IT業界には、いろいろな働き方がある。自社でサービスの開発と販売を行う例がある一方で、自社で業務の企画や営業をせず他社の案件に協力する形式や、フリーランスとして案件をひとつひとつ契約する形式もめずらしくない。
企業として、またはフリーランスとして他社に協力するとき、必ず契約書が作成される。契約する案件について、報酬や作業期間などが明記されている。
契約を交わすにあたり、気になるのは単価の設定だ。業務内容と比較して、適切な単価でなければいけない。しかし、契約相手はできるだけ安く契約したいと考えていることが多く、よい着地点を見つけるには一定の交渉能力が欠かせない。
業務を引き受ける側から見て、よりよい単価を得るための交渉はいつするべきか。
まず考えたいのは、最初の契約を検討する時点だ。業務の問い合わせを受けた時点で、最低限の単価について検討しておくとよい。
実際に交渉するときは、最低ラインに上乗せした条件を提示して妥協点を探る。次に交渉しやすいタイミングは、業務途中で条件の変化があったときだ。納期の前倒しや追加の業務を打診されたときは、交渉によってこちらの条件を通しやすい。
次に、同じ契約先から別の案件で依頼されたときも交渉しやすい。依頼内容によるが、前回の契約で一定の成果を出しているなら単価を向上させた状態で契約を結ぶことも可能だ。
どのようなタイミングであれ、交渉が実らないこともあるが、状況を改善するため提案するのは悪くない選択肢だ。