私が読んだ1000冊の本

私が今迄に読んだ本は、約四百冊。死ぬまでに千冊は読もうと思ってます。いつ頃どんな本を読んだかなどを綴ります。

(142) 筒井康隆『にぎやかな未来』

2008-02-11 02:47:41 | Weblog
にぎやかな未来 (角川文庫)
筒井 康隆
角川書店

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 前回お袋が『放浪記』をかったらしいと書いた「いずみ書店」へ、
高校時代、学校帰りに同級生と寄りました。
彼は、「筒井康隆」というおもしろい作家がいると教えてくれ、
氏の文庫本を1冊取り出し、これを読んでみろと私にショート・ショートを1つ読ませました。
 お父さんが、自分が死んでいるのに気付かず、朝食に現れる。
 家族は父に気付かれないよう平静を装おうとするが・・・というお話。
 友人が「こいつはIQ160あるらしい」といったのが、さもありなんとうなづけるほどの奇抜さに感心したものですが、
なぜかそのときも、それからもずっと、筒井氏の作品は手に取ったことがなかったのです。

 他にNHKのドラマで見たのが『怪物たちの夜』。
 これもとても面白いと思っていました。

 筒井氏といえば、ある病気の人たちを差別するような表記があったと訴えられた例の騒動で、絶筆宣言をしましたが、その作品を含め3作品のみを知っていたのです。
 ところが、妹が買ったと思われる『にぎやかな未来』にこの3作品がすべて載っていたのです。
 なんという奇跡でしょう。もしかしたら、今年の運を全部使ってしまったかもしれません。
 逆に言うと、それだけ名品ぞろいの1冊ということでしょう。

 大笑いしたのは、ノーベル賞をもらったという大博士がパチンコをする話。
博士は、あれやこれや、いろんな計器を使って、計測したり計算したりしてからおもむろにパチンコを始めるのです。その大げさな準備にテレビ局までが駆けつける騒ぎに。そしてパチンコの結果は・・・
 博士がパチンコ屋を去るときのひと言が最高です。
 その落ちを効果的にするためにでしょう。
 わざわざ、その言葉だけ最後のページを開いてからのところに書いてあるのです。
 他の作品も面白いものが盛りだくさんです。

 星新一とは一味違ったショートショート。
 ぜひ読まれてください。

 

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