平々凡々 Hey! bonbon

穏やかな時間と甘いお菓子さえあれば、きっと、しゃ~わせ。

30年ぶりに食べました

2017年02月27日 | 日記

アメリカンドッグ。

そもそもアメリカンドッグって、昭和の時代にはなかなか出会う機会がなかったのよ。

今では普通にコンビニでホカホカが売られているけど、地元にコンビニなかったし。お祭りの屋台で見たことはあっても、得体がしれなくて買ったことがなかった。

そのアメリカンドッグが私の日常に飛び込んできたのは、女子大の寮に入ってから。

晩ご飯のお皿にアメリカンドッグが載っていたときには、目を疑った。ルームメイトもびっくりしていた。「これがおかずになるんかいな!?」とショックを受けたが、月1~2で登場していると当たり前になってくる。

それまで実家で好きな物を好きなだけ食べていたものだから、3食付きの寮生活ではかなり不自由した(1年後にひとり暮らしになってからは、これがどれほど幸せだったかを思い知る)。

周りに合わせて朝食はパン1枚、ごはんのおかわりはなし、と見栄を張っていたもんで、四六時中、腹を空かせていた。「これ、嫌~い、食べられな~い」という子がいたら、「じゃあちょうだい!」とすかさず申し出た。

もともとかなりの偏食だったけど、この寮生活のおかげで肉が食べられるようになった。

なのに、なぜその寮が自宅生から「養豚場」と呼ばれていたかというと、夜な夜な繰り広げられるお茶会のせいだった。課題やレポートもちゃんとこなしたけど、晩ご飯、お風呂、各掃除当番も済んでさあ一服、となると、各部屋(2年生1名+1年生3名)ではお菓子を持ち寄り、眠くなるまで食べ漁った。

先輩同士が仲の良い部屋で誕生会があって招かれると、夜中過ぎまで酒盛りしていたし。

そりゃあ太るわな。

家から荷物が届いてチョコパイが2箱入っていれば、一つはお茶会用に、もう一つは二段ベッドのカーテンを閉めて1人で一気に食べたこともある(笑)。

8畳ほどの空間で4人の生活は今から考えると信じられないが、姉妹のいない自分にはとっても楽しい1年間だった。逆に、合わないタイプがいると地獄の日々よ。今も親友の前期ルームメイトだった子が、後期にシャッフルされて別の部屋になったとき、同室の子にいじめられて激痩せし、退学するんじゃないかとヒヤヒヤしたもんだ。

そうそう、アメリカンドッグ。それはつまり、19歳の記憶の象徴なのね。

入居条件によってほとんどの新入生が寮生活を1年で終えるのだけど、私も親友の子と同じアパートに引っ越してから、1度もアメリカンドッグを食べる機会はなかった。

 

今日は月命日で、お寺参りに行ってきた。母が肉まんが食べたいというので帰りにセブンに寄ると、不意に目に付いたビッグアメリカンドッグ。

約30年ぶりに食べてみた。衣さくさくでめっちゃ美味しかった。ボリューミーだし、寮で食べたアメリカンドッグとは比較にならない。

でも、私にとってアメリカンドッグは、あの寮の食堂のテーブルで食べた、いかにも冷凍を揚げましたっていう、ちょっと冷めて固い(揚げ過ぎてて噛めない時もあった)やつなのね。

2度と食べられないけど、そういうことでいいのでしょう。


コメントを投稿