空井戸

小石を投げ込んでみても水音は聞こえない

垂れ流される「自己責任」言説の鬱陶しさ

2004-04-16 08:52:46 | Weblog
イラクで人質になっていた3人が解放されて本当によかった。

しかし今朝の読売朝刊を読んでその喜びに汚物をかけられたような気分になった。

もともと読売新聞は、親ブッシュな現小泉政権の提灯持ち記事が多くてうんざりなのだが、今回の人質事件に対する報道、特に人質の家族に対するネガティブキャンペーンには悪臭紛々たるものを感じていた。

朝刊の人質解放に関連する見出しを書き抜いてみると、

喜ばしいが教訓も少なくない(社説)
問われる「自己責任」
無視された退避勧告
「危険」自ら招く
「自己責任、再度教えたい」
軽い行動 重い責任 (社会部長 楢崎憲二 署名記事)
「おわびさせたい」

はあはあそうでございますね。ごもっともごもっとも。
でも「自己責任」って言葉がこうも濫発されると、

「おめいら、ニホンコクミンを善導してくださっているセーフに逆らってコイズミさまやブッシュさまにご迷惑がかかるようなことをしでかしてみろ、ヒコクミンって呼んでムラハチブにしちまうぞ。わかったか。」

って脅されている気分になっちゃうね。
「そんなばかげた脅しに誰が従うか」って気骨ある人も日本には相当数いると思うんだけど、こんなときにはそういう人々は沈黙しがちなんだ。でも黙っていたらいつの間にかコワーイ大政翼賛会みたいなのができあがってたりしそうな気もするぞ。

そういえばインターネットの世界で「自己責任」って言葉が流行りはじめたころ、

「バカメ ジゴウジトクダ ザマミロ」

と同じ意味で「自己責任」って言葉を振り回し自分の欲求不満の捌け口にしてた坊やたちが大勢いたなあ。
ネット上で今この時に、人質事件に絡めて「自己責任」論を振りかざしている普通のひとたちって、やっぱり同じような「坊や」なんだろうか。

少なくとも今回解放された3人のほうが、彼らや彼らの家族を誹謗中傷してる「坊や」たちより「自己責任」って言葉をよく知っているのは確かなんじゃないかな。

最新の画像もっと見る