昨日の甲子園。
第2日にして大阪桐蔭も登場とあって、
朝から大観衆で埋まりました。
第1試合では久しぶりの高知商の登場、
そして第2試合は連覇を狙う大阪桐蔭が一昨年優勝の強豪・作新学院と対戦とあって、
「午前中がメインだな」
の空気が甲子園の観客席を支配していました。
しかし。
甲子園の格言(勝手にワタシが言っているだけですが・・・)は生きていました。
『甲子園の試合は、注目されない対戦にこそ、素晴らしい戦いが隠されている!』
第1試合も第2試合も終盤まで息の抜けない素晴らしい試合だったのですが、
この日のハイライトはやはり、
佐久長聖と旭川大高の戦った第4試合でしょう。
なにしろ、
『甲子園で初めてのタイブレーク試合』
として、
記録にも記憶にも残る試合になったのですから。
本当に素晴らしい、
試合のアヤも駆け引きも、
そしてふた桁番号の意地も、
全ての「野球を面白くする要素」がたっぷり詰まった、
間違いなく見た人の記憶に残る、
いや、球史に残ると言っても過言ではないような、
素晴らしい試合となりました。
試合は終盤まで一点差の攻防が続く〝いい試合〟でしたが、
その試合が【死闘】に変わったのは7回二死から。
一点ビハインドの佐久長聖がここから反撃を見せ一二塁のチャンスを作ると、
次打者はレフトへの平凡なフライ。
しかしこの打球が、
風に流されながらちょうどレフトの目線に西陽が入ってきてしまう位置に不運にも飛んでレフトが落球。
一気に試合をひっくり返して9回を迎えました。
しかし粘りを見せる旭川大がここから反撃、
一死二塁のチャンスを掴むと、
それまで全くタイミングの合っていなかった中筋が渾身の一打をレフト線へ。
これが同点の二塁打となって、
試合は振り出しに戻って延長に突入しました。
ここから試合の〝死闘度〟がどんどん増していって、
見ている方は毎回息の詰まるような攻防に、
まさに一喜一憂というかんじでした。
しかもマウンドに立つ佐久長聖・北畑、旭川大・楠茂は二桁番号のリリーフ投手。
しかし2人の気合の入った素晴らしい投球、
そしてそれを気迫で支える守備陣。
まさに「これだ、これが高校野球だ!」というような、
本当に「何年かに一度しか見ることができない」レベルの、
胸を打つ素晴らしい戦いとなりました。
延長が10回、11回と進むにつれ、
もうワタシも「どっちも負けるな」という、
久々の境地に達することができた、
素晴らしい戦いでした。
何度素晴らしいと言っても、
言い足りないぐらいです。
そして試合は13回へ。
そう、甲子園で初めてのタイブレーク試合です。
タイブレークは、
試合を見る方としては「慣れたもの」です。
高校野球では数年前から地方の春季大会や明治神宮大会などで、
大学野球はほぼ全ての試合で、
国際大会や、草の根の中学、小学生の大会などではずっと前から、
このタイブレークは採用されていました。
まあ、見慣れた光景が、
ついに甲子園・・・って感じでした。
しかし。。。
甲子園で初めてのタイブレークは、
まさかの〝凌ぎ合い〟になって、
最初の回である13回はまさかの両チーム無得点で決着がつかず。
2イニング目に入った14回、
タイブレークの常套手段である「最初はバント」が三塁線にコロコロ転がると、
絶妙にスパイクで掘れたところに当たり、
通常はファールになりそうなところがフェアに。
ノーアウト満塁となって、
内野ゴロの間に待望の一点を入れました。
しかしその後のピンチを気迫のゲッツーで締めた旭川大。
ご承知の通り、
タイブレークの表の攻撃の〝一点〟は、
はっきり言うとあってないようなもの。
あるいは、「やべーな」と言うぐらいの感覚になってしまうまさに「薄氷のリード」。
その一点差の延長14回裏。
旭川大の攻撃は四番の持丸から。
持丸は7回の守備で痛恨の落球をした選手。
野球というのは、
というか甲子園の神様は、
しばしばそういう選手に「ここでさっきのプレーのお返しをしてみぃ」という機会を与えるもの。
ワタシは観戦しながら、
持丸くんの同点打、逆転打という流れかな?
と思いましたが、
ここまで5イニング連続でサヨナラのピンチを凌いで、凌いで、凌ぎまくってきたマウンド上の佐久長聖・北畑クンは、
最後まで気持ちが強かった!!
無死一、二塁で四番という「最後の大ピンチ」も、三ゴロ、そして二ゴロゲッツーと、
ブレないすごさをめせて、
この一点を守り切って嬉しい勝利を手繰り寄せました。
それにしても、
シビれる場面の連続で、
試合終了後は本当にグッタリと疲れてしまいました。
しかし、
本当に両校ともによく頑張りましたね!
すんごい試合でした。
まだまだ今日も、
昨日の余韻を引きずっています。
こんな試合見ると、
もう高校野球から離れることなんて、
できるわけありません。
(はなっから離れるつもりなんてありませんご。。)
あぁ、甲子園。
栄冠は、君に輝く。
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