森の中の恍惚

野山が笛を吹いている

警察予備隊 練馬駐屯部隊 第一連帯

2017年07月07日 | 32-20 Blues 

押入れを片付けていたら、奥の方から厚紙のケースに入った古いアルバムが出て来た。中を見ると表紙に「警察予備隊 練馬駐屯部隊 第一連帯」とある。父が若い頃、自衛隊に居たという話を聞いたことがあるが、このことか‥‥‥。

「警察予備隊」とは、1950年(昭和25年)8月に設置された武装組織で、1952年(昭和27年)10月に「保安隊」に改編。1954年(昭和29年)7月、防衛庁の発足に伴い「陸上自衛隊」に改組されました。朝鮮戦争勃発と共に作られた陸上自衛隊の前身なのですね。
警察予備隊令(昭和25年8月10日施行)
第一條(目的)
この政令は、わが国の平和と秩序を維持し、公共の福祉を保障するのに必要な限度内で、国家地方警察及び自治体警察の警察力を補うため警察予備隊を設け、その組織等に関し規定することを目的とする。
第二條(設置)
総理府の機関として警察予備隊を置く。
第三條(任務)
警察予備隊は、治安維持のため特別の必要がある場合において、内閣総理大臣の命を受け行動するものとする。
2 警察予備隊の活動は、警察の任務の範囲に限られるべきものであつて、いやしくも日本国憲法の保障する個人の自由及び権利の干渉にわたる等その権能を濫用することとなつてはならない。
3 警察予備隊の警察官の任務に関し必要な事項は、政令で定める。
第四條(定員)
警察予備隊の職員の定員は、七万五千百人とし、うち七万五千人を警察予備隊の警察官とする。


表紙を開くと「想い出」の文字と「1952」とある。「警察予備隊」は1950年の設置で1952年に改編、隊員の任期も2年とあるので、最初で最後の「想い出アルバム」となったのだろうか?
警察予備隊令施行令 昭和25年8月24日施行
第五條 一等警察士補、二等警察士補、三等警察士補、警査長、一等警査及び二等警査(以下「一等警察士補等」という。)は、二年を期間として任用されるものとする。但し、二年を経過した場合において、志願をしたときは、長官の定めるところにより、引き続いて任用されることができる。


3ページ目は見開きで「練馬駐屯地」と「警察豫備隊歌」。発足当時は久里浜にありましたが、昭和26年9月に練馬に移転したそうです。
治安の護り  井戸徳男 作詩

颯爽と 光をあびて
勢い起つわれらは 祖国の盾ぞ
炎の息吹 鉄の意志
盛りあげて いざや進まん
力 力 力は若き
警察豫備隊 治安の護り

あらし雲 巻きたつ峯も
何かある断じて 我等は越えん
正義の使命 双肩に
たくましき 歩調はひびく
務 務 務は尊き
警察豫備隊 治安の護り

清新の 理想と仰ぐ
この旗に誓いて われらは往かん
栄ある命 若き眉
あたらしき 日本を擔う
誉 誉 誉と勇む
警察豫備隊 治安の護り
:「警察豫備隊歌」は現在「陸上自衛隊歌」として歌い継がれているようです。ただし「警察豫備隊」の部分は「栄ある自衛隊」と置き換えられています。


当時の第一連隊長「土田 精」氏。


宿舎内の様子も載せられています。「舎内整頓」とありますが、広い部屋に二段ベッドが整然と並んでいます。各ページのゆるいイラストがちょっと笑えますね。


「食堂」風景。隊員数に比べ食堂は狭く、交代制にもかかわらず席が確保できず、立って食事をとる隊員もいたといいます。


演習の様子も記録されています。東富士でしょうか?「若人よ・・・富士へ!不二!山麓へ!」と始まります。「不二」とは、富士山の名前の由来のひとつ『不二(二つとない)』の意か?


「攻撃開始」


「演習終了」


「二周年記念假装行列」こんなのもあったんですね。


「二周年記念假装行列」その2


「あとがき」で終わります。


一緒に入っていた写真。駐屯地の風景でしょうか?バスケやバレーボールのコートがあります。


所属していた中隊の集合写真のようです。警察予備隊の募集年齢は20~35歳だったといいます。父はもう亡くなりましたが、まだまだご存命の方もいらっしゃると思います。若く活力あふれる年代の2年間は、とても思い出深いものではないでしょうか?


住所録も残っていました「榴岡(つつじがおか?)部隊 第三中隊」181名、隊訓は「明朗」。


一緒に残っていたスナップ写真の一枚。見上げる富士山は今も変わりませんね........。

:奇しくも明日7月8日は、1950年「連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)」が日本政府に対し警察予備隊の創設を指示した日となります。これも何かのご縁でしょうか?
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