みもすそ川公園

亀山さんを堪能し、ここまで来たついでに、みもすそ川公園に行ってみた。


みもすそ”川”なんだけど、川はどこにも見当たりません。
や、あるんですけどね。ちゃんと。

河口付近は今は地下にあるんです。
や、埋め立てられたわけじゃないんです。
ちゃんと川としてあるんです。

下関と九州を結ぶトンネルがあるのはご存知ですよね？

関門トンネル(鉄道)、関門国道トンネル(車道・人道)、新関門トンネル(新幹線)
の３つがあるのですが、いずれも海底トンネル。
絶えず海水がトンネルの中にしみ出してきます。
その量は１日４８００ｔ、ドラム缶にすれば２４０００本分です。
このため、トンネル内に海水がたまらないように下関、門司側の２ヶ所に水抜専用の立坑を設け、
排水ポンプで地上にくみ出しています。

で、下関側でその重要な排水場としての役割を担っているのが
みもすそ川なんです。

ちなみに漢字で書くと「御裳川」。誰も読めませんね、これでは。(笑)


さて。
今回みもすそ川公園へ来たのはこれを見てみたかったから。



【長州砲(レプリカ)】

文久３年(1863年)
血気はやる長州藩の武士が、関門海峡を通る海外の軍艦へ大砲をぶっ放し
馬関戦争(下関戦争)勃発。

元治元年（1864年）８月、
長州藩兵と英・仏・蘭・米４カ国連合艦隊との交戦をもって終結したが、
同時にこれは、明治維新の具体的始動につながった。




この大砲、先日某所でもお話しました通り、１００円入れると音と煙が出ます。




あ、あれは雲です。


このすぐそばに、もう１つ立派な青銅砲(レプリカ)が置かれています。
(こちらは音も煙も出ません)




馬関戦争に大敗し、下関海岸砲台に装備された長州藩の青銅砲は、
すべて戦利品として外国に運び去られ国内から姿を消していましたが、
安倍晋太郎氏(元首相安倍晋三氏の父)の努力と、フランス政府の好意によって
１９８４年６月、貸与の形式で里帰りを果たしました。

大砲に美術的装飾。
持ち帰られたのはこのせいかもね。

ちなみに本物は今年5月31日まで萩博物館無料ゾーンのエントランスで展示されています。



さて、ここにはまだ他にも見所がありまして。

２００５年にＮＨＫ大河ドラマで「義経」が放送されたのを期に
こんなものができちゃいました。



【「八艘飛び(はっそうとび)」をデザインした躍動感溢れる源義経像】


と



【戦に破れ、錨を担いで入水しようとする平知盛像】


と、こんなものまで。


　
　　　　　　　　　　　松坂慶子　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中越典子

　
　　　　　　　　　　　小泉孝太郎　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　滝沢秀明



タッキーの手ってちっちゃい。




みもすそ川面する「早鞆(はやとも)の瀬戸」は
関門海峡の中で一番狭まっており、潮流が早く、最大の難所となっています。
ここで源平壇之浦合戦があり、平家は滅亡していったのです。

この敗戦で平家の教経や知盛をはじめ、多くの平家のものが入水しますが、
なかでも二位尼時子のそれは壮絶。
８歳の安徳天皇を抱き
「今ぞ知る みもすそ川の 御ながれ 波の下にも みやこありとは」
とこの海に身を投げたのでした。




【安徳帝御入水之処碑】



と、色々と写真を撮っておりましたら、
なにやら騒がしくなってきました。


実はこの公園、紙芝居やってるんです。



【「写真を撮らせてください」というとポーズを決めてくれたおっちゃん】


このおっちゃんが個人で勝手にやっているのではなく、
「しものせき観光キャンペーン実行委員会」というところが主催してるようです。
(市のマークが入っているので、タブン市としてやってるんでしょう)


こういう路上での紙芝居は見たことがなく、
面白そうだったので一席見てみることに。

話の途中、浪曲(?)みたいなものを歌ったりするのですが、
これが素人とは思えないうまさ！
声もよく通るし、声量はあるし、抑揚にブレがないし。
絶対このおっちゃん、ちゃんと習ったことあるぞ　なうまさです。


　紙芝居のお土産


今回は「壇之浦合戦絵巻」という源平壇之浦合戦のお話でしたが、
色々ググってみると、どうやら「耳なし芳一」のお話のときもあるようです。
おっちゃんもこの人だけではなく、いろんな方がやっておられる様子。


ちなみに、このおっちゃん。
元々大阪の人で、仕事で下関に来て１５年という方でした。
「元々下関の人ではない私が語るのもなんですが・・・」
と恐縮されておりましたが、
いやいや、ずっと住んでる私たちより沢山勉強されていて
おっちゃんの方がよっぽど詳しいよ。


と思いながら、みもすそ川を後にしたのでありました。






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まだまだつづく。(笑)


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