徳勝龍が歓喜の初優勝を飾ったその日に、
千秋楽で敗れ矢尽き刀折れた大関・豪栄道が、
ついに引退を決意しました。
大関を陥落したとはいえ、
次の場所で10勝をあげれば1場所での復帰が認められている中、
ご当地場所である大阪での春場所を待たず、
豪栄道が大きな決断をしました。
33場所にわたり維持してきた大関という地位、
8度のカド番を乗り越えてきたものの、
今場所9度目のカド番でついに負け越し。
やはり体の状態がかなり悪いというのは自分で一番よくわかっていることだと思います。
この負け越しで張りつめていた気力もぷつんと切れた。。。。。
そういう事なんでしょう。
相撲ファンとしては、
5番しか勝てなかった今場所でも、
栃ノ心、高安、玉鷲、大栄翔、そして13勝を挙げた正代に対して白星を挙げており、
「まだまだできる」どころか、
「次はご当地だけに、大声援をバックに必ず復活してくれる」
と思っていたのではないでしょうか。
この引退発表、
ワタシも寝耳に水で、
驚きました。
しかし本人が「やり切った」と思って、
潔く進退を決めたのであれば、
彼の切れのある相撲同様、
見事な引き際だったと言えると思います。
豪栄道と言って思い浮かぶのは、
何と言ってもカド番から全勝優勝を飾った2016年秋場所。
あの場所の豪栄道は、
本当に強かった。
立ち合いの鋭い踏み込み、
そして前みつを取ると間髪入れず鋭い出足で、
相手に全く相撲をさせず完勝し続けていましたね。
そしてあの場所は、
今場所の徳勝龍と同じように、
追い込まれても土俵際での粘りがすごくて、
全く負ける気がしませんでした。
やっぱり優勝する場所は、
相撲の神様が後ろについているかのようでしたね。
入門時から”大器”と言われ続け、
その期待に応えるように大関まで上り詰めて、
その大関を33場所も務めた土俵人生は、
充実したものだったと思います。
同期には元横綱の稀勢の里、
今場所優勝の徳勝龍や、宝富士らがいます。
稀勢の里と同様に豪栄道も、
学生相撲(大学)を経ないでの入門ですから、
33という年齢もいわゆる「相撲年齢」はかなり高く、
大卒の力士と同じに考えることはできないと思います。
本当に最後まで「やり切った」と言えるのではないでしょうか。
ケガを押して土俵に上がり続けた姿は、
2場所負け越しが続くと陥落してしまう大関という地位だったからという事だけではなく、
尊敬に値するものです。
今後は後進の指導に当たると思いますが、
”気合一撃”の力士を、
どんどん育てていってほしいと思います。
お疲れさまでした。
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