ゴミが大量に浮いたグアナバラ湾。リオ五輪の汚水問題が深刻化している(AP)
今夏に五輪を控えるリオデジャネイロでは、セーリングやトライアスロン、水泳のオープンウオーターの競技会場であるグアナバラ湾の深刻な水質汚染が問題となっている。
ロイター通信やAP通信が配信した写真は、家庭から排出されたであろうゴミが一面に浮かんでいたり、水辺で大量の魚が死んでいたり…。とにかく「汚い」のひと言に尽きる。
魚の大量死はこれまでも何度も報告され、ゴミはスラム街から流れ出した生活排水に混じっていたものだとされる。
水質問題はグアナバラ湾に限らず、ボートとカヌーの競技会場となるロドリゴ・デ・フレイタス湖などの水は大量の糞尿で汚染されているとも言われている。昨年8月には選手が病気になり競技を遂行できない可能性があると指摘され、当局が対策を怠っているとして抗議活動も行われた。
AP通信が昨年7月に公表した独自調査によると、専門家は「スプーン3杯分の水が体内に入ればウイルスに感染する危険性は99%」と指摘。さらに、グアナバラ湾で練習していたオーストリア代表の選手は、練習後すぐにシャワーを浴びたにもかかわらず吐き気と高熱に見舞われたという。
リオデジャネイロ五輪は来月5日に開幕半年前となるが、1月にも魚の大量死が報告された。関係者は「開催時には60%まで浄化される」と汚染水問題解決に自信を持っているとされるが、大丈夫だろうか。こんな海で競技させられる選手が気の毒だ。
2016.1.30 産経
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