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合言葉はヒュッゲ

山の日

ぷーさんなら今朝起きてすぐ「山の日おめでとう」と言うでしょう。

長らく8月の祝日を経験しなかったため、この山の日が来ると「あ〜もうこんな時期かあ」と残り3分の1に迫った1年の速さに焦りにも似た感情が。

そんな山の日を迎える前日、整形外科の受診を終え、実家の墓参りとガソリンスタンドでの洗車を済ませてから映画「神々の山嶺」を観て来ました。

フランスで作成されたアニメーション。原作は夢枕獏の小説、漫画本として谷口ジローが発表し、山を愛する人々にとってはまさに聖書とも言える作品らしく、レビューには星5つがいくつも並んでいた。

昨今、エベレスト登頂を目指す登山家は少なくない。
世界最高峰であるエベレスト登頂初達成を1924年にしたと言われるジョージ・マロリーは、伝説の登山家として知られているが、下山できずに亡くなっていたため、本当に登頂したかは謎のままだった。

登山雑誌のカメラマン深町が孤高のクライマー羽生に接近し、彼の山に対する情熱、山を通しての破天荒過ぎる人生観に触れるうち、仕事だけではない感情でのめり込む。

羽生は実在した森田勝という登山家がモデルだと言われる。最期グランドジョラスで遭難し登頂できたかはマロリーと同じく謎であり、何故何度も危険を冒してまで登頂にこだわるのか?その答えを映画の中で見出す事は出来なかった。

しかし、マロリーの残した「そこに山があるから」はやはり名言であり、それ以上どんなに吟味し装飾した言葉を用いてもその心を知る由はない。

生きることが苦しく、ひたすら氷壁に自分の苦しさを打ち込み命を繋ぐ足場を作る。

羽生の不器用で哀しい生き方は多くの共感を得る事はないだろうが、観ている人々の心を深くえぐる。

1960年代と1980年代の東京の街並み。吹き替えの羽生、深町らのイケボイスに感動しながら、ハラハラドキドキ、そして「何故?何故そこまで?」という疑問を禁じ得ず、しかし、その疑問が解ける事がなくても何故か納得できる秀作だった。


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