Leoの、『一年に映画を100本観るぞ!』 キャンペーン

一年間に映画を映画館で100本観ます。映画のレビューと、僕の個人的な評価額を0円~1,800円の19段階で記載します。

#018 『 サイレン FORBIDDEN SIREN 』 <900円=14/18>

2006年02月26日 | Weblog
まず、「音が凄い」ということで盛んに宣伝していましたが、別に普通でした。
僕はシネコンで、結構音響設備が良い環境で、しかも劇場の中央付近で観たので、「場所が悪かった」、ということはないと思います。
なのにとにかく「音は普通」でした。
予告などで聴いたサイレンの音は確かに不気味だったので、サイレンが鳴り響く場面などは、
もっとゾクゾク・ドキドキすると思っていましたが、別段そんなこともありませんでした。
なのでこの段階で、この映画に対する評価は低くならざるを得ない。
だって、「音」が「最大のウリ」だったわけですから。

と思いきや、じゃあ映画自体がつまらなかったか、というと、そうでもなかった。
そこそこ楽しめたし、観て損した感じはまったくしませんでした。
夜美島のムードや、人々のムードは、なかなかのものでした。

ただ、「怖かったか?」と問われると、「怖くはなかった」、
と答えないわけにはいかないんですよね、これが。

つまり、何を求めて映画を観ようと思っている人に薦めればいいかが、
判らないんですよねー。
そんな映画です。

とんと。

2006年02月16日 | Weblog
今週はちょっと仕事が詰まっていて、とんと映画を観に行けませんでした。
ストレスです。
このブログも全然書けません。
これまたストレスです。

幼少の砌 其の三

2006年02月15日 | Weblog
小学生くらいになると、テレビで映画を観ることも多くなってきたのですが、
この頃は、最も映画の世界を全面的に受け入れてしまって、現実と映画の世界の区別が、
うまくつけられなかった時期です。
なので、映画を観ると、必ず眠れなくなるのです。
いろいろなことを考えてしまって。
怖い映画だから、ということではありません。
全然普通の、ありふれた映画を観ても、そうなるのです。
でも、今にして思うと、あの頃が一番映画と真正面から向かい合っていたような気がして、
そんなふうな、一生懸命な映画鑑賞がまた出来るといいなぁ、と思います。


幼少の砌 其の二

2006年02月14日 | Weblog
子供の頃は、テレビで映画を観るなんてことは全然なく、そのほとんどが「東映まんが祭り」系でした。
でも、覚えてないんですよね、全く。
ただ、ひとつだけ覚えているのが、2階建ての映画館の2階最前列で観た、
「にんぎょひめ」
のアニメ。
号泣しましたね。
何だか。
オンオン泣いた記憶があります。
ストーリー自体は全然覚えてないのですが、映画を観て泣いたのは多分あれが最初で、
あそこまでの号泣は、その後「ダンサー・イン・ザ・ダーク」までなかったはずです。
今、もう一度観てみたいとは思うのですが、もし観て、
「えっ?」
となると嫌なので、観ないでおきます。
幼い日のおもひでは、美しいままで。

幼少の砌 其の一

2006年02月13日 | Weblog
僕の最も古い映画の記憶は、
「ゴジラ対ヘドラ」
です。
このヘドラという奴が、気持ち悪い怪獣で、当時は産業廃棄物による環境汚染が問題となっていた時期であったため、
それにちなんだ怪獣なのだと思いますが、海から、ドロッドロの状態で登場するわけです。
幼い僕は、もう恐怖のズンドコです。
んで、怖いのにどういうわけか、モノクロのB5版くらいのピンナップ・ポスターなんか買っちゃって、
家の壁に貼ってあったのです。
もちろん、親が好んで貼るわけがないので、僕が頼んで貼ってもらったんでしょうが、
子供の心理は判らないですね。
映画自体は、今でも覚えているくらいの恐怖だったのに、壁にはポスターを貼る。
多分、朝起きてはそのポスターを見て、毎日ブルーになっていたはずなんですけどねぇ。

ちなみに、伊集院光さんが編集した「おバ歌謡」というオムニバスCDに、
このヘドラのテーマ曲が入っていました。
映画の中で流れたのかも知れないけど、記憶がないので、非常に新鮮でした。
いい曲でした。

#017 『 ジャーヘッド 』 <800円=14/17>

2006年02月12日 | Weblog
映画館で予告編を何度か観たのですが、非常に印象的なムードを持つヒップホップ音楽が気になっていました。
全然知らない曲でしたが、調べてみたら、「Kanye West」の「jesus Walks」という曲でした。
有名な曲なんですね。
結果として僕は、エンディングで流れるこの楽曲が、この映画の中で一番印象に残ることになりました。

この映画は、湾岸戦争に派兵された兵士の日常を描いていきます。
砂漠に派兵されたけれども、何も起こらず、闘わずして戦争から戻ってくるという話なので、
いわゆる「戦争映画」という視点で観ると、少し驚くことになります。
そういう意味では、新しい戦争映画のスタイルと言えるのかもしれません。
アメリカの若者の戦争に対する考え方や距離感は、日本人のそれとは全く異なるので、
そのあたりも興味深かったです。

実際、湾岸戦争に行った兵士の大半は、この映画に描かれているような日常を送っていたのでしょう。
それでも戦闘と死は、すぐ近くにある。
そんな緊張と弛緩が、この映画のキモであるように思いました。

「観て損した!」
という怒りがわくことは、多分ないでしょう。
でも、
「もの凄く感動した!」
というようなことも、まずないでしょう。
かと言って、
「観たい」
という人を止める必要もないし、
「DVDならぜひ!」
と薦めるほどでもない。

そんな感じの映画でした。

#016 『 オリバー・ツイスト 』 <1,000円=12/16>

2006年02月11日 | Weblog
まず、音楽が結構良かったです。
と、いきなり音楽のことから書き始めてしまうことからもご推察いただける通り、
映画としてはレビューが難しいです。

この作品はかなり評価が分かれていますが、僕としては誰目線で観ればいいのか、
というのが最後まで掴めなかったという感じです。
いや、もちろんオリバー君の目線で観なきゃいけないんでしょうが、それがなかなか難しくて。
結局、僕の敗因は、当時のイギリスの時代背景が理解できていない、という点につきるように思います。
それが事前に判っていれば、オリバーの心境も、仲間の想いも、大人たちの行動も全部理解できて、
良くも悪くも、この映画を評価できるような気がするのです。

でも、音楽は良かったです。
とても。

「博士の愛した数式」 その後

2006年02月10日 | Weblog
現時点での僕の今年の第1位になっている、「博士の愛した数式」ですが、
その後、原作本も読み終えました。
映画版とは設定が若干異なりますが、これまた映画以上に美しい小説です。

もう一度、勉強してみたいなぁ、数学。

コトゴトク。

2006年02月09日 | Weblog
昨日今日と、仕事が半分オフだったりしたので、映画を3本位観ようと思っていたのですが
コトゴトク時間が微妙に合わなくて、結局1本も観られませんでした。
こういうのってストレスになるなぁ。
始まって5分経過、とか、最後まで観ると、若干約束の時間に遅れる、とか。
事前に観る映画と時間を確認して、綿密に計画を練っておくべきだった、と。
そんな基本的な後悔をしたのでありました。

#015 『 単騎、千里を走る 』 <700円=13/15>

2006年02月08日 | Weblog
これは難しい映画です。
健さん主演のスタァ・ムービーと考えればいいのかもしれません。
ただ、映画自体で評価をするとなると・・・。
難しいです、実に。
もし、健さん以外の役者が主役をやっていたら、もっと言えば、主役が日本人じゃなくて、
知らない外国人だったら、と考えると、映画的な価値はそう高くないように思いました。
この映画は中国映画で、しかもセミドキュメンタリー的な造りになっています。
正確には、出演者に素人が多いので、セミドキュメンタリーっぽく見える、
と言った方がいいのかもしれません。
ストーリーとしては、以下の通りです。

断絶している父と息子。そこに息子の妻から電話が入り、息子が病に伏せているという。
父は意を決して息子に面会に行くが、息子は父に会おうとしない。
そんな父に息子の妻は一本のビデオテープを渡す。
そこには、息子が魅せられていた、中国の「仮面劇」を息子自身が取材した様子が
映っていた。
しかし、たまたま「単騎、千里を走る」という楽曲を、その役者が歌わない。
そしてその役者は、「いつか再会した時に、必ず歌うから」と約束する。
その映像を観た父は、単身中国へ。
息子が再会を約束した役者に会い、その歌をビデオに収めて、息子に渡そうと思っていたのだった。
そして父は、その役者に会うことが出来たのだが・・・。

これ以上書くと全部判るので、このくらいにとどめますが、こんな感じです。
わずかなすれ違いから、断絶した父と息子。
その10年間にも渡る溝をいかにして埋めていくか、というのが物語の骨子です。
不器用な父の行動、素直になれない息子の思い、そして、そのふたりをどうにか取り持ちたい息子の妻。
この三者の関係はせつなく、胸をうつものがありました。

しかしながら、僕が感情移入できなかった理由はひとつ。
映画として造りが雑だった、という点にあります。
中国人側も、しっかりと芝居の出来る役者を使うべきでした。
また、大半が中国で展開するため、当然中国語で話します。
健さんは中国語が出来ない設定なので、通訳がいますが、中国人が健さんに向かって話すと、字幕が出ます。
そして、その後通訳が、日本語に訳すわけです。
これが、何とも鬱陶しい。
何故、通訳が訳す前に日本語字幕を出すのか、意味が判らない。

更に言うとこれは一体、誰に向けて創られたものなのか、と。
中国の方はこの作品を観て、惹かれる部分はあるのでしょうか?
また日本人も、「中国」への感情移入は、あまりないように思います。
たとえこれがアメリカでも、ヨーロッパでも、アフリカでも、ドラマの根幹は変わらない。
もちろん中国映画なわけですから、そんなこと言うと、元も子もないのですが。

結論としては、何とも不可思議な映画であった、ということです。

最後に、息子は最後まで映像が一切出てきません。
声だけです。
映画が終わり、キャストロールで、それが中井貴一だということが判りました。
いい演技でした。

にょうい。

2006年02月07日 | Weblog
映画を観ている最中のにょうい、困りますね。
漢字で書くと、何だかナマナマしいので、ひらがな表記で恐縮ですが。
にょうい。
「キングコング」3時間9分。
結構つらかった。
最近、わりと上映時間が長い作品が多くて、それは嬉しいんだけど、にょうい的には困ります。
僕は、にょういがあると集中できなくなるので、勇気を持って途中で行くこともあります。
でも、そのタイミングが問題。
不在の数分間の間に、何か起こったらどうしよう!
と不安になります。
でも考えてみたら、例えば3分見逃しただけだとしても、それが大勢に影響なし、
ということだったら、それはそれで問題ですよね。
「いらねーじゃん、そのカット」、ってことになるもんなー。
だから、どこなら行ってもいい、なんてことはないはずなんですけどね。
でもまぁとにかく、影響の少ないところを見極めて、レツゴー厠(かわや)!

悩み。

2006年02月06日 | Weblog
間もなくトリノオリンピックが始まりますね。
夏のオリンピックに比べ、イマイチ盛り上がりに欠ける冬季オリンピックですが、
今回は、いろいろと楽しみなことも多いので、期待しています。

さてそんな中、映画「スキージャンプペア」です。
これは、どうすればいいですか?
いや、まぁ「どうすればいいですか?」と問われても困ると思いますが、もう僕には決められません。
「スキージャンプペア」自体は、好きです。
デーヴイデーも観ました。
レンタルですが。
でも、映画館に行って、1,800円払って、観てもいいですか?
悔やみませんか?
牛丼なら6杯食えた、とか思いませんか?
何より、観ている最中に悲しみに襲われたりしませんか?
心配です。
もし、強烈につまらなかったら、トリノ観戦にも影響しますよね、多分。
それが怖いのです。

あと、「シャークボーイ&マグマガール3D」はどうですか?
僕は3D映画は、好きなんですよ。
「キャプテンEO」とか。
懐かしいなぁ。
女王様、歳取ってたなぁ。
って、そんなことはどーでもいいのです。
いいですか?観ても。
しまった、大人一人で観ちまった、と自己嫌悪に陥ったりしませんか?
吹替え版しかない、というのも、僕の不安を更に増幅させるのです。

う~ん、悩むなぁ。
でも、悩むってことは、結構観たいんだろうなぁ、心の中では・・・。
どなたか、ヘルプミィ!

ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)

2006年02月05日 | Weblog
ご存知「ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)」とは、映画界におけるその年最低の功績に贈呈する賞の事です。
毎年、アカデミー賞式典の前日に、ひっそり式典を行っています。
一見、冗談っぽく思えるこの賞ですが、実際にはこの賞を受賞してしまうと、オファーやギャラが激減したり、映画界から追放されたりということもありえる、不名誉かつ、危険(本人にとっては)な賞です。
今年も、3月4日の授賞式に向けて、そのノミネートが発表されました。
作品賞ノミネートの中で、僕が観たのは「HOUSE OF WAX(蝋人形の館)」のみですが、結構面白かったですけどね。
ラジー賞のニュースを聞いて、「俺のラジー賞はどれだろう」と思って、昨年観た映画の記録を見返してみたのですが、評価が極端に低い作品は、「俺のラジー賞」にすら、入らないということが判りました。
僕が去年観た映画の中で、最も評価が低かった(10点満点中0点)作品は、「ハウス・オブ・ザ・デッド」「ノロイ」「妖怪大戦争」の3作でした。
でも、これらを「俺のラジー賞」には入れたくありません。
例えば「ノロイ」なんて、ラジー賞ウンヌンの前に、これを映画として認めるかどうかという問題があります。
やはり、嫌いだし、最低だし、と思いつつ、その作品への愛情がなければいけないんだな、と。

第26回ラジー賞ノミネート作品

Worst Picture (ワースト映画):
:Son of the Mask
:Deuce Bigalow: European Gigalow
:House of Wax
:Dirty Love
:The Dukes of Hazzard

Worst Actor (ワースト主演男優):
:Tom Cruise (War of the Worlds)
:Rob Schneider (Deuce Bigalow: European Gigalow)
:Jamie Kennedy (Son of the Mask)
:Will Ferrell (Bewitched & Kicking and Screaming)
:The Rock (Doom)

Worst Actress (ワースト主演女優):
:Jenny McCarthy (Dirty Love)
:Jessica Alba (Fantastic Four, Into the Blue)
:Hilary Duff (Cheaper by the Dozen 2, The Perfect Man)
:Jennifer Lopez (Monster-in-Law)
:Tara Reid (Alone in the Dark)

Worst Supporting Actor (ワースト助演男優):
:Alan Cumming (Son of the Mask)
:Bob Hoskins (Son of the Mask)
:Hayden Christensen (Star Wars: Episode III -- Revenge of the Sith)
:Eugene Levy (Cheaper by the Dozen 2, The Man)
:Burt Reynolds (The Dukes of Hazzard, The Longest Yard)

Worst Supporting Actress (ワースト助演女優):
:Paris Hilton (House of Wax)
:Katie Holmes (Batman Begins)
:Carmen Electra (Dirty Love)
:Jessica Simpson (The Dukes of Hazzard)
:Ashlee Simpson (Undiscovered)

Worst Director (ワースト監督):
:John Asher (Dirty Love)
:Ewe Boll (Alone in the Dark)
:Jay Chandrasekhar (The Dukes of Hazzard)
:Nora Ephron (Bewitched)
:Lawrence Gutterman (Son of the Mask)

Worst Screenplay (ワースト脚本):
:Jenny McCarthy (Dirty Love)
:Rob Schneider, David Garrett & Jason Ward (Deuce Bigalow: European Gigalow)
:Nora Ephron, Delia Ephron & Adam McKay (Bewitched)
:John O'Brien (The Dukes of Hazzard)
:Lance Khazei (Son of the Mask)

Worst Sequel or Remake (ワースト続編またはリメイク):
:Bewitched
:Deuce Bigalow: European Gigolo
:Dukes of Hazzard
:House of Wax
:Son of the Mask

Worst Screen Couple (ワースト・スクリーンカップル):
:Jamie Kennedy and Anybody Stuck Sharing the Screen with Him (Son of the Mask)
:Will Ferrell and Nicole Kidman (Bewitched)
:Jenny McCarthy and Anyone Dumb Enough to Befriend or Date Her (Dirty Love)
:Rob Schneider and his Diapers (Deuce Bigalow: European Gigalow)
Jessica Simpson and her Daisy Dukes (The Dukes of Hazzard)

Most Tiresome Tabloid Target (最もウンザリするタブロイド・ターゲット):
:Tom Cruise and...His Anti-Psychiatry Rant, Oprah Winfrey's Couch, the :Eiffel Tower and "Tom's Baby"
:Paris Hilton and...Who-EVER!
:Mr. and Mrs. Britney, Their Baby and Their Camcorder
:The Simpsons: Ashlee, Jessica and Nick

#014 『 フライトプラン 』 <600円=13/14>

2006年02月04日 | Weblog
さて、ついに『フライトプラン』を観てきました。
この作品も随分前から映画館では予告を観てきたので、期待していた時間が長い分だけ、
ハードルも高くなっていました。
今回はネタバレしますので、ご注意ください(じゃないと、書けないので)。

あらすじ的なものは、以下の通りです。
1.飛行機の設計士の母親がいて、子供と一緒に飛行機に乗る。
2.母親が寝ている間に、子供がいなくなる。
3.飛行機内の誰も、その子供を見ていない。
4.パニックになる母親。
5.その子供が飛行機に乗っている記録がない。
6.飛行機内を大捜索。
7.でも見つからないから、母親更にパニック。
8.そして、母親暴走。
9.実は巧妙に仕掛けられた罠が。
10.犯人と母親との闘い、そして・・・。

「フォーガットン」ですね、まさに。
おんなじです。
全体のムードも似ています。
ただ違うのは、「どーん!」と、いろんな人がどっかに飛んでっちゃったりはしない、
ということ。
「フォーガットン」は、サスペンスに見せかけたSF映画だったわけですが、
これは、一応最後までサスペンスのままではあるので、
その点は安心してください。
僕は、祈るような気持ちでしたよ。
「わけのわからん謎の生物とか、出てくんじゃねーぞ」
と。
あと、
「飛行機自体が意思を持ってて、子供を食べましたー、とか言うんじゃねーぞ」
とか。
ステルス的な。・・・違うか。
まぁ、そういうわけのわからないことはない、と。
辻褄は、ギリッギリですけど、取りあえずは合っていると。
なので、「フォーガットン」を観たときのような、やり場のないモヤモヤ感はありません。

んが・・・。

これは問題作です。
「母親の、子供への愛情」
そんなことで、片付けたらイケナイことが、いっぱい起こりました。
まさに久々の、『突っ込みどころ満載ムービー誕生』です。
書き始めるとキリがなくなるので、いくつかに絞って書きます。

1.
犯人は何故、わざわざ飛行機の設計士を狙ったのか。どう考えても、自らリスクを高めているとしか思えない。
お金より、飛行機の知識がある人間と「勝負」がしたかっただけなのかな?
2.
ジョディ・フォスターと娘は、「子連れ」ということで、飛行機に一番最初に乗り込んだ。
この時点でもう誤算のはず。
何故なら、こういう場合、客室乗務員の全員がこの娘の存在を強く心に刻むはずだから。
だから本来は、ここで計画は失敗している。
でも実際には、客室内には誰もいなくて、娘の姿は誰も見なかった。すごい。
3.
母親は眠った。しかも娘を、空いている他の席に移し、横になるようにした。
もしそれをせずに、本来の席(娘は窓際)にいて、ジョディもいて、
そして眠くないジョディがずっと映画などを観ていたら、
絶対に誘拐できなかった。
4.
客室乗務員も乗客も、誰も娘を見ていない。普通、飛行機に乗ると周囲に子供がいるかどうか、
というのは非常に気になるものである。あれくらいの子供なら、騒ぐ可能性があるので、
周囲の人はチェックするはず。
まして、前の席の子連れは、自分も子連れなんだから、近くの子連れが気にならないはずがない。
5.
っていうか、そんなことの前に、
「飛行機に爆弾を仕掛けるために、ジョディの夫を殺して、セキュリティの甘い『棺おけ』を飛行機に積ませ、その中に爆弾を仕掛ける」
って、どーゆー設定だよ、そりゃ。そもそも、誘拐の前段階でリスクが高すぎる。
6.
ジョディがパニックになったせいで、乗客は全員疑うは、大声でわめき散らすは、
挙句の果てに、酸素吸入器を落下させて、機内を更にパニックに陥れるはで、もう大変。
きっと乗客の中には、心臓の弱い人とかもいただろうし、体調が悪くなってしまった人もいる。
ジョディより、その人たちの方こそ本当の被害者ではないか。
7.
観ていた多くの人は、
「コイツが犯人、と見せかけて実は違う、ってゆーパターンなんだろーなー」
と思ったのでは。
なのにまさか、そんな奴が犯人だなんて。
共犯の女も同じ。
ワカリヤススギル。
8.
すべてが成功したのに、犯人は最後の最後で、ジョディの挑発∞に乗って、
飛行機を降りるのをやめた。
何だそれ。
そっか、やっぱり「勝負」したかっただけなんだ。
9.
爆弾の殺傷能力を知らないはずのジョディ。
犯人も、「ここで爆発させるとお前達も死ぬぞ」的なことを言っているのに、迷わず扉をしめて爆発させた。
そりゃー、設計士だから飛行機の強度などは知っているだろうけど、
爆弾の能力が強ければそんなの関係なく破壊されるはず。
何の迷いもなく、素人が、爆弾を爆発させるなんて・・・。
10.
そして最後に、アラブ人に謝れ、ジョディ。
鞄を手渡された時の、あの態度はなんなんだ。
日本人なら土下座して、相手に頭を踏まれても文句ひとつ言えない場面だよ、あれは。

この「フライトプラン」は、すべてのことが犯人が思い描いた通りにならないと成立しない、
極めて難易度が高い計画でした。
もう成功したら「奇跡」ともいえるくらい。
結果的にそれらは、全部成功して、犯人の思い描いた通りになったわけですが、
犯人は、ひとつずつのことが予定と違ったときのリカバリー方法を考えていたのでしょうか。
また、よく考えてみると、同じことをするにも、もっと成功確率の高い、リスクの低い方法が絶対にあるはずなのに、
敢えて最も難易度もリスクも高い方法を選んだ理由が判りません。

興行的には大ヒットしているようです。
あれだけ壮大なスケールで宣伝を行なえば、当然の結果でしょう。
これからはクチコミにより、観客動員が伸びるかどうかが決まってくるわけなので、
そう考えると、これから頭打ちかな、という感じはしますが。
でも、あまりにも叩かれると、「そんなに酷いんなら逆に観てみたい」という心理が働いたりもするから不思議ですよね。

でもまぁ考えてみると、観てすぐに忘れられる映画よりは、どんな理由であれ記憶される映画の方がいいわけで、多分僕はこの作品のことを当分忘れないわけで、そういった意味では、中途半端な作品よりはいいのかな、とも思いました。

「フライトプラン」の、その前に(フォーガットン)。

2006年02月03日 | Weblog
「フライトプラン」の基本設定を知ったとき、
あまりにも「フォーガットン」に似ていて、いや~な予感がしました。

それにしても、「フォーガットン」は凄い映画でした。
ただ、昨年の僕のシネマランキングでは、「10点満点中3点」そして、
「84作中、64位」ということで、それほど評価が低いわけではなかった。
これは何故かと言うと、「前半は面白かったから」なんですよね。
予告もスリリングで良かったし、その続きで映画も前半までは良かった。
なので、「前半だけなら8点」くらいの映画なんです。
ところが後半は、「汚点」。
おおっ!
今、「0点」と打とうと思ったら、「ゼロ」の代わりに、近くにあるアルファベット「オー」のキーを押してしまい、
「お てん」で変換してしまったら、「汚点」と表示されました。
う~ん、これは言いえて妙だ。

既にDVDも出ていますから、未見の方はぜひご覧ください。
この作品は問題作です。
観てすぐに忘れ去ることが出来るような、甘い作品ではありません。
きっといつまでも心に残り、何かというと話しの種にしたくなるような、
つまらないものを見たときの比較対象となるような、そんな映画です。

僕は、「フォーガットン」を「単位」として使っています。
例えば、何かしょーもないものを観てしまった時、
「うわー、3フォーガットンだ」
これは、「フォーガットンの3倍しょーもない」
という意味です。
ただ、これの難点は、「フォーガットン」があまりにすごすぎて、大体、
「1フォーガットン未満になってしまう」、ということ。
なので、
「あらら、こりゃー0.5フォーガットンだぁ!」
などと結局、「フォーガットン」の凄さを伝えるだけになってしまうんですよねー。

さて、それを踏まえたうえで、いよいよ問題の「フライトプラン」のレビューを、明日書きたいと思いますです。

よろしくどうぞ!