僕は思うよ。

独りぼっちはもう嫌なんだと呻くように囁いた。

明けない夜は無いんだなんて振り絞るように呟いた。


強がりだなんてわかってるけど。


其れでもやっぱり僕は思うよ。

世界はこんなに汚いけれど。

プールの底から見上げた世界は

きらきら光って虹色で

夢の雫を集めたようで。


本当の形を歪めた方が

何もかもきっと綺麗に見える。

アタシは。

ブリキで出来た箱みたい。


蓋は簡単に開くから

全部わかった気になるでしょう？


気付くと増えてる錆みたいに

アタシは誰にもわかれない。


海に深く深く沈んで

アタシの蓋はもう開かない。


後は腐食して

崩れるだけよ。

傷。

裂けた腕から涙が零れた。

涙の色は赤黒かった。

心臓の音とどくどく泣いた。


干からびた涙。


覗いたアタシを

泣きやんだ腕が見つめ返した。

現実。

そうなんだね。


アタシは貴方の言うとおり


利己的で

嘘つきで

精神異常で


何の価値も無いものなんだね。

この気持ち。

忘れていたよ。

思い出して良かった。


もう、落とさない。

アタシは何にもわからない。

キミが大好きで自分が嫌いで

全部嫌になってしまうよ。


投げ出したいのは山々だけど

キミを失うからできないよ。


世界にアタシしかいなければ

こんな思いはしなかったのに。