いつもの峠の頂上は秋風がそよぎ、日差しもやわらか。
虫の音に耳を傾けながら、達成感を味わったのです。
でも、今日は、ここからが「お楽しみ」。
帰宅する前に寄っていた「甘い物屋さん」ですが、今朝は行きがけに。
「やぶれ饅頭」の白餡と黒餡、そして「梅どら焼き」を買っておきました。
休憩ナシで、到着。
小さく、ガッツポーズをしながら。
その御祝いと、次の峠へ行く為の燃料をかねて「やぶれ饅頭」をガッツリ完食したのです。
モグモグやっていたら、あちらからロードバイクが。
何度か見かけた方で、いつもここからウインドブレーカーをサイクルジャージの背中にあるポケット
から出して着て、引き返えすのです。
声をかけさせてもらったのですが、サングラスの下の顔は私よりも年上でした。
オールブラックのカーボンバイクにカーボンホイール。
シディのサイクルシューズが、ガッシリした足の先にありました。
地元のサイクルクラブに所属されているそうで、この峠はトレーニングコースになっているとか。
それにしても六十歳はとっくにまわっている外見なのですが、全身から発せられるオーラは
現役そのもの。
若手にはついて行けないと苦笑いされていましたが、彼が走ってから数分後に追っかけたのに
まったく姿がなかったところをみると、かなりの実力では。
峠を滑空して、別の峠に着ております。
近くに鉄塔があるように、かなり登った地点まで達しております。
「押し歩き」を覚悟していたのに、クルクルとクランクを回せます。
急な角度にならない限り、そこそこの速度で進めます。
「あれ?」。
「そんなバカな」。
キツイはずのルートで、なぜかペダルを回し続けられるのです。
前にある坂を登ると、先週あそんだ峠の頂上です。
ありえないコトに、無休憩で到着してしまいました。
「押し歩き」も、まったくです。
太腿に張った感じはありますが、まだまだ余力が。
「あれ?」。
「もうひとつぐらい、峠を越えられるかな」・・・なーんて。
左折して、ビューンと下ればサイクルショップに立ち寄れるルートとなります。
バイパスと合流するので交通量は増えたものの、周囲に注意しながらシャカリキにペダルを
回して難なくクリアしました。
それにしても下りとは申せ、風を切り裂きながら加速する「リアクト4000」は凄すぎます。
貧脚でもこれなのですから、剛脚の方だったら・・・・・・。
開店時間を過ぎているのに、ブラインドが全ておりていました。
「あれ?」。
対面の店にある自販機にコインを入れいると、背中にシャーッというブラインドを上げる音が。
怒涛のリリースラッシュがエンドレスらしく、徹夜して機体調整をやっておられたそうです。
深夜に何度もショップ前を自転車で往復していたもので、職質をうけたと笑顔で。
顔見知りのポリスマンから「こんな時間までやっているんですか」と聞かれ、「調整がまだなので」と
御主人が答えたら「仕事熱心ですね」と、これも笑顔で。
ホイールをいじり、タイヤを交換し、ハンドルやステムをかえて。
そこまでして客の要望に答えようとする姿に、これぞプロフェッショナルだと感心してしまうのです。
険しい2つの峠をペダルを回して越えることができたのは御主人のお陰だと礼を言うと、それまで
眠そうだった瞳がキラッ!!。
その言葉が1番嬉しいと、笑顔の花が咲いたのでした。
行けちゃいました。
行けちゃったのです。
今日の感激は、一生忘れないと思います。
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