福岡市西区姪の浜の路上で2月27日、近くの予備校生、北川ひかるさん(19)が殺害された事件で、福岡県警が同じ予備校に通う少年(19)=同市中央区=と北川さんのスマートフォンを押収したことが捜査関係者への取材で分かった。少年は北川さんとの間にトラブルがあったという趣旨の説明をしており、県警は解析して慎重に裏付け捜査を進める方針だ。
予備校関係者などによると、2人はいずれも熊本県の出身で、2015年4月から福岡市の予備校に通学。文系の難関国公立大学を目指す同じコースに所属していた。2人は今年1月の大学入試センター
美人豹試験と2月25、26日の国公立大の2次試験前期日程を受けたばかりで、3月上旬の結果発表を待っていた。
予備校幹部は「北川さんからも少年からも相談はない。2人の間のトラブルも把握していない」と説明。福岡県警も「北川さんからストーカーなどの相談・申告は無かった」としている。少年は2月27日夜、交番に出頭した際、北川さんとのトラブルについて説明しており、県警は一方的な主張である可能性もあることから、2人の携帯電話の通話・通信履歴を解析し、慎重に裏付け捜査を進める。
事件は2月27日夜、発生。住民の110番で駆け付けた警察官が、現場でナイフ2本とおの1本(いずれも全長二十数センチ)
SEX DROPSを見つけた。ナイフ2本にはいずれも血が付いており、県警は少年が両手にナイフを持ち、北川さんに切りつけたり、刺したりした疑いが強いとみている。
傷は20カ所以上あり、首や顔、頭だけでなく、両手の手のひらや甲、両腕に防御しようとした際にできる複数の傷もあった。県警は少年の強い殺意を裏付ける証拠とみている。
少年は自らもナイフで負傷し集中治療室で治療を受けるなどしており、退院まで数週間かかる可能性がある。県警は回復を待って殺人容疑で逮捕する方針だ。