電装経営かわら版

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こんなベンダーは嫌われる(社員意識の向上)

2005-11-28 10:39:44 | 商品・サービスを売る戦術



調査の概要はこちら

 「トップがいくら旗を振っても、社員一人ひとりの意識が変わらなければ、顧客満足度は向上しない」。日経が今年5月に実施した「第10回顧客満足度調査」の調査票を読み解くと、極めて当たり前の事実に気付かされる。

 ここ数年、ITベンダー各社は全社を挙げて顧客満足度(CS)向上に取り組んできた。その取り組みが実を結び、各社の顧客対応のレベルは、確実に底上げされている。

 結果として、今回の顧客満足度調査は、上位グループと下位グループの差が以前に比べて小さくなった。例えば「システム構築関連サービス」。現在とほぼ同じ方式で調査した第7回(2002年4月実施)は、ランキング対象企業の首位と最下位(8位)の間には、21.1ポイントの差があった。これが今回は9.3ポイント差に、ランキング対象8社がひしめいている(情報サービス会社の場合)。

 もちろん、すべてのユーザー企業が満足しているわけではない。それどころかユーザー企業がベンダーを見る目は、いっそう厳しさを増している。

 1535社の回答企業から寄せられたコメントを見ると、ユーザー企業の怒りの声の多さに驚く。全体的に対応レベルが上がった結果、ユーザー企業はベンダーの担当者のミスや不誠実な応対をこれまでのように看過せず、非常に厳しい評価を下すようになった。

 今後は第一線の担当者一人ひとりの言動が、顧客満足度を左右する比率がいっそう高まる。ベンダー各社は「現場のつまらない失点を防ぐ」という観点から、全社のCS向上に向けた取り組みをもう一度見直すべきだろう。一方、ユーザー企業はベンダーの名前だけにとらわれず、担当者の力量や過去の実績を、冷静に評価する必要がある。

 今後の顧客満足度を左右するポイントを、システム構築・運用サービスからハード/ソフト、ネットワークに至る全22分野の結果と合わせて報告する。

担当者の言動が満足度を左右
 「嫌われるベンダー」と「好かれるベンダー」の分かれ目はどこにあるのか—。第10回顧客満足度調査で1535社から寄せられた回答をもとに、ユーザー企業の評価を左右するポイントを探ってみた。

 見えてきたのは、直接ユーザーと接する担当営業や担当SEの言動が、そのベンダーの評価を大きく左右するという事実である。

 自由意見欄には、「担当者の手腕一つでその会社全体への信頼度は決まる。技術力云々以前に“人”の教育、育成に力を入れてほしい」(従業員数299人以下)、「スキルの高低は、会社より個人によるところが大きい。どんな立派な会社でもはずれの担当者に当たったらオシマイ」(従業員数500人以上999人以下)といった声が多数寄せられた。

 ユーザー企業にとって、担当の営業やSEは、そのベンダーの「顔」だ。どんなに優れた製品/サービスを提供していても、担当営業/SEがきちんとした応対ができなければ、そのベンダーに対する顧客の評価は地に落ちる。最悪の場合、「二度と付き合いたくない」と厳しい評価が下される。

知識とスキルは絶対に必要
 ユーザー企業の回答や自由意見から「嫌われるベンダーの条件」をまとめ、図1に示した。

 
図1 こんなベンダーは嫌われる 調査結果から、「嫌われるベンダー」の条件が見えてきた


 回答企業が真っ先に挙げるのは、担当SEの知識とスキルの不足。なかでも自社の業務内容に対する理解不足を糾弾する意見は多い。「3年前から当社担当になったSEは業務内容をまったく知らないにもかかわらず、いっこうに身に付けようとしない」。

 取材に応じてくれた、ある建設業(従業員数1000人以上2999人以下)の情報システム部長は、こう嘆く。「今のSEは自分の事情を優先する余り、顧客の立場でシステム開発に取り組む気概が乏しくなった」と続ける。

 SEの技術力の低下を指摘する回答者も多かった。特に障害が発生したときの対応には、技術力の優劣が如実に現れるだけに、復旧に手間取るとユーザー企業の印象は一気に悪化する。最悪の場合、「(付き合いのあるベンダーは)トラブル時の初動が遅い上に、2回に1回は原因を解明できない。本当にいい加減にしてほしい」(従業員数1000人以上2999人以下)との印象をユーザー企業に与えてしまう。

「売りっぱなし」に厳しい目
 受注至上主義の営業姿勢を批判する回答企業も多かった。「契約を取る前は調子のいいことばかり並べ立てる。もう少し真摯な姿勢で臨んでほしい」(従業員数1000人以上2999人以下)。

 営業に対しては、次のような意見もあった。「契約がすんだら、まったく顔を見せなくなり、保守サービスの請求書だけが毎月送られてくる」(従業員数1000人以上2999人以下)。顧客と継続的な関係を築こうとしない営業といつまでも付き合うほど、今のユーザー企業は甘くはない。

 営業担当者、SEを問わず、ビジネスパーソンとしての“常識”が欠落している担当者は、ユーザー企業にとって困った存在である。技術力だけでは顧客の信頼は得られない。

 回答の中には「コミュニケーション能力に難のあるSEが多すぎる。何かあると、すぐにITの専門用語を振り回して、客を煙に巻こうとするのは何とかしてほしい」(従業員数500人以上999人以下)といった意見が散見された。

 ここまで読まれた読者のなかには、「不満を持っている企業は、たまたまレベルの低い担当者に当たっただけではないか。うちが付き合っているベンダーは問題ない」と思う人もいるかもしれない。だが、極端に厳しい意見が多いという事実を踏まえると、いつそのような担当者に当たってもおかしくはない。

 担当のSEや営業は、ユーザー企業にとってITベンダーとの唯一の接点。現場の対応が悪ければ、そのベンダーには悪いイメージが定着してしまう。

 次回(11月8日掲載予定)は、特定のベンダーに特に悪い印象を持つに至ったユーザー企業のエピソードを紹介する。極端な事例と思われるかもしれないが、それほど特別なケースではない。

 22分野のトップ3のランキングは、次ページに掲載しています。

(福田 崇男、玉置 亮太=日経コンピュータ)

※この記事は日経コンピュータ8月8日号に掲載したものです。
※調査の概要はこちら をクリックして下さい。
※ランキングの詳細データは、日経コンピュータWebサイトから閲覧、ダウンロードできます。

『未来から選ばれる企業―オムロンの「感知力」経営』

2005-11-28 10:19:58 | 経営よもやま話

デジタコでお世話になっているオムロン(旧立石電機)創業者の理論を
紹介いたします。




未来から選ばれる企業―オムロンの「感知力」経営
立石義雄著 PHP研究所 2005/11 220pp 1,470円

P パラダイム・シフトが始まった
1.ソーシャルニーズを感じとる
2.未来を閉ざす「大企業病」
3.未来をひらく「理念経営」
4.未来を創る「人材育成」
5.自立社会に向けた「ヒューマンルネッサンス」

【要旨】銀行の ATM機、鉄道の自動改札機など、世の中はすっかり便利になった。これらの機械装置を作っているのがオムロンである。オムロンの前身の立石電機は、1933年、立石一真氏が、レントゲン写真撮影用タイマーの生産を目的に創立した。
創業者の立石一真氏は、1970年、京都で開かれた国際未来学会で、 SINIC 理論を発表した。これは、原始社会がどのような発展を遂げてきたのか、今後どのような社会に発展するのかを説明したもので、「情報化社会」の到来も予測していた。社会は、大量生産の「工業社会」から、中間期である「最適化社会」を経て、「自律社会」に向かうとしている。
1987年、社長に就任した立石義雄氏(現在・会長)は、この SINIC理論を会社の羅針盤として、オムロングループを発展させてきた。


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オムロンの創業者立石一真は、1970年に京都で開かれた国際未来学会で、 SINIC 理論を発表した。 SINICは、Seed Innovation to Need Impetus Cy- clic Evolutionの略。「新しい科学が生む技術と、それがもたらすイノベーション。一方で社会から出てくるニーズと、そのニーズを満たすために生まれる技術。その技術がインピタス (刺激) となって新しい科学を生む」という円環的関係があることを指摘する。つまり、科学と技術と社会の間には、2つの方向から相互に刺激を与え合う関係があるということである。

SINIC理論によれば、「工業社会」の最終段階である「情報化社会」を経て、世界は「最適化社会」に入るとしている。「最適化社会」の先に「自律社会」というものがあって、「最適化社会」は、「工業社会」から「自律社会」へと進んでいく、その橋渡しの過渡的な社会を示している。
創業者は、「情報化社会」の到来を、20世紀末から21世紀初めにかけてと予測している。 SINIC理論が発表された1970年当時、まだパソコンも、インターネットもなかった。
「情報化社会」の到来を予測していただけでなく、情報化社会は、キャッシュレスの時代となって、カード社会が出現すると言っていた。

「最適化社会」にあっては、「工業社会」とは大きな違いが生まれる。まず個人レベルでは、自分らしさを追い求め、自分だけのモノに価値を見出すようになる。「自分らしく生きたい」という価値観が広まる。
企業レベルでは、「工業社会」における少種にして均一的な大量生産による大量販売が王道だったのに対し、「最適化社会」では、消費者の価値観が多様化し、多品種少量生産や、変種変量生産に変わらざるをえない。
社会レベルでは、顕著に現れるのは、中央集権から地方分権への動きである。地方はこれから、そこに住む人びとのニーズを満足させられるように、権限も責任も担っていかなければならない。
「最適化社会」を後押しするインフラとして、私はIT化とマルチ・ローカル化の2つを挙げたい。

オムロングループでは、創業者の打ち立てた SINIC理論を経営の羅針盤と位置づけて、事業の方向や領域、技術開発の方向や領域を決めてきた。そして、「最適化社会」の始まる今年2005年を「最適化創業元年」と規定した。
ちょうど50年前の1955年が第二の創業となった「オートメ化創業元年」だったから、半世紀を経て、また新たな創業を迎えた気持ちである。
これまでの「工業社会」を支えた技術は、オートメーション、サイバネーション (コンピュータとコミュニケーションの組み合わせ) だった。「最適化社会」で求められるのは、より人間に近づいた技術である。私たちは、こうした技術を「バイオネーション」と呼んでいる。バイオネーションのことを、オムロンでは「センシング&コントロール」に置き換えている。

SINIC理論によれば「最適化社会」の期間は僅か20年とされている。「農業社会」から「工業社会」への移行や 500年にわたった「工業社会」では、人類は時間をかけて、ゆっくりと意識を変え、社会を変えてきた。20年間の「工業社会」から「自律社会」への移行期間は、あまりにも短い。そこで起こる変化は劇的なものになるはずだ。
「最適化社会」では、このような「工業社会」と「自律社会」の2つの価値観が併存し、せめぎ合う混沌の時代になる。
こうした不安定な社会の中で、自信の持てない個人や集団に対して、新しい業態の産業が興ってくると思う。私はそれを「知恵産業」と名づけた。
「知恵産業」は、科学と技術に対して、問題解決のためのコンセプトや構想といった新しい視点を持つ。「最適化社会」では、「知恵産業」が中心となって、現実をバランスよく最適化しながら「自律社会」へと誘導する。

「自律社会」の価値観は、人間の生き方、自分主義、真の豊かさ、生の歓喜、人間性、創造といったものである。「使い捨て」や「買い替え」という言葉の代わりに、「もったいない」「しまつする」「リサイクル」という言葉が支持されるようになってきた。生活者たちは、自分たちにとって何が必要で、何が必要でないかを見つめ直そうとしている。自分に合ったライフスタイルとは何か、自分にとって生きがいとは何か、という問いかけにつながっていく。人びとは「自律」への道を歩み始めたのである。

企業が存続していくためには、利益が必要なことは言うまでもない。しかし、「最適化社会」では、企業もまた変わらざるをえない。従来のような売上げ拡大を目指した過当競争に代わる、新しい競争が生まれる。
それは「質の高い競争」である。今後は、シェアや価格の競争ではなく、「知恵」対「知恵」の競争となる。「最適化社会」にあっては、事業の中心は「価値」であり、新しい価値を提供するためのモノやサービスを創出していくことが求められる。
「モノ」が中心の時代に、企業の力量を測るモノサシはシェアであり利益だった。「価値」が中心となる時代に企業を測るモノサシは、「影響力」になると考える。「知恵」を絞って、新しい「価値」を創造し、世の中に大きな「影響力」を持つ企業にならなければならない。
企業は、社会や人びとから必要とされる、「未来から選ばれる企業」になる必要がある。

コメント: 1970年当時、わが国で未来学についての関心が高まり、この時に「情報化社会」という言葉が初めて使われた。この頃の代表的な存在だった林雄一郎さんに会ったとき、「“情報化社会”の英語をどうしようということになって、 information societyを考えたが、サイマル・インターナショナルの村松さんからinformation-oriented societyにしないとおかしいと言われ、そうなった」と話されていたのを覚えている。日本が世界で最初に「情報化社会」という言葉を使ったとされる。その後、英語はけっきょく、 information society が欧米で使われるようになった。そして information に関する技術では、アメリカに大きく先を超された。日本は産業ロボットなど、自動化に向けてひた走った。



業績絶好調企業は理念実践型経営を推進している!

2005-11-28 10:09:33 | 経営戦略
 業績絶好調企業は理念実践型経営を推進している!

■成長企業は考え方(理念)で束ねられている
 経営には「資本投下型経営」と「理念実践型経営」がある。あのライブドアは資本投下型経営の代表格といえよう。しかし多くの企業をみると、さまざまな困難を乗り越え発展し続けているのは、やはり理念実践型経営に多い。トヨタや京セラなど日本を代表する優良企業がそれである。中堅、中小企業も例外ではない。いま業績絶好調企業は考え方(理念)で束ねられている組織だ。トップの理念、創業の原点、企業としての存在価値が驚く程現場の隅々にまで浸透しているのがそれら企業に共通する点である。

■経営理念に共感した人材を採用せよ

 賃金や福利厚生の魅力にひかれて入社した人物は、いくら能力が高くても意外に戦力になり得ないものだ。彼らはいずれやってくる仕事の壁をなかなか突破できない。一方で、採用する側も「専門知識がある」とか「やる気がある」とか、その人物の一面だけを見て採用してはまず失敗する。大切なことは、採用基準を「経営理念に共感していること」におくことだ。入社前は決して優秀とは言えない人物であっても、トップの考え方(理念)を深く理解する事で見事なまでに優秀人財に成長するものである。

■経営理念で束ねられた強い組織の創り方

 最も重要なことはトップの考え方(理念)を深く理解した幹部の存在だ。この様な幹部が存在してこそ考え方(理念)で束ねられ、決めた事が徹底されてやり切る強い体質の組織が誕生する。全社員が経営理念で一つになり、組織が活性化されるポイントは次の5点だ。

1.繰り返し、繰り返し幹部が経営理念を解かり易く語る
 朝礼や会議の前に経営理念を唱和するだけでは、浸透を図ることは至難の技。幹部が経営理念を語るには、その意味を日常業務に置き換え解り易く具体的に説明することである。額に飾られているだけの崇高な言葉だけに終わっていては、全く意味がない。社員に経営理念を身近なものと感じさせる幹部の自覚と指導が強く求められる。

2.経営理念を一人一人の実践具体策にまで落とし込む
 経営理念の解釈は同じであっても、日常業務における実践項目はキャリアや所属部門によって異なるものだ。例えば、「顧客満足度を高め…」という内容が入っている経営理念も「顧客満足度を高める為に、私は何を実践します」という具合に、行動レベルまで具体化することがキメテである。

3.経営理念を日常業務に密着させ、実践項目に変化があれば確実に成長している証
 経営理念を自らの行動レベルまで落とし込む事は重要だ。しかし、その実践項目に変化やレベルアップがなければ成長はおぼつかない。「顧客満足度を高め…」という理念に対して、いつになっても「笑顔で挨拶をします」というレベルでは成長はない。「アフターフォローの強化をします」とか「消耗品や付属品の継続的購入があってこそ、顧客満足度は高まります」等の行動のレベルアップで本人の成長の度合いが確認できる。幹部は経営理念の実践を徹底して促し、成長の突破口を鋭く指導することが求められる。

4.若手社員が経営理念を熱く語る習慣がつけば組織は必ず活性化する
 経営理念の浸透状況は若手社員が経営理念を熱く語っているかどうかがバロメーター。業績絶好調企業は若手社員どころか、パート、アルバイトまでが自社の経営理念に関わることをアフターファイブの場でも熱く語っている。

5.幹部は経営理念の実践が自らの豊かさに繋がるということをしっかり指導せよ
 「給料はどこから出ているの?」の問いに、果たして「お客様」としっかり答えられる社員がどの位存在しているかを幹部は真剣に考えて欲しい。すべての経営理念の本質は、「顧客の繁栄こそが自社の繁栄に繋がる」と認識されていることが重要。幹部は経営理念の実践が、自らの豊かさに繋がるということをしっかり指導する責任がある。