幸せになりたいですか

見てた配信で、その配信者が「幸せになりたい」といった。なんかその言い方が心に残りました。そりゃあ、誰だって幸せになりたいよなぁ。しかし、幸せってなんだ？って言ったら、幸福感は人によって違うので、何が幸せかのひな形は表すことができないのが現代の価値観の原則です。

ミルの功利主義が「幸せの総和が最大値なるように、政策を決定すればいい」というように、政策面の事柄なら標準を作らざるを得ない部分があるのはわかるけれど、これだけライフスタイルを選べる現在に「幸せ」の標準化は難しい。20世紀後半の日本の価値観は、安定した大企業に入って、結婚して、家族を作ってが幸せだという画一的な価値観だったように思う。けれど今はそれがなくなった上に、その後の「独身族がカッコいい」、「女性が働くことがカッコいい」みたいな価値観も壊れて、「結婚するのがやはり幸せか？」「子育てがやはり幸せか？」に回帰しているような気がする。

わたしは母がキャリアパーソンとして働いていたのをずっと見てるから女性も働くのがカッコいいと思うから、専業の主婦が幸せという考えが依然として広がっていても違和感を感じる。確かに「仕事はお金を稼ぐ手段」だと思ったら働かない方が楽になるけど、「仕事は自分を磨く手段」として考えるなら働く人が魅力的に見えるからです。私の価値観を相対化すれば、一つの価値観にすぎない訳で、「幸せって何だっけ」って考えて誰かとの合意を得るよりも、幸せになりたいと漠然に言った方が共感をえられる気がしますね。