夢の中で、死んだ母が生きてると思い込んでいる私。
生きてて、でも今は入院か旅行かで
家を空けていると思い込んでる。
そして、「帰ってくる前に、部屋を片付けておこう」と
掃除を始める。
モノを捨てられない母の荷物の多さに苦笑しながら、
片づけをしていて……
デジャヴを感じる。
以前もこんな風に母の荷物を片付けたことがある、と。
母が死んで、借家を引き払った時の記憶が、
突然脳裏に甦る。
それと共に火葬場で母の骨を拾った時の様子を生々しく思い出す。
母はもういない。
この世にいない。
「生きてる」という感覚があまりにリアルすぎて、
母の死を思い出した途端、胸が苦しい程の悲しみが襲ってきた。
子どものように声をあげて、ワーワーと泣く。
泣いて泣いて、そして、目が覚めた。
涙で頬が濡れていた。
悲しい夢の余韻が重たく胸を締め付け、目覚めて更に泣いた。
母が亡くなって20年近く経つのに、
今さらなんでこんな夢を見たのだろう。