~スポニチ・アネックスより~
西武の松坂大輔投手(40)が今季限りでの現役引退を決断したことが6日、分かった。この日までに球団に意向を伝えた。
ついに松坂大輔が引退を決断したと、
各スポーツ紙が報じました。
まあ、
ついにこの日が来たかという感慨よりも、
ようやく年貢を納めたかというのが正直な感想です。
高校野球ファンとして、
そして西武ライオンズのというよりも野球のファンとして、
長い年月松坂大輔というプレーヤーに心躍らされてきた身としては、
非常に残念で「ついに来てしまったか」という思いもあります。
しかしながら不思議なことに、
ほかのプレーヤーの引退と比べて、
あまり感慨深いという感じはしないんです。
それもこれも、
晩節の松坂の歩みが、
ワタシを白けさせていたからだと思うんです。
ということで、
このニュースを聞いた時に「やっとか」という思いが最初に沸いてきてしまったんだと思います。
また引退試合でもしたら書こうとは思いますが、
高校時代からプロ入りの数年間は、
それはそれはすごいピッチャーでしたね。
MLB入りを決断した時も、
「松坂なら、不可能なことを可能にしてしまうのでは」と過剰とも思える期待を寄せました。
しかし現実ではそうはならず、
現実に「不可能なことを可能にした」のはそれから10年後に海を渡った大谷翔平でした。
MLBでの松坂も、
全くと言っていいほど印象には残っていないです。
多分ボストンのファンもそうではないのかな?
メジャー2年目には18勝しましたが、
驚くほど自分の中で印象には残っていません。
まあ、ボストン・レッドソックスという球団が、
ワタシはメジャー30球団の中で最も嫌いな球団だというのもあったかもしれないですけどね。
そのメジャー2年目、
松坂が高校を卒業してプロ入りしてここまでのきっちり10年間が、
松坂大輔の「輝ける年」だったという事です。
そして「早熟の天才」は、
その後は一度も二けた勝利を挙げることもなく、
それでもそこから13年もの間、
プロ野球生活を送るという事ですね。
最初の10年で141勝、
10年で9回の二けた勝利を挙げた輝ける日々が去った残りの13年は、
わずかに29勝。
年間に直すと2.2勝/年です。
そのイメージが強すぎるので、
松坂大輔はず~っと昔に「過去の人」に位置付けられていたという事なんでしょうね。
よく引退に際して、
二つのタイプがあるとされますよね。
まだできるといわれながら、
余力を残して引退をするタイプ。
長嶋や王などのかつての名プレーヤーは、
そういう人が多かったですね。
「カッコいい終わり方」です。
一方で野村克也さんに代表されるのが、
ボロボロになるまでやるタイプ。
これもまた、
晩年になって力が落ちてくるのに抗いながら、
もがき苦しんで現役を全うするという姿に、
「男の美学」というものを感じ、
カッコいいと思わされました。
しかし松坂の引退は、
そのどちらでもない感じがします。
もがき苦しんでいると報道はされているものの、
その姿を見せることも、語ることもせずなんだか「雲隠れ」みたいになってしまっていたことが、
どうもよくなかったのではないかと思っています。
西武ライオンズに最後の2年間在籍(?)しましたけど、
ライオンズのファンは復活を期す二人の大ベテラン投手にフォーカスしていました。
ひとりは松坂大輔、
そしてもうひとりは巨人からFA補償選手としてやってきた内海哲也。
ファンは最初は松坂のほうにシンパシーを送っていたように感じますが、
二人のチーム内での振る舞い(あくまでも報道ベースですが)を見て、
内海にはリスペクトを、そして松坂にはブーイングを送ることが多かったように思います。
ワタシも、
平たく言えば「死に場所」を与えてくれた西武に対して、
もう少しやり方ってものがあるんじゃ・・・・・なんて思っていました。
ま~ったくといっていいほど、
肉声も聞こえては来ませんでしたしね。
SB時代、中日時代、そして西武時代を通じて、
何だかMLB帰りのプレーヤーに対するファンの見方を厳しくする方へ、する方へと導いていってしまった感じがあります。
ひとことで言って「残念な存在」そのものでした。
プレーヤーとしてのキャリアの前期があれほどまばゆかっただけに、
その失望も半端じゃなかったという事なんでしょうね。
今のワタシの心情としても、
「輝いていた時期の松坂」
はあまり頭に浮かんできません。
やっぱりプレーヤーというのは、
その「やめ方」「晩節」というのはとても大事なんだなと、
心底思います。
儀礼的なものや周りの雰囲気に流される類のものではない、
ファンの心からの「やめないでくれ~」「今までありがと~」という叫び、拍手、
それをもらってこその、
スターの幕引きだと思うんですけどね。
あまり頭の中がまとまりませんが、
何だか素直に「ありがとう」「お疲れさま」と言えない自分がいるのが、
なんだか驚きでもあります。
ワタシ自身松坂に何かを期待していたわけではないのですが、
なんだかモヤモヤした気持ちです。
まだ全然活躍できるのに、
スパっと野球というものを「見切った」江川卓の引退に通じるものを感じてしまいます。
そんな松坂の引退報道でした。
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