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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第101回全国高校野球選手権大会 予選展望3 【関東2】

2019年06月26日 | 高校野球

≪第101回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望3 関東(2) -

【埼玉】(参加152チーム)  
やはり夏は花咲徳栄が本命。選抜の春日部共栄も差なく追いすがる。山村学園ら新興勢力の追い足も鋭い。

◎ 花咲徳栄
〇 春日部共栄
△ 浦和学院 山村学園  
▲ 浦和実 埼玉栄 聖望学園 白岡 東農大三 市川越

昨夏は「10年に一度のご褒美年」で埼玉からも2代表を送り出すことができて、”埼玉2強”の花咲徳栄と浦和学院が揃って甲子園にコマを進めることができた。今年は例年通り1代表となるが、ここ10年以上も「2強」を形成してきた県内高校野球勢力図に、若干の変化が現れる年となっている。それは剛腕のエース村田を擁して選抜に出場して、夏も連続出場を狙う春日部共栄の存在があるからだ。戦力的にも期待されたセンバツで、ああまりにもあっけなく何もできずに敗れ去った春日部共栄は、やはり本多監督の不在(センバツ時は謹慎中)というものがいかに大きかったかということを痛感したのではないか。しかしその本多監督が6月に復帰。万全の態勢を整えて夏に向かう。だが春の関東大会では、選抜の時と同じように村田を立てて臨んだものの東海大菅生に対して手も足も出ずに完敗。ここらに春日部共栄の弱点が潜んでいる。自分たちのペースにならなかったときの立て直しがきかないチームカラーは、夏を勝ち抜くうえで一番の心配の種ではなかろうか。一方夏の大会を勝ち抜くためのすべてを知っているといってもいいのは花咲徳栄。一昨年の全国制覇、そして昨年の北埼玉大会での完勝は印象に残る。今年も橋本、韮澤、井上らが中軸に座る打線の破壊力は県内屈指。。というか完全に全国レベルである。今年の不安材料は投手陣の整備だが、何とかやりくりして頂点を極める術を熟知しているだけに、今年も埼玉大会では紛れもない本命だ。その花咲徳栄をライバルと強く意識する浦和学院は、今年春の県大会の連覇が6年で途切れついに敗退。何とノーシードで県大会に臨む。もちろんノーシードだとて彼らの戦力の分厚さは他の追随を許さないので、投手のやりくりなどには問題はないであろう。しかし今年は、実力で完全に上回っていると思っていても突き放せないなど、チームに勢いが欠けているので、夏を迎えてどうチーム全体が脱皮できるか。この名門3チームが覇権を争う大会になりそうな予感だが、新興勢力のフレッシュな戦いぶりにも注目が集まる。その筆頭は山村学園。創部11年目の新鋭で、ここの所県大会上位の常連になってきている。エース和田をはじめ中学時代にシニア・ボーイズで鳴らした選手がメンバーに並んでおり、よく野球を知っている印象だ。決して侮れない戦力で、初の甲子園に狙いを定める。今年実績を残しているのは浦和実。秋は4強、春はさらに一歩進んで準優勝。関東大会では山梨学院を破る金星を挙げ、意気上がっている。逆に秋準優勝、春4強の東農大三にはプロも注目するエース飯島がいる。県内No1という評価で初の夏をつかみたい。聖望学園、市川越らの西部地区の強豪に、上尾、埼玉栄などの名門がどう絡んでくるか。「浦学キラー」の白岡の戦い方にも注目だ。

 

【千葉】(参加163チーム) 
稀に見る大激戦の、ハイレベルの大会になりそう。はたしてどこが勝ちあがってくるのか。

◎ 習志野 専大松戸 
〇 木更津総合 中央学院
△ 銚子商 東海大市原望洋 成田
▲ 千葉経大付 拓大紅陵 東海大浦安 

ここの所すっかり「野球王国・千葉」が復活した感のある千葉大会。今年もハイレベルの戦いが見られそうな気配だ。選抜で準優勝に輝いた習志野は、その疲れからか春のシーズンは調子を落としたが、夏はしっかりと状態を上げてくることが予想される。ここ2年連続で決勝敗退という悔しさを味わっているので、今年の夏にかける思いは強いはず。戦力的には”大魔神”飯塚が後半にがっちりと構える存在であり続けられればどんな相手にも勝機は見えてくる。先発する候補は選抜でも好投した左腕の山内を中心に3,4枚は見込めるので、しっかりしたローテを組んで県大会の最後で息切れがないようにしたいところだ。春に躍動した専大松戸は、相変わらず投手の育成能力に長けており、今年のエース横山に杉田はともに質のいい速球を投げ込む本格派。打線の破壊力はないが、関東大会では健大高崎、桐光学園と強豪を堂々と寄り切ってその力を見せつけた。本命の一角とみていいであろう。夏の県大会3連覇中の木更津総合は、例年素晴らしいプレーヤーがチームを引っ張っているが、今年はエース根本にその役割を担ってもらいたいところだ。しかしながら春シーズンは絶不調。彼の復活がちーみの命運を握っているともいえるが、エース不在の緊急事態に控えが成長を見せて戦力が底上げできたのは、夏を見据えるうえではとても大きかった。マウンドを死守した2年生の篠木がエースを奪い取るほどの勢いを見せ、根本が復活すれば完全に二枚看板が出来上がる。昨年は春夏ともに初出場を決めたメモリアルな年となった中央学院。その勢いで新チーム結成の秋も県大会を制したが、春は早期敗退で戦い方の見直しを余儀なくされた。しかしもともとの持っている力はあるだけに、勢いをつけて夏に臨みたい。秋春ともに4強を占めた銚子商は、名門復活を狙う。同じく名門の成田は、左腕エース杉田の出来がすべてか。しかし彼が絶好調ならば、道は開けてくる。そういえば、ユニフォームは昨年吉田で大躍進の金足農そっくり。彼らの大躍進の再現を狙いたいところか。名門・強豪といわれる各チームは、夏を迎えて戦力の整備に余念がない。東海大市原望洋、拓大紅陵、東海大浦安に元西武・森氏が監督に就任した千葉経大付属までを候補に挙げておく。

 

【神奈川】(参加181チーム)   
今年もまた、全国屈指のライバル対決が濃厚。”ハルカン”優勝の強打の東海大相模か、夏絶対の強さを誇る横浜が投の3本柱で逃げ切るか。

◎ 東海大相模
〇 横浜 
△ 桐光学園 慶応 日大藤沢
▲ 桐蔭学園 鎌倉学園 横浜創学館 星槎湘南 

神奈川の夏のまさに「絶対王者」といえる横浜は、現在3連覇中。例年ドラフト候補のスーパープレーヤーを投打の中心に配して、県大会では全く他校を寄せ付けない強さを見せる。実際夏の県大会での強さを見ている誰もが「甲子園でも頂点を狙える」と思うのだが、実際には全くそうはなっていない。渡辺-小倉コンビに率いられたかつての強さは甲子園では全く影をひそめて、上位進出を阻まれるケースが続いている。追っていく各校としては横浜の甲子園での戦い方を参考にして”打倒横浜”の対策を練るべきだと思われるが、さて今年は「横浜絶対」が破られる大会になるのだろうか。その横浜は今年も投手陣がエグいほどの好素質の3本柱を配する。まずはエースの及川。言わずと知れた秋のドラフト候補で150キロ超の速球とスライダーが武器。しかし秋の関東大会や選抜で滅多打ちにされたように、ひとたびペースをつかめないと厳しいピッチングになる投手で、一発勝負の安定感という面では物足りなさも残る。しかし松本、木下という下級生の投手陣が春から夏にかけてグッと伸びてきており、あるいはこの二人を中心に投手陣を回していくかもしれない。打線も例年ほどの破壊力はないが、内海、渡会らが中軸に座り相変わらず得点力は高い。やはり今年も候補一番手といえるだろう。追っていく東海大相模は、冬を越してやはり戦力の底上げができてきた。秋はどうなることかと思われたチーム状況だったが、春の県大会、関東大会を制し、こちらは「神奈川さえ勝ち抜ければ、甲子園では上位進出は固い」というまさに「外弁慶」というか、大舞台に強いメンタルを持っているだけにファンの期待も高い。打線の破壊力はもとより昨年の選抜4強のチームに劣らなかったが、ここに来てとりあえず投手陣にめどが立ってきたのが大きい。東海大相模らしいアグレッシブベースボールが炸裂した時の得点力の高さは言わずと知れたものだが、例年夏には横浜と戦うとその自分たちの野球が完全に封じられてしまうのも常。両校は準決勝で対決する組み合わせとなっており、今年もこの「事実上の決勝戦」をどのような戦略で望んでいくのか。もとよりこの試合、ハマスタが満員札止めになることは請け合いだ。追っていくチームはいくつかみられるが、今年は2強の戦力が抜けているので、よほど勢いがつかない限りその壁は厚いと予想する。まずは春の県大会で横浜を破り準優勝を飾り、関東大会でも2勝を挙げた桐光学園。1年生から期待され続けた2枚看板の谷村・富田は結局思ったように上昇曲線を描くことができず最後の夏を迎え、結局エースは2年生の左腕・安達になりそう。安達は打っても4番のスラッガーで、数年前の中川(現立大)をほうふつとさせるものの、夏に2強を破るまでの超絶さは持ち合わせていない感じだ。決して取りこぼしはしない夏の桐光だが、その分2強を破るほどの爆発力にかけるという欠点は今年も解消されていない気がする。秋の関東大会を制して選抜に久しぶりに出場した桐蔭学園は、ドラフト候補の森を中心とした打線が活発。夏の神奈川を制するだけの投手陣を持ち合わせていないチーム事情の中、打線がどこまでカバーできるかがカギ。ノーシードからの登場というのも厳しいか。昨年久しぶりに甲子園をつかみ取った慶応の方が今年も怖い。例年夏にかけて打線の上積みがかなりあるチームで、接戦をものにする団結力も強い。今年は昨年のような絶対的な強さはないが、シード校にとっては怖いチームであることに間違いはない。春4強でシードを獲った鎌倉学園は、昨夏準優勝を飾ったいい流れが今年もまだ続いている。打線の力と接戦に強い野球力は買いだ。幸い自分のブロックに「ノーシード爆弾」もおらず、順調に勝ち進む可能性も高い。例年力を発揮する日大藤沢、横浜創学館、そして星槎湘南あたりが勢いをつけて甲子園を狙っている。いずれにしても、最低7回は勝たないとたどり着けない栄冠。今年も暑い夏の中、最後にものをいうのは精神力……そんな戦いとなりそうな気配だ。


【東東京】(参加129チーム) 
顕著なレベル低下に悩むも、二松学舎大付・関東一の両強豪中心になるのは間違いない。都立勢も多士済々で上位狙う。

◎ 二松学舎大付 関東一  
〇 帝京 岩倉
△ 小山台 雪谷  
▲ 東亜学園 堀越 修徳 日体大荏原 

昨年に引き続いて、今年も東京の勢力図は”西高東低”。東東京は突き抜けたチームが見当たらず、結局二松学舎大付、関東一の2強対決で雌雄を決しそうな気配だ。二松学舎は3年連続の夏を狙う。どうしても夏の覇権を獲れない雌伏の年月を過ごしてきた二松学舎が、大江(現巨人)を擁してその歴史に風穴を開けてから、二松学舎の夏の戦い方には明らかに変化が訪れている。どっしりとした戦い方は「夏の戦い方のツボ」を抑えたもので、その結果が一昨年、昨年の連続出場だ。今年は過去2年に劣らない打線を持っており、昨年も甲子園で好投したエース海老沢にめどが立てば、ライバル関東一に一歩先んじることができる。その関東一は、3年前までの「甲子園は年中行事」の時期に戻すように躍起だ。抱える戦力はもちろん東東京では随一。例年現れる「粗削りだがポテンシャルの高い」投手に、今年は誰が指名されるか。候補は4,5人はいるようで、いずれも140キロ台の速球を操る本格派だ。打線は足を使っての揺さぶりに加え、渋谷、野口、平泉らの一発を持った打者が揃い、狭い神宮での一発攻勢もありそうだ。とにかく、3年続けてライバルの後塵を拝すことは、プライドが許さない。2強に迫って何とか久々の甲子園を手繰り寄せたい帝京は、言ってみれば「例年通りの戦力」を整えて大会に臨む。もう8年も甲子園に届いていないかつての絶対王者は、それでもこの時期、例年本命か対抗に名前が上がるのが常。しかしながら大会にはいってから全くといって良いほど勢いをつけることができず・・・・・という戦い方に終始して敗れ去っていくという戦いを続けている。何かを変えなければ…それが今年の帝京に課せられた命題か。今年も戦力的には、甲子園をつかみ取っても何らおかしくはない。そして今年は、公立勢が面白い。昨夏決勝進出し、今春はと大会でも4強入りを果たしたのは小山台。突出した戦力がないのは”お約束”だが、全員で束になってかかってくる迫力は他校にはないもの。勢いがつけば、悲願の甲子園も見えてくる。その甲子園の”先輩”に当たる雪谷も面白い。元阪神の伊達監督が就任して、戦える態勢を整えつつある。ピンク旋風が再度吹き荒れるか。名門の各チームも、忘れかけていた甲子園を本気で狙いにかかっている。東亜学園、堀越などは出場すれば30年ぶりぐらいになるのか。日体大荏原に至っては、40年以上のブランクでの甲子園への復帰となる。何かが起こる夏になる気配も、ないとは言えない大会だ。

 

【西東京】(参加130チーム) 
センバツ漏れのくやしさでチーム強化、東海大菅生。剛腕取りそろえる日大三、選抜の国士舘、強打の早実が追い足を見せる。

◎ 東海大菅生
〇 日大三 国士舘    
△ 早稲田実 佼成学園 
▲ 創価 八王子 国学院久我山 日大鶴ケ丘 日野  

センバツの選考で確実視されていたにもかかわらずまさかの落選という憂き目にあった東海大菅生。その悔しさをバネに挑んだ春の都大会を制し、関東大会では見事な戦いぶりを見せて準優勝まで駆け上がった。エース中村は左腕から球持ちのいい速球とスライダーで相手を手玉に取る投球を披露。改めて今年の東京のNO1投手であることを強く印象付けた。打線も破壊力だけではない得点力の高さを見せての圧勝。春前の「ややリードか?」から「頭ひとつ突抜け出した」ぐらいに評価を上げた。一方昨夏甲子園4強に輝き、今年も当初は強力な投手陣で「絶対的な本命」と目されていた日大三は、やや東海大菅生に離されつつある現状を夏に逆転することができるか。井上・広沢と強力な投手陣を擁しながら、何か一つ勝ち切れないという「勝ち切れない年の日大三」に見えて仕方がない今年のチーム。それを打破して、久しぶりの連続出場をつかみ取ることができるだろうか。昨年のチームのような、団結力を示せば道は開けるとも思うが。。。一方今年ずっといい戦いをしているのが国士舘。選抜では力の差を見せられて明石商に対し成すすべなく敗れ去ったが、そのショックを引きずらずに春季都大会では準優勝、関東大会でも1勝を挙げて春からの戦力アップにつなげて見せた。特に東海大菅生との試合では、若干戦力差があるようにとらえられているものの、春も接戦に持ち込んだのは特筆できる。しかし心配は、伝統的に夏の選手権に強くないという事であろう。『春の国士』の異名は、裏返せば「夏は勝てない」ということで、その歴史を積み重ねてきたチームだけに、決勝までの道のりの中で、どこかに足元をすくわれはしまいか。決勝までたどり着けば、東海大菅生に対しても苦手意識がないだけに、面白い戦いになることが予想される。この3チームが今年は戦力的にも抜けているという印象だが、連戦の夏はどこが勝ち上がってもおかしくはない。ダークホースも数多い。その筆頭はやはり早実か。加藤、清宮、野村という歴代のスラッガーたちが神宮の森を大いに沸かしてきた早実だが、例年の通り今年も打線でねじ伏せるチームになりそうな気配だ。かつての斎藤のように「絶対的エース」がマウンドに君臨すればすぐにでも選手権の切符は取れそうな気がするが、実際は今年も継投でつなぎながら打線の爆発待ちという試合にならざるを得ないだろう。勢いをつけて上位との対戦に上がっていきたいところだ。そのほかでは国学院久我山、日野あたりが可能性を秘める。

 

 


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