最近の日本は、変わってしまったようだ。
昔、日本の政治家が、「人の命は地球より重い」と言って批判されたことがある。
しかし、考えてみれば、あの政治家や私の両親の世代は、戦争という地獄を経験したから、「人の命は地球より重い」と叫びたかったのだろう。
国家の暴走で、虫けらのように、たくさんの命を奪われたのだから当然だ。
ところが、最近、戦争に懲りたはずのこの国に、再び、自由と民主主義という国体やイデオロギーのためなら、ロシアや中国との戦争も辞さないという、勇敢な人が増えてきたようで恐ろしい。
結局、軍人と政治家は、争はずにはいられない人種なのだろう。
ただ、政治家と言っても、昔の自民党は良かった。
政治理念やイデオロギーにこだわる野党とは違い、節操がない位に融通無碍でプラグマティックな経済政党だったからだ。
ところが最近では、自民党の売りの「経済政策」に自信が無くなったせいか、イデオロギーとまではいかないまでも、妙に政治理念にこだわる政党になってしまった。
ガッカリだ。
その昔、この日本で革命でも起きるのではないかと思えるほど騒乱が続いた。
その中で、それをものともせずに高度経済成長を実現したのが自民党。
自民党の融通無碍なプラグマティズムが、この国を繁栄に導いたとも言える。
褒め過ぎか。
全ての政治家の皆さんに言いたい。
昔も今も、国民が望んでいるのは、「政治理念」や「イデオロギー」では無い。
経済の繁栄と、平和で安全で、豊かな暮らしなのだ。
与党も野党も「自由と民主主義」の国家の政党らしく、もっと国民に寄り添った、プラグマティックな政党になって欲しい。
ところで、ロシアのウクライナ侵攻以来、メディアを通してロシアやウクライナや米欧の政治家を見る機会が増えた。
それで感じたのだが、彼ら彼女らは、日本の政治家に比べて、ハッキリ言ってつかみどころが無くて怖い。
それに引き換え、日本の政治家は、まだ優しいのだろう。
世界中の政治家が、平和ボケした日本の政治家のようになってくれれば、この世界から戦争が無くなるかもしれない。
日本の政治家に望むのは、「日本人が、いつまでも優しいままでいられるようにして欲しい」ということだ。