“おけいはん”の想い出

行楽シーズンの夕方、出町柳発淀屋橋行き京阪電車特急は、まさに“寿司詰め”状態やった
蒸せ返る車内は通勤ラッシュのサラリーマンに代わって観光客ばっかりよ

京都での打ち合わせの帰り、この『おけいはん』に乗っちょった
“人いきれ”で気分悪いねやぁと思いよった
ほいたら、隣に立っちょった年輩のご夫婦の奥さんが慌てだいた
ご主人の顔色がみるみる悪ぅなって、その場につくなり(しゃがみ)こんだ
すんぐに席を譲ってもらえたけんど、既に“真っ白”になっちゅう旦那さん

彼の年齢を尋ねて、列車の最後部を目指いた
ぎゅうぎゅう詰めの乗客の間を掻き分け掻き分け進む

歩きもって１１９番をコールした
「救急です京阪京橋駅管轄の消防局に転送してください」〔※１１０番も最寄りの指令室に架かりますらぁ〕
やっと車掌さんまで辿り着いて状況を伝えた
「ひっ非常停車しましょうか」
若い車掌さんがパニクってレバーに手を掛けたきに
「停めたらいかん京橋駅に無線で連絡して、救急隊をホームに誘導する様に指示して○両目の一番うしろのドアですきにっ」

電車を停めたら何万人もが影響受けるし、そっから救急車呼ぶよりゃ“お迎え”してもろた方がえいと判断したがよ

定刻通り駅に到着したらバッチリ救急隊が“出迎え”てくれたき、後を委ねてＪＲに乗り換えるに歩き出いたら背後から“おけいはん駅員さん”が
「あなた様のお名前を…」
「ぶっちですらぁ」
あはっ


今日初めて新しい“おけいはん”中之島線の列車に乗った
「たまぁ綺麗なが違う」
あんまり綺麗なき、写真撮りよったら、女の子が
「まるでガチャピンやね」と言うたき
「言い得て妙じゃあ」と応えたら、きょっと～んとされたちや

守口駅で乗り換えた新車は「今度ら、南海線関空特急ラピートみたいなよぉ」と、感心しもっても今日もジェネレーションギャップを感じたみぞぶちけんじ

とほほっ