不祥事とメリハリ

　ＴＶで引っ張りだこのエコノミスト植草一秀氏が逮捕された。
容疑は、よりによって上りエスカレータで前に立っていた女子
高校生のスカートの中を手鏡で覗こうとしたことだという。
なんとも情けない理由での逮捕となり、がっかりした方も多いか
と思う。

　氏は野村総研時代、植草レポートを書き、良く当たる分析だ
として、社内用のレポートにも関わらず、通のお客さんからは
読みたいというリクエストが多かったという。そんな分析力を
買われて、ＴＶにも数多く出演し、早大院の教授にまでなって
いた。

　この手の話でありがちなのは、「どうしてあの人が」と思える
ような人が不祥事を起こしてしまうということだ。著名で、高い
権威を持つ人は、より一層自らを律して然るべきだし、周囲も
そのように期待しているだけに、不祥事を起こせば、尚更、周囲
の失望感は大きなものとなる。

　魔が指すこともあろう。忙しさでストレスが解消できないこと
も多いかもしれない。しかし、そうなる前に上手にストレスを
解消する手段を見付ける、もしくは、一時、全ての仕事を忘れて
休養を取ることも必要ではないだろうか。本当に力がある人は
オンとオフの切り替えが上手い。それに夏休みを何週間も取って
も、干されることなく仕事をしている。

　よく働き、よく学び、よく遊ぶ。このメリハリができてこそ、
真の出来るビジネスマンなのだ。これは案外難しいことなのだが
そうするための環境作り、例えば、再来月は××日休みます
といったことを勇気を持って周囲に宣言しておくこととかいった
ことが必要だ。また、頑張っている人をたまにはきちんと
休ませてあげるという、周囲の理解も同時に必要だ。
頑張っている人は、ロボットではなく、生身の人間なのだから。


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