埼玉や山梨では迷走台風10号の大きな影響はなく、台風一過の晴天が望めると期待して大菩薩嶺にでかけた、東北や北海道で大暴れしていたとはつゆ知らず。
影響がほとんどないといっても大雨が降ったことは事実で、それが今回の山行の予定に影響した。
初めての山では明るいうちに一度登って下見をし、そして日の出の撮影のために早朝あるいは深夜に登るのが通常の行動、これ常識。
今回もそのつもりで出かけたのだったが、大雨の影響で裂石温泉から上日川峠への道が通行止め。解除が夕方の5時で、その日は泊まるのみ。
やや無謀と知りながら、ネット情報では危険な場所はないようなので、ぶっつけ本番で2時前に上日川峠を出発。福ちゃん荘を経て大菩薩峠までは幅の広い林道で、枯れ枝が少し落ちていたくらいで、荒れた様子もなかった。大菩薩峠から大菩薩嶺までの尾根にも荒れた場所はなく、地図さえ頭の中にあれば分かりやすく、歩きやすい道だった。
3時50分に山頂に着き、灌木で覆われて視界が不良であることを確認してから、東の空が見える場所を求めて下山。雷岩付近でも無理で、標高2000mの標識がある広場でなんとか。
月が昇り始めたばかりで、星もよく見えて、大風の影響で風は少し強かった。北西から南東に向かって下るこの稜線は、南側の視界が極めてよく、雷岩から介山荘までは富士山を眺めて、その姿を賞賛するための道。
このポイントも日の出の方向となると灌木越し。日の出の方角に比較的低い灌木をみつけてカメラをセット。待つことおよそ1時間。
昇るお日様をなんとかゲット。
でも、これだと大菩薩嶺でなくてもどこでも撮れる日の出。そんな不満はあるものの、それは富士山すら見えない山頂の状態に責任はあるのだと諦める。
下山する前にもう一度富士山を眺める。
朝日が差した山頂、白髪富士。
下山の途中の大菩薩峠で、自転車で登って来た若者に出会った。「山頂までは無理ですかね」、「無理でしょう」。