*** 2019年のお米 2020年のお米 2021年のお米

2023-04-02 10:43:43 | 日記

*** 2019年のお米

2019年は、疎苗を実践してみました。疎苗とは、通常の苗の植える間隔を拡げて、苗の一株を太くして育てるというものです。
間隔を拡げ、太陽を多く取り込めるようにし、肥料も多めにします。
こんな感じで、刈り取り日に撮影した苗の足元です。
 実は昨年も苗の間隔を拡げて植えたのですが、全体ではありませんでした。
こんな感じで育ったのです。

 刈り取り時期は、2つに分けています。乾燥機が一度に入らないため、2度に分けるので、2度目は1週間後となります。
他所は、一度に連続乾燥するので、そんな間隔はないのですが、食味乾燥で時間をかけて2段乾燥し、その後数日おいて再度最終乾燥をします。
そうすることで、均一の水分量にすることができるのです。通常の乾燥だと、水分量がばらつき、乾燥気味にしないと保存できないのです。
JAは、乾燥気味でないと引き取りません。
それで、2度目の刈り取り米は、すべてJAに納入としました。
実はJAは、早い刈り取りのほうを欲しがるのです。なぜかというと青い稲が3割以上欲しいと指導しています。
少し青いのがあると、甘みがあるということらしいです。 また、早く刈り取ると、小米が増えます。それは、肥料としてJAが引き取ります。
刈り取りを1週間遅らせると、小米の量は半分になります。みんな成熟して収量は増えるのですね。
 で、自分たちの食べるコメは、1度目の収穫米にしました。^^;
   今年は、疎苗とともに、田の周囲に苗を植えないということもしましたが、植えていない場所では、草が繁殖したため、苦労しました。
実は、周囲をトラクターで回れるようにして、土手の草と隔離しようとしたのですが、苗が土手のほうまで流れて育ったりしたため、トラクターを入れるのを躊躇したのです。
 これらの結果、田のひろさに比べての収穫量は減りましたが、苗の成長で一株の収穫量に関しては、1.5倍くらいになっているのではないかと感じています。
 今年のコメは昨年よりも、もちもちでおいしいかも。

*** 2020年の新米
 今年は大変でした。 コロナを注意しながら農作業。
人と会うのも苦労しました。 農作業中に、トラクタが田の中で動けなくなり、人に助けてもらったりもしました。
 しかし、今年は、雨も多く稲がすくすく育ちました。その結果、200坪くらい植え付け面積を減らしましたが、収量は去年並みになりました。
 <花が咲いてる頃の稲です。ここは全面一枚の田です。>
<今年は暑かったのですが、水はきれいです。>
すごく大きく育ちました。
<刈り取り当日。コンバインの刈り取れない稲を刈り取っています。>
農地では、すでに10年以上除草剤は未使用。農地に紀の川の水を入れると、田ウナギやゴカイなどの生き物が生きていて、秋には、赤とんぼが飛んでいます。
○ 乾燥は穀物温度は今年は26.4℃で制御。(食味乾燥しています。)
○ 水分14.5 乾燥しました。(JAの指導です。)
○ 今年の米は腰があるお米です。
米の種類 :キヌヒカリ
生産   :2020年9月収穫。 生産場所 :和歌山県岩出市(紀の川と、和泉山脈の中間地)
用水 :紀の川用水
生産者 :池内  電話:070-8389-2749

<乾燥、もみすり、選別計量機を通して玄米を作っています。>
 なんとか今年もおいしいおコメ出来ました。
(作業の後は、機械を分解して掃除します。それが一番大変なのです。^^;)

*** 2021年

 今年もお米が取れました。
今年のお米は、昨年のように暑さで数量が増えたにもかかわらず、割れの出るお米が出たため、より分け出荷するという必要もなく、むしろ、最高の出来のお米になったと思います。
 この夏は雨が多く、気温も比較的に昨年より低かったです。その結果、稲の夏バテが少なかった。で、思った以上に苗の植える間隔調整、肥料の調整がうまくいき、除草剤を使用しないこともあって、全ての田で稲がすごい成長をしました。
 奥が同じ時期に植えた業者の同じ品種の稲。
手前が池内の田んぼの稲です。高さが20㎝は差があります。
稲の花が咲いている時期の写真です。
この結果、稲を刈る前には、
 お米の重さでたわむように、一束のコメの根元がほとんど10ch以上の太さを持ち、その太さのおかげか、風雨に耐えて、倒れることなく稲が育っています。
  今年は稲刈り時も雨の合間をぬっての作業となりました。田はぬかるみができましたが、稲の穂自体は、乾燥による影響がなく、みずみずしいまま、収穫となりました。
 そういったことで、お米の乾燥時間は、すごくかかりました。食味乾燥で2段階乾燥を行いました。
 17時間の乾燥後、7時間の休止を入れて、さらに4時間の乾燥を経ています。乾燥温度は、食味乾燥なので穀物温度は、27.5度で乾燥しています。
  米の種類 :キヌヒカリ
生産   :2021年9月収穫。
生産場所 :和歌山県岩出市
(紀の川と、和泉山脈の中間地)
用水 :紀の川用水
生産者 :池内 
電話 :070-8389-2749

精米:10キロ 4600円(税込み)- 次の地域は、送料1000円でお送りします。(和歌山県、兵庫県、滋賀県、京都府、福井県)大阪府は、生産者から、無料で配達いたします。他の地域の販売は検討中です。

 

 今年は、苗を植えてすぐに一部の田でタニシに苗を食われて、半反分の田を休耕田にしてしまいました。困難の連続でした。なんとか、お米の収穫までたどりつきました。
 挑戦は、田の稲の周囲を2m-3m弱で、苗を植えない空間を作ったことです。
周囲の田の草は、なんどもトラクターで耕し除草しました。その結果、路肩との空間ができ、他の田との間隔を拡げることで、周囲からの影響を減らせたと思います。
 稲の刈り取り時に、ほとんどの田で手刈りをすべてなくすことができました。
 恵みの雨、を実感できる年になりました。
JAへの拠出米は、1等米の評価でした。

 


田んぼ苦戦記 2017年

2023-04-02 10:33:51 | 日記

田んぼ苦戦記 2017年     

 8月22日、今年も他の田の稲より20㎝は背が高く育っている。
    農業を始めた最初の年、草刈りをしていた一反の土地を水につけておけばいいと考えていたけれど、妻が今年から田んぼをするといったので、田植えをすることになった。もう7年前のことになる。
 しかし田植えをしていなかった田は、土地がデコボコで、水平ではない。土をスコップで運んで、鍬で木のようになった根っこを引き抜き、暗くなるまで、整地をしたがそれでも水平にはできなかった。
 水の供給は、用水路から引くため、水を取水するための木を切って、用水止めを作った。しかしその場合も用水を必要とする下流の人が外していくことがあり、ずっと用水止め設置していると文句がきた。
 自治会に入り、村の親戚にアドバイスをもらったが、水路の水を他の田作業を請けおっている業者が勝手に取水するので、取水には監視が必要だった。
 そうして、隣家の親戚にお願いして、苗を買って田植え機で田植えをしてもらった。水につからない場所もあるデコボコの田は、水を入れると顔の出ない苗があったりするので田植え後、苗を手で移しながら、育つ位置に植えなおした。残さず買った苗は、機械植ができない場所に植えた。 田植え後も高い土地は低い土地に土を移したが、それでもたくさんの草が生えてきた。
 JAの稲作の作業予定に沿って、防除を行っていたが、除草剤は最初から使わなかった。
除草剤は、作業を楽にするだけで稲にとっていいはずがないと思っていたからである。
そのため、田植え後は毎週、草取りと、路肩の整備を行った。
 手で根っこから草を抜いていく作業は妻が行い、広範囲に草が出るため、それらを鍬で取り除いていった。
しかし、妻には根から抜いていかないとダメだと言われたので、根から取ったがとても作業が間に合わなかった。
結果、すべての草を取り切れてはいない。 
田2 
 路肩の整備は、土手から水が抜けるので、毎週修理が必要になる。モグラが草の根を食べながら、路肩をほるため、いたるところで水が抜け、田んぼの水が毎週干上がっていた。
そこで、モグラの穴をふさぎ、土を固めることになる。スコップで路肩沿いに掘り進んで、穴をつぶしていく。
2年目には、路肩用のプラスチック塀を設置したが、かえってその隙間から漏れてしまうことが多く、結局スコップで探って修理することが確実であった。
 路肩の草は除草剤でという話があり、路肩を草刈り後燃やしたが、近所の人に路肩を燃やしたり除草すると、路肩が崩れるからしないようにとの指摘を受けた。草の根で路肩の強度が持っている一面があり、簡単にはいかない。

 6月初めに植えた稲の苗は、この辺では大量のタニシが発生して食われる。苗が膝まで大きくなればタニシも食えないが、水につかっている苗の状態では苗がなくなってしまうこともある。この時期は、タニシつぶしをする。JAでは、タニシが大量発生したときには眠らせる薬を推薦している。殺す薬や、油粕を履いて、海面に幕を張らせて殺してしまうことをする人もいるが、そんなことをすれば有用な生き物がなくなってしまうので、それはしない。むしろ、この時期を超すと、タニシは草を食べてくれるのである。

 実は、水を田に入れるとたくさんの生き物がそこに集う。
田んぼウナギや、小さな魚も、ゴカイやカブトエビ、貝、一斉に出てくる。オタマジャクシもたくさん泳いでいる。

 7月になると、田の水を抜いて中干をする。台風が来る前に陸稲にして根を張らせるのである。その時期には、稲は分げつ期となり、苗が増えて大きくなる。根に酸素を供給して、元気にしておかないといけない。
この時期は、水を干すので、草が出る時期でもある。草を生えないようにしないと、草は虫にとっておいしいので、虫が依る。虫が増えると、稲の病気や、卵を産まれてしまう。
そこで、路肩の草刈り、田んぼの草を取るのは、この時期にしておかないといけない。

 8月は、防除の時期になる、稲が大きくなり、花を咲かせるからである。花を咲かせる前に、防除を行う。当時は、防除用の動力噴霧器がないため、背中に10数キロ背負う手動式の噴霧器で、田んぼの中を歩いた。一反で、400lくらいまくので、10数キロの背負いでは、数十回用水路の水を汲んで噴霧することになる。現在は動力噴霧器なので、だいぶ楽になった。
 防除は最近2種類の方法がある。薬を展着液と混ぜて噴霧する方法と、農地の水田に薬剤を直接撒いて稲の根から吸収させる方法である。
 最近は、作業が楽なので、根から吸収する方法をとる人が増えた。(年齢で労働に耐えられないか、家族が協力してくれない人が増えたのかも。)
 根から吸収させる方法は、稲自体に薬剤を入れることになるので抵抗感がある。
噴霧する方法は、展着液と一緒に撒くが外側なので、少しましと思う。
 しかも、吸収式は、その時期に水を入れ替えることができない、ということは、暑い時期に水が高温になって、稲自体の品質低下を招く。
 この防除は、いもち病やウンカ、紋枯れ病の防除。

 一回目の防除が終わるころ、稲の花が咲きだす。この時期には、田に入るのは厳禁。花が落ちてしまうからである。路肩の除草をしながら、満々と水をいれる。できるなら流し入れをしたい。みんなが水を必要とする時期である。

 花が咲き終わったころ、穂が垂れだす。米ができてくる時期になるのである。乳白色のまだ固くない稲の穂を鳥や虫が食べに来る。だから、この時期には、案山子やテープを張ったりする人もいる。
ここでも路肩の草は厳禁だが、手が回らないので、草をとりのこしてしまう。ほっとくと3mくらいに草は伸びてくる。

 花が咲き終わると2回目の防除を行う。1回目と異なる薬剤を、背負って手動背負い噴霧器で撒く。この時期は気温は34℃くらい、雨具を着てマスクをして、噴霧するので、雨具の中は、汗で水びたし、汗が目の中に入ってくる。
 ちなみに動力噴霧器でも、田に入って噴霧する。違いは、大量の噴霧ができ、時間が短くてもできる点。ただし、一人ではできないので、通常家族総出でおこなっいる。噴霧器の操作の係、ホースの中継に数人。噴霧係と、多分3人以上いる。今のところ、2人でこれをしているので、ホースで稲を痛めつけてるかも。
 2回目は、蛾やウンカ、カメムシのための防除。路肩や、草むらがあると大量にウンカが発生している。


 穂がそろうと、間断潅水期に入る。水を入れていると土は柔らかいので、徐々に固くして、台風に耐えれるようにしておかないといけない。根に酸素を入れる役割もある。

 9月に入ると、落水期に入る。土を固めてコンバインが田に入れる環境を作るのだ。
落水が早いと、稲の品質が落ちるらしい。
 台風の時期なので、雨が続くと、稲の刈り取りができない。そこで、天候次第で、刈り取りが遅れるし、早く刈り取ると、青い穂が多くなる。
 刈り取りは、家族総出が多いが、最初に田をしたときは、2人+コンバインでの刈り取りを親戚にしてもらった。

 ここで、親戚のコンバインが古くて整備ができていなかったので、最初の刈り取りで機械が動かなくなった。ボロボロ米が田に落ちた。

 「終わった」と思ったが、妻が手で刈り取りだした。そこで2人で刈り取ったが埒がいかない。妻は、村に行って助けを求めたが誰も助けてくれなかった。夜になった。2人で、刈り取った稲を、親戚の柵に干していった。そうして結局、次の週にJA紹介の業者に電話して刈り取りと乾燥をお願いすることになった。その結果、最初の年は一部は自然乾燥で、一部は、1週間遅れて刈り取ることになった。

 どうして、村の人は誰も助けてくれなかったのか。今になったらわかる。この時、米の作付け、刈り取りは、村の人たちより1週間遅かった。なぜなら、親戚の苗は、安く買うため、時期遅れの苗を買っていたからである。
その結果、村の人は機械を掃除してしまっていた。機械の掃除には、刈り取り以上の時間とお金がかかる。自分で機械を使いだして、使用するより掃除と維持にどれだけ時間がかかるかわかってきた。

 刈り取り後も2人は、業者が刈り取った後の落ちた米を集めた。3週間にわたって落ちた米を集めた。
一粒一粒の落ちた米をそのままにしておけなかった。


 業者に刈り取ってもらい乾燥した米を、数日後車で受け取りに行った。米を積んだ車体の底が擦っていたが、2人は喜びにあふれていた。

 この米を炊いて食べたとき、信じられなかった。
おいしかった。すごくおいしかった。


 2年目には乾燥を頼んだ業者に、収穫したコメを入れ替えられたのか米屋で聞くと古米といわれる米を渡されて、愕然とした。
JAは、保管米をこんな形で処理するのかと思った、信じられなかった。その米はJA納入分を残して、廃棄した。

 その後、別の業者に2年間刈り取り乾燥を依頼した。そしてその次の年、村の親戚に依頼。
これらの乾燥依頼は、どこも乾燥を半日で行うために高温乾燥する。同時に他の米と混ざる可能性もある。
その点、自分で米の乾燥をしたかった。

 最初の年に食べたコメの味を忘れられないので、結局自分ですべての設備をそろえることになった。
設備をそろえ、米の作付けを1反から4反まで増やしていった。

 土つくり、土手修理、最初は、鍬とスコップ、鎌で行っていた作業も、草刈り機、トラクター、コンバインなどに変わった。

 設備をそろえて事件が起こる。一昨年は、コンバインが泥にうずまり動かなくなった。そうして、指を鎌で切ってしまった。骨までいったが何とか引っ付いてくれた。
 コンバインの爪をコンクリートに当てて曲げてしまったり、刈り取りスピードが速すぎて、機構が故障したり、夜遅くまで作業をして、なんとかこなした。

 刈り取りが終わると乾燥。
 米が生きたままの状態で乾燥するためには、時間がかかる。自分で乾燥機を使った最初の年は、2日がかりの収穫となり、雨の降った後の濡れた米と、晴れたときの日の米を同時に乾燥することになった。この時には乾燥時間の休息時間をあまりとらず、水分量にばらつきが出てしまった。そこで、昨年は2段階乾燥の休息時間を十分とって水分量を一定にした。

 今年もまた、稲の穂は垂れてきている。


....思っていること。

 無農薬での栽培。毎年同じ田で米を作っていると、稲以外の雑草は田の中で少なくなる。
田の水平化が進み、苗の段階での水の外に出る土地が減るし、稲が優勢種となって他の雑草を排除しているみたいである。
また、稲は品種改良によってかなり虫の嫌がるものになっているみたい。
虫は雑草につく、そこから稲に入るので、雑草を家とすれば、虫の家をなくせば無農薬も可能か。
が、無農薬の認定には数年間の無農薬期間がいる。
 そのようなことで、一度田を止めて休耕田にすると、途端に雑草がはびこることになり、休耕田後のおいしいお米は雑草まみれで...。
 また、稲栽培を続けた田は、虫も食べないものを作ることになるとも思う。
無農薬栽培も検討し、農薬を使用していない米も食べたが、まずい。
とりあえず、JAの作り方に沿って田植え期と花が咲く時期2度の防除をしている。

 定期的に休耕田にしている。土地の地力を回復すると、やはり米はおいしい。ただし、草取りは大変な労力。
田植え前に、土つくり用の土壌改良材をすきこみ、田植え時に肥料を一緒に植える。
昔は、田植え前に肥料をまいていたが、今は、田植えと同時に稲のすぐそばに肥料を植える。
稲は育つとともに根は肥料に行き当たるようになっている。
 今年は、きぬむすめと、キヌヒカリの一部の土地にレンゲを植えて土つくりをしてみている。
どのような結果になるかたのしみである。

 一部の農地では、コンクリートが引いてある路肩部分がある。コンクリートは古いので、水が漏れる。
そこで、目地用のシールを挿入するが、毎年してもその隙間からまた漏れてる箇所がある。
そこを土で、抑え込んで止める。
中には、コンクリートの下から土が落ちて抜けている場所まである。
昨年は、底まで掘ってコンクリートをひいた。これは成功した。今年は、なんとかもってくれている。
昨年は、穴の開いた場所を避けて、土壁を作って防いだが、農地の下の田に水がダダ洩れで、困ると文句を言われた。

 農業機械、トラクターやコンバイン、田植え機。いろいろあるけど設備が多いわりに使用頻度はトラクターをのけて少ない。
使用時期が重なり、天候に左右されるので、ここでは貸し借りはほとんどない。
以前は、やっていたらしいが、結局都合のいい日にできないので、みんな設備を持つことになった。
貸し借りは、一反につき耕し1万、田植え1万、草刈り1万、乾燥、脱穀5万となり、してもらうと、耕すのが年に4回くらい、一反15万くらいかかる。4反もすると、年に60万となり、米を買うよりはるかに高くつく。
で、機械が老巧化すると、耕すだけで除草の代わりをし、田植えはやめて、耕作放棄地のようになっていく。
 村の作業者のほとんどが70才を超え、設備投資をしなくなっていっているので、休耕田が急に増えている。

 農業機械は、手作り。車のように完成されていない。作業者が手を入れていかないともたない。
田植え機などバランスが悪いので、小さな坂でも転ぶ。一度、畔を乗り越える時に、後ろにこけて、助けてもらった。
トラクターは畔を超える時に横倒しになる事故が多いらしいが、今のところそれはない。
いたるところに、農機の油挿入が必要で、たまにしか使用しない機械は、整備に時間がかかる。
 整備してもらうと、費用が数万かかるので、自分で行うが、作業中に他の農機具機械が停止しているのを見ることは毎度だ。
故障など、普通にある。コンバインの機構がおかしくなって、メーカーを呼んだのが4回、そのごとに費用が発生する。
これでよくやっていると思うが、まあ副収入がある人しかできないという世界になっている感じ。
 並行して、野菜や果実をしないと、米では農業は維持できないといわれる。
(滋賀で十数町歩<町は反の10倍>米つくりをしていた若い人が岩出に流れてきていた。米作りを数名でしていたが、年収200万いかなくて、野菜つくりに岩出に来たと言っていた。)

 水は用水路を経由して農地に入れる。水利組合があって管理と費用の収集をしている。農地の大きさに沿って割り当てが決まっていて、水田でなくても農地があれば水利費が割り当てられる。
 この地の用水は、紀ノ川用水。で、和歌山、奈良、三重の山からの豊富な川の水を使用する。
 流れている水なので、高い気温の時でも水自体の温度は高くない。だから、水を入れ替えていければ、
おいしいお米ができると思う。
 水は6月から9月まで流されるので、冬場は流れない。水利の開閉は組合がするが、村への供給の開閉は自分でする。そのため、勝手に締められたりするし、上流が優先して水を取ることになっているので、下流では、水を取るのが遅くなり、夜中に入れたり、同じ時期を避けて早くに田植えをする人もいる。
 水は、村でさまざまに分岐し、分岐させて(板を置いたりして、他の水路を止める)農地まで持ってくることになる。
その結果、水の取水はみんなの了解がないと、困ったことになる。水を入れた後は、板を外さないといけない。
入れっぱなしにしたい8月は、田によって水の取り合いになるのである。
 田によっては自動で水が入るようにすることができる田と、そうでない田がある。
用水路と田に段差があると大きな板が必要で、入れっぱなしはできない。しかし、分岐した用水路では、少しの段差で田に水を入れれる場所もあるので、その場合、少しずつ入るように工夫ができる場合もある。この場合はラッキー。
中には、上流の田から直接漏れてくる水もあり、漏れ水だけで、水がいっぱいの場合もある。

 そんなわけで、稲つくりは毎年苦戦続き。でも、なんとか続けていけてる。
今年も、おいしい米ができる。

 汗を拭きながら、紀伊平野からの山々を遠目に見る。暑い日なのに心地よい風がある。水田の中に入ってくる水は涼しげだ。
都会と違う心地よい風と水が農作業のひと時をいやしてくれる。水田の夏。赤とんぼが飛んでいる。

(1年目のコンバインの故障での刈り取り危機。2年目の田植え機故障の危機-村の人にしてもらうことができた-。3年目、4年目冬麦つくりしたが、収穫物を処理できず。4年目、田植え機を借りて横転。5年目コンバイン泥に立ち往生。けが。6年目コンバイン故障で現場修理。今年は7回目。)思えば、何もなかったことはなかった。

 さて早いもので、書いている間に収穫期に、キヌヒカリは、収穫期が早い、コシヒカリの子供なので、同じように早生種。
今年の収穫では、2日にわたって収穫したので、水分量のバラツキをなくすために3段乾燥をしている。
 一挙に乾燥すると、水分量のばらつきで、乾燥しすぎて米の割れや、水分量が多すぎて規定に入らない場合が起こる。
そこで、乾燥途中で、慣らし期間を置くのである。乾燥は、食味乾燥なので、温度は高くはない。しかし実際は、風だけの乾燥で充分なので、乾燥作業前後は風だけで乾燥する。生産効率は悪いが、風だけ乾燥でもそんなに時間はかからないのだ。
そして数日かけて、乾燥する。乾燥機で、水分量を測っているので、まあ、水分量は正確かと。






***2022年のお米***

2023-04-02 10:04:14 | グルメ

 今年のお米は、みずみずしい。

暑い日を乗り越えられるように、お米にたくさんの水を与えました。
その結果、暑さに弱い品種なのに、すごくおいしいお米が取れました。
刈り取り直前の稲です。
刈り取り直前まで、水を豊富に与えました。


水に浮く田んぼ

刈り取り時期が、穂が出て900度から1000度の積算値の頃が最適といわれる品種なので、最適期間は、4日くらいしかない。
刈り取り時期には、温度を測り、最適時期に気を使いました。
最適期間を超えると、品質が低下します。
難しい品種だけど、おいしいです。
今年も、甘くて粘りがあります。




一つの穂の茎が多く育つように試行したため、太く大きく育ちました。   草は手で取っています。
除草剤は使用しません。

 その時期。隣の業者の田では、下記みたいになっていました。


隣の業者

 奥は、池内の田んぼです。業者の田は、草だらけです。
 今年は、すごく草が繁殖しました。手での草取りは、たいへんでした。
 今年も、お米の乾燥は、食味乾燥で3段階乾燥を行いました。
 穀物温度は、27.5度で乾燥しています。
米の種類 :キヌヒカリ 生産   :2022年9月収穫。
生産場所 :和歌山県岩出市
(紀の川と、和泉山脈の中間地)
用水 :紀の川用水
生産者 :池内 
電話 :070-8389-2749

JAへの拠出米は、1等米の評価でした。

精米:10キロ 4600円(税込み)- 次の地域は、送料1000円でお送りします。(和歌山県、兵庫県、滋賀県、京都府、福井県)大阪府は、生産者から、無料で配達いたします。他の地域の販売は検討中です。