昨日の続き…
―署名を求められて2週間後
(ア:アインシュタイン、シ:シラード)
シ:やあ、久しぶり。今日は返事を聞かせてくれるって聞いたけど。
ア:うん。ちょっと手紙かしてよ。
シ:はい、ど~ぞ。
ア:サラサラサラっと。これが僕の結論さ。
シ:...
僕は君を信じていたよ。やっぱり君は
署名してくれたね。でも、確か君は平和思想者じゃなかった?
どうして、そんな君が署名をしてくれたの?
ア:たしかに、僕は以前、戦争を阻止する方法を語ったことがある。
(内容はこんな感じ「現在、さまざまな国の人が、国家のために、
殺人の罪を犯していることに気づいてほしいと思います。いかなる
状況でも、兵役は拒否すべきなのです。兵役を指名された人の2%が
戦争拒否を声明すれば、政府は無力となります。なぜなら、どの国も
その2%を越える人を収容する刑務所のスペースがないからです。」)
でも、僕はユダヤ人だったので、こうして祖国ドイツを追われ、
アメリカに住んでいる。僕はナチスが許せない
だから、ドイツが原爆開発をしているときいて黙ってはいられない。
そういう理由から署名したのさ。
シ:そうか。そんな理由が…。
じゃあ、僕はこの手紙を大統領に出してくるよ。
そして、この手紙を読んだ大統領は早速開発を始めた。
1945年5月、ヒトラーの自殺によりドイツ軍は降伏した。
しかし、アインシュタインは不安に襲われていた。
「ドイツが降伏知ったって言うのに、原爆の開発はいまだ続いているらしい。
連合国の敵となった3国で降伏していないのは日本だけだ。
まさか…。たしかに、日本が戦争中アジアで行った行為はひどいもの
だが、以前日本を訪れたとき(1923年)彼らは、ナチスとは違っていた。
そう、ユダヤ人の私を殺そうとはしなかった。」
その頃、同じ不安に駆られている人物がいた。
以前、アインシュタインに署名を求めたあのシラードだ。
シラードは日本への原爆投下を阻止しようと再び大統領に手紙を書いた。
そして、またアインシュタインに署名を求めた。
今度は、すぐに署名した。
しかしその手紙は大統領に読まれることはなかった。
そして、ご存知1945年8月、完成された原子爆弾は広島と長崎に投下された。
広島に原爆が落とされたと知ったアインシュタインはこう叫んだそうだ。
「O weh!(ああ悲しい!)」
彼は原爆の恐ろしさを知っていた。
しかし、ナチスに対する恨みのほうが勝っていたみたいだ。
でも、結果は、ドイツではなく日本に落とされてしまった。
天才と言われたアインシュタインもやっぱり一人の人間だったんだな。
人類は2度の世界大戦を経験した。
それ以前の戦争もその後の戦争も含めて、
戦争は多くの人々の人生を変えてきた。
今年は戦後60年。
最近ではアフガニスタンやイラクで戦争があった。
いま、あらためて平和について考え直す必要があるんじゃないかなぁ。
長々としかも最後はえらそうなことを言ってる割には
変な終わり方になってしまいましたが、ここまで読んでくださった皆様
本当にお疲れ様です。
ありがとうございました