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ヨーロッパの日本人

毎日毎日ここのプロバイダーのGMOのTeacupは緊急メンテナンスといって修理するたびに悪くなる。一体どうしたことなのでしょうか。有能なITエンジニアがいないということだろう。

スウェーデン人は〝ヨーロッパの日本人〟

目黒川の畔にてより

東大の神野直彦教授が、この2月に皇太子殿下にご進講された際、殿下がスウェーデンの教科書「あなた自身の社会」に掲載されているドロシー・ロー・ノルト女史の「子どもの詩」に聞き入っておられたという話をご紹介されておられます。

文藝春秋の2005年5月号の「皇太子殿下と「子どもの詩」」という論評上です。

神野先生は、日本の社会は今、凶悪な犯罪、麻薬、自殺、いじめなどの社会的病理現象に苛まれているが、その原因はコミュニティの崩壊にあると断じ、それは他者を敵として憎悪する市場経済の競争原理を、人間の社会のあらゆる領域に対して、野放図に適用した結果だと指摘されています。

先生は、スウェーデンの教科書「あなた自身の社会」では「子どもの詩」を掲げ、子供達に人間の秤、愛情、思いやり、連帯感、相互理解の重要性を考えさせているのに対し、効率のよい勝者が効率の悪い敗者を駆逐するから社会が発展すると信じられている日本では、人間が協力し合うよりも、他者を蹴落し、競争で勝者になることの大切さを、子供達は教えられている、と嘆いておられます。

先生によると、しかし、日本の少し前の社会には「愛と優しさ」が溢れており、スウェーデン人は〝ヨーロッパの日本人〟と呼ばれているのだそうです。スウェーデンを訪れると、「愛と優しさ」に抱かれた懐かしい日本の社会に出会うことができるのだそうです。

「あなた自身の社会」は、実は私も数年前に神野先生に勧められて購入しましたが、子どもに社会の諸問題を自分の頭で考えさせる内容の感動的な読み物になっています。子どもに考えさせる材料を与え、決して教え込むということをしていません。自立性を重視するスウェーデンらしい教科書です。

過日、藤井威元スウェーデン大使の話を伺った概要を、このブログでも紹介申し上げましたが、スウェーデン人の社会認識に関しての藤井氏の認識と神野先生の思いは全く一致しています。

神野先生は論評で、数年前に亡くなった佐藤進先生のことに触れられておられます。私も佐藤先生のお葬式に参列し、その際に、弔辞を読み上げる神野先生が、佐藤先生の死を覚悟した置き手紙を残されたことに触れられ、「私の生命と希望、こころざしが若い友人によって受け継がれていくことを願う」という言葉を涙ながらに紹介されたことを思い出しましたが、私自身、その時に、その言葉を、自分自身への言霊として受け止めた記憶が改めて蘇りました。

佐藤先生は、地方消費税導入時の理論面の恩師でした。先生の著書である「附加価値税論」に書かれていることの若干の確認と諸外国の地方税で消費型附加価値税が存在しないものかどうかをお伺いに、目白の自宅に初対面にも拘わらず押しかけた若い時代を思い出します。地方消費税は平成6年度に制度化されていますが、地方自治の財政基盤を担う重要な税財源として、今や益々期待が高まっております。実はこれも佐藤進先生、神野直彦先生のお導きがあって出来た制度なのです。スウェーデンの思想は見えないところで地方税制の誕生にも繋がっているのです。

ドロシー・ロー・ノルト女史の「子どもの詩」

<子どもの詩>

批判ばかりされた 子どもは
非難することを おぼえる

殴られて大きくなった 子どもは
力にたよることを おぼえる

笑いものにされた 子どもは
ものを言わずにいることを おぼえる

皮肉にさらされた 子どもは
鈍い良心の もちぬしとなる

しかし、激励をうけた 子どもは
自信をおぼえる

寛容にであった 子どもは
忍耐を おぼえる

賞賛をうけた 子どもは
評価することを おぼえる

フェアプレーを経験した 子どもは
公正を おぼえる

友情を知る 子どもは
親切を おぼえる

安心を経験した 子どもは
信頼を おぼえる

可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世界中の愛情を 感じとることを おぼえる

(「あなた自身の社会-スウェーデンの中学教科書」=新評論刊)
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