さて、室生寺の魅力、あまたあれど、やはり最高の見どころは、五重塔(平安・国宝)であろう。
法隆寺五重塔に次ぐ日本最古の五重塔であり、また、国宝・重文クラスで屋外に建つ、日本最小の五重塔である(塔高約十六メートル)。
階段を登りきったところに、ひっそりと建つロケーションも最高であるし、なにしろ、その色合いは周囲木々の中、ひときわ鮮やかで、また均整の取れた塔の形が美しい。
<五重塔>
<別日:雪の五重塔>
またしても、その場を去りがたい気持ちに襲われてしまう。
この塔、平成十年(一九九八)に奈良県を襲った台風で倒壊した巨木の直撃により、壊滅的被害を受けることとなったのだが、人知を結集した努力により、約二年の月日を経て、修復された歴史を持つ。
当時、NHKで修復の経緯を特集する番組に見入った記憶が、いまだに残っている。
また、屋根の修復には、室生寺周辺のヒノキ五百本を使用した、とのことであり、この寺を囲む森の豊かさは、感嘆そのものである。
こちらから、あちらからと、さんざん写真を撮り、名残惜しくも次の行程へと移る。
五重塔の左手から続く、奥の院である。
突然、山岳寺院の険しい階段を登ることとなるのであるが
室生寺に限らず、奥の院というもの、要注意だ。
本当に
「奥へ、奥へ…」
と続くものが多く、それなりに気を引き締めてかからないと、それこそ足腰、痛い目に遭ってしまう。
<奥の院入口と長く続く階段>
四百段に近い階段を登り切ると、ようやく、奥の院へとたどり着く。
そこには、懸造(崖上などの上に建物を長柱と貫で床下を支える工法、代表的なものに、清水寺本堂、そして、灯台下暗し、室生寺金堂などがある)の位牌堂と、弘法大師を祀る御影堂(鎌倉・重文)が建つ。
<位牌堂>
<御影堂>
静謐な気に包まれた空間であるが、長い階段を登りつけた直後でもあり、息切れした記憶しか残っていないのが情けない、凡人の証である。
階段の上り下り、疲労度も上昇したが、朝早くからの拝観、じっくり時間を使った(三時間くらいか…)ものの、まだお昼。
せっかくだから、もう一寺、行ってみよう。
まったくもって、心が洗われ、満々となることのできた室生寺、
御朱印は〔如意宝珠〕
ありがたく頂戴する。
【冬】 奈良・室生 「女人高野を歩く」③完
法隆寺五重塔に次ぐ日本最古の五重塔であり、また、国宝・重文クラスで屋外に建つ、日本最小の五重塔である(塔高約十六メートル)。
階段を登りきったところに、ひっそりと建つロケーションも最高であるし、なにしろ、その色合いは周囲木々の中、ひときわ鮮やかで、また均整の取れた塔の形が美しい。
<五重塔>
<別日:雪の五重塔>
またしても、その場を去りがたい気持ちに襲われてしまう。
この塔、平成十年(一九九八)に奈良県を襲った台風で倒壊した巨木の直撃により、壊滅的被害を受けることとなったのだが、人知を結集した努力により、約二年の月日を経て、修復された歴史を持つ。
当時、NHKで修復の経緯を特集する番組に見入った記憶が、いまだに残っている。
また、屋根の修復には、室生寺周辺のヒノキ五百本を使用した、とのことであり、この寺を囲む森の豊かさは、感嘆そのものである。
こちらから、あちらからと、さんざん写真を撮り、名残惜しくも次の行程へと移る。
五重塔の左手から続く、奥の院である。
突然、山岳寺院の険しい階段を登ることとなるのであるが
室生寺に限らず、奥の院というもの、要注意だ。
本当に
「奥へ、奥へ…」
と続くものが多く、それなりに気を引き締めてかからないと、それこそ足腰、痛い目に遭ってしまう。
<奥の院入口と長く続く階段>
四百段に近い階段を登り切ると、ようやく、奥の院へとたどり着く。
そこには、懸造(崖上などの上に建物を長柱と貫で床下を支える工法、代表的なものに、清水寺本堂、そして、灯台下暗し、室生寺金堂などがある)の位牌堂と、弘法大師を祀る御影堂(鎌倉・重文)が建つ。
<位牌堂>
<御影堂>
静謐な気に包まれた空間であるが、長い階段を登りつけた直後でもあり、息切れした記憶しか残っていないのが情けない、凡人の証である。
階段の上り下り、疲労度も上昇したが、朝早くからの拝観、じっくり時間を使った(三時間くらいか…)ものの、まだお昼。
せっかくだから、もう一寺、行ってみよう。
まったくもって、心が洗われ、満々となることのできた室生寺、
御朱印は〔如意宝珠〕
ありがたく頂戴する。
【冬】 奈良・室生 「女人高野を歩く」③完