ロックバンド「JAYWALK」のボーカル、中村耕一容疑者(59)が覚醒剤所持で逮捕されたことを受け、9日夜に急遽(きゅうきょ)行われた所属事務所とレコード会社の記者会見。事務所の知久悟司社長は厳しい表情で深々と頭を下げた。所属レコード会社「ワーナーミュージック・ジャパン」は、事の重大性を受け、JAYWALKとの契約を解除することを明言。5月から始まる予定だった全国ツアー23公演を中止することも明らかにした。
事務所の知久社長は「中村耕一のいないJAYWALKは成り立たない。何年後になるか分からないが、皆さんが許してくれる状態になれば、そのときはJAYWALKとしてもう一度やりたい。何年でも待つつもり」と肩を落とした。
知久社長によると、中村容疑者をはじめ、JAYWALKのメンバーは8日深夜までレコーディングを行い、解散したという。9日朝は楽曲のプロモーションビデオの撮影で、他のメンバーはスタジオに集まっていたが、そこに中村容疑者逮捕の知らせが飛び込んできた。メンバーは言葉を失い、放心状態になったという。
知久社長は、中村容疑者が覚醒剤に手を染めていた兆候はなかったという。ただ、ここ1、2年ほど、寝坊や、病気がちな親族を病院に連れていった、などの理由で、連絡もなくレコーディングに遅刻することが目立っており、気にはかけていた。ときには4、5時間遅れて、恥ずかしそうにスタジオに入ってくることもあった。そんなときも、「ごめん」という言葉が発せられることは少なかったという。
芸能界での薬物汚染が深刻な社会問題として認識されるようになり、業界を挙げて再発防止に向けた取り組みに力を入れるようになっていたが、「業界の(再発防止に向けた)セミナーには参加しなかったが、何度か話した記憶はある」という。知久社長は「結果的には指導が足らなかったといわれても仕方がありません」と話した。
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