはありませんでした。
履正社としては、
終盤まで勝負がもつれこんで、
明石商びいき、逆転期待の球場の雰囲気が熟成されるのが一番怖かったと思いますが、
この日先発した背番号17の岩崎は、
初回1番の来田にこそバックスクリーンに一発を叩き込まれたものの、
その後は見事に明石商のしぶとい打線に対して、
つけ入るスキを与えない見事なピッチングを披露。
最後まで投げ切って見事に1失点で完投勝利を上げました。
見事に監督の起用に応えた、
素晴らしい投球でした。
岡田監督の「勝負手」でしたね。
そういえば岡田監督、
昨年の大阪大会でも、
あの「無敵王者」大阪桐蔭に対して、
まさかの選手の先発起用で勝負手を打って、
9回2死までリードを奪っていたんですね。
この勝負勘、
大事なところでこそその真価を発揮するんですね。
おみそれしました。
今日の試合は、
打つ手が当たって、
安定感抜群の試合運びでした。
明石商は試合の最後まで、
自分のペースで試合することができずに、
ずるずると回を重ねてしまいました。
監督にとっては、
「こんなはずでは・・・・」の試合になってしまったかもしれません。
しかし最後は、
たくさんの選手を試合に登場させ、
「明石商の全員野球」
を甲子園で満天下に披露して、
この夏の「明石商劇場」を締めくくってくれました。
演出・狭間監督、主演・選手たちの、
見事な戦いぶりだったと思います。
春の選抜、そしてこの夏。
明石商という名前は、
狭間監督のリアクションやトークとともに、
いつまでも高校野球ファンの心の中に残りました。
”101回目の大会の華”のチームだったような気がしますね。
さて、エース中森クン、この日ホームランを放った主砲の来田クン、
さらに何人もの選手が、
まだ2年生です。
来年さらなる高みを目指しての戦いが、
今この瞬間から、
始まっていると思います。
選手にとっては「怖い狭間監督」がまたまた出現しますが、
この人についていったら間違いないということが、
この春夏の戦いで証明されています。
思う存分ついていって練習を重ね、
また来年甲子園に、成長した顔を見せてほしいと思います。
大いに期待しています。
勝った履正社は、
ついに決勝の舞台まで駆け上がってきました。
そして待ち望んだ星稜・奥川投手との再戦が、
この大舞台で実現しました。
選抜の完封負けの屈辱を晴らすべく
「すべては奥川攻略のため」
鍛え上げてきたその打撃力、長打力。
そのすべてのチカラを出し切って星稜に挑み、
ライバルの大阪桐蔭に肩を並べる初の全国制覇へ、
敢然と挑んでいきます。
決勝はアルプスから、
全校応援の大声援が飛んでくると思います。
その期待に応えてこそ、
これまで鍛えてきた甲斐もあるってもの。
最後の頑張りを見せるときです。
さて、その履正社の相手を決める第2試合。
波に乗る中京学院大中京の打線に対峙するため、
マウンドに上がったのは今大会屈指のエース、星稜の奥川投手。
3回戦の智辯和歌山戦の延長14回に及ぶ熱闘から中2日。
準々決勝で登板せずすこし休めたとはいえ、
いったい疲れの残る中どんなピッチングを見せてくれるのかと、
観衆はかたずをのんで見守りました。
初回いきなり先頭打者にヒットを許し「およよよ」と球場全体がざわつきましたが、
それ以降はまさに「あの日見た奥川投手」そのもの。
スイスイと気持ちよさそうに、
コントロールされた速球、スライダー、チェンジアップを内外角のいいところに投げ込み、
中京学院大中京の打線に全くといって良いほど、
バッティングをさせませんでした。
7回を投げてわずかにシングルヒット2本だけ、
四球もなしの、
まさに「完ぺきなピッチング再び」でした。
「本当に、こんなピッチングをする高校生が、いるんだ」
と感心してしまう、
見事すぎるピッチングでしたね。
ほれぼれすると人間って、
本当にため息が出るもんなんだなあ。。。。。。
そんなことを思わせてもらった、
この準決勝のピッチングでした。
彼のピッチングを見ていて、
ワタシは「何かに似ているなあ」とずっと思っていたのですが、
最後の方になってハタと気づきました。
「そうかあ、奥川君のピッチングは、フェデラーのテニスに似ているんだあ」
そんなことをワタシ、
勝手に考えていました。
ボールを思ったように、
思ったところに操れる。
本当に「そんなことができたら、楽しいだろうなあ」と思えるプレー。
まるでフェデラーが完璧にプレーするコートの上のように、
奥川クンもマウンドで、
躍動していました。
奥川クンのこの甲子園でのピッチングは、
必ずや後世まで語り継がれるような、
そんなすごいピッチングですね。
そしてそんな「我がチームの大将」のピッチングに後押しされて、
星稜打線はこの日も見事につながりを見せました。
県大会の終盤から、
プレッシャーからかなかなかつながることのなかった星稜の打線ですが、
もともと持っている力は相当なハイレベル。
俊足のトップバッター・東海林から、知田・内山の3・4番へとつながっていく打線は、
得点力を十分に持っていますね。
準決勝で仙台育英を粉砕した打線は、
この日も初回からつながって3回までに6得点。
奥川に十分すぎるほどのリードを与え、
彼の投球を後押ししました。
8回からは決勝を視野に入れ、
寺沢を登板させる周到さ。
その寺沢も好投して、
星稜に死角がほとんどなくなったという戦い方で、
決勝に進出を果たしました。
あの山本投手を擁して傷だらけで決勝にたどり着いた95年以来、
24年ぶりの大舞台です。
あの時と比べると、
今年はチームの余力十分、
エース奥川も決勝に向けて万全の体調を維持できそうです。
待ち望んだ『北陸初の大旗』
もうそこまで来ていると思います。
山下元監督も、
大いに期待していると思いますよ。
ということで、
熱戦の甲子園は明日1日はお休みです。
十分に英気を養い、
両校ともに明後日の決戦に備えてくださいね。
試合展開次第でどうにでも転ぶ決勝になりそうな気配。
今年の決勝も、
面白いことになりそうだ!!