旧日日ブログ 二次元支部

管理人チョッパー(タムG)の脳内をそのまま投影したかのような乱離骨灰な二次元小説を主としたブログです。

Foreign body~プロローグ~(改定版)

2007年02月08日 15時50分12秒 | 小説
戦略自衛隊のネルフ強襲から3ヶ月、あたしと隣で新聞を顔に被りながらうたた寝してる天城一尉を乗せたロシア行き旅客機は雲海の上を駆ける。
だらしなく着崩したワイシャツにシワだらけのズボン、他の乗客もほとんどいないしあんまりだらしないから他の席に移ろうとすると
「指定席なんだから勝手に動くなよ」
「起きてるなら言いなさいよ」
一尉は顔に被さった新聞を少し持ち上げながら視線を送る
「寝てるなんて言ってないぞ」
ああ言えばこう言う、出発前からのやりとりに飽き飽きしたあたしは視線を反対側に移した。あたしたち以外の乗客はビジネスマン風の男に中年の白人の男女、以上
それも当然、今は冬、わざわざそんな時期に極寒のロシアに仕事以外の目的で行く人間なんてまずいない
「だいたいなんであたしとあんたが一緒に行かなきゃならないのよ」
会話の糸口が掴めない、この質問も今日で3回目だ。
「おまえはリハビリ、俺は残った書類の整理で出遅れた・・・3回目」
相変わらず新聞を被ったまま答える態度にいらつきを覚えたあたしは顔をしかめる
「なんだ、そんなにシンジと一緒じゃないのが嫌だったのか、オヒメサマ」
「そんなんじゃない、それからその“お姫様”ってのもやめさいよ!」
「ダー、リョーカイリョーカイ」
どうもこいつののらりくらりとした性格がいらいらする
「それからなんであたしたちがこんな真冬にロシアなんかに行かなくちゃならないのかまだ聞いてないんだけど」
天城一尉は顔に被った新聞を片手で素早く折畳むとぼんやり天井の読書灯を見ながらつぶやいた。
「・・・・そういや、俺も聞いてないな」
「はぁ?あんたホンットにバカじゃないの!」
「ああそんながなるな、徹夜明けなんだよ」
なんでこんなやつと一緒に
「すまんが上のブリーフケース取ってくれ」
なんであたしが、そんな意味合いも込めて思いっきり睨みつけてやると一尉は苦笑いしながら天井に手を伸ばすポーズを取っていった。
『取れないんだよ』顔にはそう書いてあった。
あたしが通路側、こいつが窓際だから上の荷物を取るには一旦あたしがどかなければならない
「ったく」
あたしは上の棚に入れられた薄い皮製ブリーフケースを天城一尉に渡した。
「おっ、サンキュ」
ブリーフケースから数枚の書類を取り出し、天城一尉は今までよりほんの少しだけ真剣な目つきで目を通す。
「・・・・・・・」
頭の中に以前見た光景がフラッシュバックする。
「今回はエヴァの極地での起動実験、早い話が寒い所でエヴァがどんな影響を受けるかの実験だな、完成して早々使徒が攻めてきて後回しにされてた実験を今さらしようってことか・・・・・・・・どした?」
「いや・・・・なんでもない」
あたしを救った2枚の書類、2人の人間

ひとりはこの天城一尉

そしてもうひとりは・・・・・・・・・

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