ウニの貝焼きは、いわき市の名物として根強い人気がある郷土料理だ。
ホッキ貝の貝殻の上に山盛りにされた蒸し焼きのキタムラサキウニは食欲をそそる。
食べた時に口の中に広がる豊かな風味は格別に美味い。
色々と諸説はあるが、貝焼きはウニを長持ちさせるため焼いたのが始まりという。
江戸時代、地元の藩主に献上されるなど、地域の歴史を物語る食文化でもあると思う。
いわき市の暮らしの伝承館は、
貝焼きを始め各地の郷土食を特集した企画展「いわきの郷土料理」を今、開いている。
約50品目ほどの料理を写真と料理の由来や材料を解説したパネルで紹介し、
地元の食文化の一端にふれることが出来る。
会場では個性豊かな料理が目を引いた。
カツオを使った料理で、焼いた後に、ショウガ醤油に漬けた「焼きびたし」とか、
地元野菜を使い、お盆にお供えして食べる「十六ささげのごまよごし」など、
海と山の多彩な食材が生かされている料理だと思う。
古里の食文化を見つめ直すことで、
貝焼きに肩を並べる各地の名物料理が見つかるかもしれない。
今日は、浜通りは久しぶりの快晴になり、あちこちの家庭では洗濯物が一斉に庭先に干してあった。