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森友学園問題!!!

2017年03月24日 22時40分16秒 | 日記
集まってきた情報の中で、最初に官邸関係者の目を引いたのは、2015年の月刊誌「致知」(致知出版社)4月号に掲載された対談だった。籠池氏は、山口県防府市の松浦正人市長と教育について語り合う中で、以下のように述べていた。

 「安倍総理には当園に足を運んでいただいた事もあり…」

 安倍首相は、籠池氏が大阪市淀川区で運営する塚本幼稚園を訪問した事実はない。これ以外にも、籠池氏側は「愛知県の中学校への推薦枠」や「小学校の総建設費」「経歴」など、虚偽報告や間違いを重ねていた。

 どうして、籠池氏側はすぐ分かるウソをつくのか。

官邸関係者が「これは決定的だ」と確信したのは、TBS系「報道LIVE『あさチャン!サタデー』」が追及していた問題だ。

 塚本幼稚園のホームページには《昭和61(1986)年5月11日 昭和天皇陛下 御臨幸》とのタイトルで、「昭和天皇陛下には、全国植樹祭の途次、当園に御臨幸賜り、園児より紅白のカーネーションをお渡し致しました」との記述があった。

 ところが、同番組の取材に対し、宮内庁は「記録を確認しても、そのような日程はない。(昭和天皇は)塚本幼稚園には行かれていない」と答えたというのだ。

 官邸には「籠池氏は、安倍首相本人に対応させるような人物ではない」との認識が広がった。

 そこで寄付金問題については、菅義偉官房長官が16日午後の定例会見で、「首相に直接確認したところ、『自分では寄付していない。昭恵夫人、第三者を通じても寄付していない』ということだ」と発表させ、首相には対応させなかった。

 その後、籠池氏の証人喚問が決まると、安倍首相は「よかった。これで公明正大に証言を得られて、白黒がハッキリする」と語ったという。

 官邸関係者は、証人喚問に向けて自信を深めている。籠池氏側が寄付を受け取ったとする2015年9月5日の状況や、籠池氏側が公表した同月7日の郵便振替用紙についても、明らかな矛盾点を把握している。

 事実関係を精査するなかで、官邸関係者が「最大の疑問」とするのは、籠池氏の「動機」だ。

 籠池氏は10日の記者会見で「国会議員から口利きもしてもらっていないし、安倍(晋三)首相や昭恵夫人から何かしていたいただいたことはない」と断言した。だが、6日後に「寄付金をもらっていた」と豹変した。

 この背景について、自民党関係者に先週末、ある推論がもたらされた。

 「籠池氏は、周辺から『政府はあなたを刑事訴追する方針だ』と聞かされたようだ。逮捕を恐れて、野党を巻き込んで攪乱戦術に出たのではないか」

安倍首相と全面対決の構図を作り上げれば、倒閣優先の野党の支援を得ることができる。いざ逮捕されても、「公権力の濫用」を訴えて、世論を味方につけることができるという分析である。

 籠池氏は16日、野党4党の代表者を自宅に招き入れて、「安倍首相から100万円の献金を得た」と主張した。与党の代表者は入れなかった。籠池氏は保守を自称しながら、「日米安保条約廃棄」「米軍基地撤退」を綱領に掲げ、教育勅語への立場もまったく異なる共産党や、民進党の代表と並んだのだ。

 野党陣営には、自殺者まで出した「第2の偽メール事件」におびえる雰囲気もある。

 日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は18日付の紙面に「記事を取り消します」との訂正記事を掲載した。16日付1面に掲載した「籠池氏 “昨年10月、稲田氏と会った” 本紙に証言 “感謝状”贈呈式で」という記事について、籠池氏夫妻の同紙取材への証言と違って、感謝状贈呈式に参加していなかったことが分かったというのだ。

 籠池氏側の攪乱戦術に乗せられたのだとしても、証人喚問がセットされた事実は変えられない。

 もし、森友問題の核心とは程遠い寄付金問題に時間が割かれ、国民の不信感が拭えていない国有地売却などの問題にメスを入れられなければ、時間の無駄である。国会運営には一日数億円もの税金がかかる。通常国会は、野党が森友問題ばかり追及するため、重要法案の審議が進んでいない。

 北朝鮮情勢が極度に緊迫するなか、何が優先して議論されるべきなのか。国会の存在意義そのものが問われている。マッチポンプ(高視聴率だけを考えた)的なワイドショーネタを追い回すメディアの体質と野党に眼力のある政治家がいないことが最大の問題であることをあぶりだすことになりそうだ。

トランプ相場は終わったのか?

2017年03月23日 20時16分26秒 | 日記

 昨日(3月21日)のNYダウは、前日比237ドル安の20668ドル(終値、以下同じ)となり、それを受け本日(3月22日)の日経平均も414円安の19041円となりました。

 NYダウも日経平均も昨年11月のトランプ当選をきっかけに上昇していましたが、ここにきてトランプ大統領の掲げる新政策(とくに経済政策)に対して懐疑的な見方が出始めて、調整色を強めています。

 具体的には、いつまでたっても具体化しない「大規模減税」、米国第一主義の掛け声だけで一向に形の見えてこない通商問題、これも掛け声だけの銀行業界の規制緩和、早くも迷走している完全撤廃するはずだったオバマケアなど、よく考えると何も前に進んでいません。

 すでに棚上げ期限が切れている(これはオバマの怠慢ですが)債務上限引き上げに対しても、トランプ大統領は議会に国防関連予算を大幅増額するとした予算教書の「原案だけ」を提出している状態です。

 これは1月20日のトランプ大統領就任直後から補佐官などホワイトハウス事務局メンバーや各閣僚の指名・議会承認がドタバタした上に遅れに遅れ、ようやく目途がついたと思っても各省庁幹部の政治任用が進んでおらず、予算案などの議会折衝や各国との通商交渉を進める体制に「全く」なっていません。

 じゃあ少し我慢していたら解決するのか?というと、全くそんな気配もなく、ますます混迷してしまいそうです。ここにきてようやく米国株式もその辺を懸念し始めたようで、米国以外の(とくに日本の)株式市場にも影響がでています。

 さてそれでは米国だけでなく世界の株式市場は、このまま調整期間に入り、さらに状況によっては「もっと大きな調整」に見舞われてしまうのでしょうか?

 結論から言うと、そうは思いません。

 現在の世界の株式市場は「バブル初期」に入っていると考えます。

 それはリーマンショック以降の世界的な金融緩和・量的緩和により未曽有の緩和マネーが世界中に溢れ返っていますが、それが一向に経済活動に向かわず、したがっていつまでたっても世界経済が本格的に拡大せず、世界的なインフレと長短金利の低下傾向が続いているため、ますます世界の株式市場に資金が向かうことになるからです。

 (米国は一時的に上昇していますが)世界的に長短金利の低下傾向が続いているため、株式投資に対する相対的な投資収益見通しの改善が続き、逆に世界経済が一向に回復しないため長短金利が反転・上昇することもなく、結果的に株式市場への資金流入が続くことになります。

 逆に本当に世界経済が拡大するなら世界的な金利低下傾向も終わり、株式市場がバブルになることはありません。

 昨年11月のトランプ当選をきっかけに、米国だけでなく世界の株式市場が急上昇した理由は、トランプの経済政策で本当に世界経済が拡大すると考えたわけではなく(もしそうだったら世界的な金利上昇で株価上昇が止まります)、世界の株式が「バブル初期」に向かう1つのきっかけになったにすぎません。

 その1つのきっかけにすぎないトランプの各政策がモタモタしたところで、すでに「バブル初期」に向かい始めた世界の株市市場への流れは簡単に止まりません。

 もし米国株がもっと低迷すれば、トランプは「もっと景気のよい大風呂敷を広げる」はずで、2019年末までにあと8回も利上げすると息巻いているFRBも「利上げのスローダウン」となるはずです。

 かくして「始まったばかりの株式バブル」はまだまだ続くことになります。

 もちろんバブルは株式市場だけではなくエネルギーを含む商品市場、不動産市場などにも波及するはずですが、株式市場以外は経済状況も反映するため、(都心の中古マンションなど特殊なものを除けば)まだまだ「バブル以前」となります。

 繰り返しですが、「バブル初期に入ったばかりの株式市場」が本当に反転してしまうケースは、世界経済が本当に活発化するかインフレが加速して、世界的な金利低下が終焉してしまう時だけです。

 今回も短期間・小幅の調整で済むと考えます。

東芝のゆくすえ

2017年03月19日 10時40分02秒 | 日記


 東芝ですが、単なる解説ではなく「オール日本として東芝はどうすべきなのか?」を考えます。

 ここまでくると、「東芝は刑事事件化すべきか?」「上場は維持されるのか?」「半導体事業はどこが買うのか?」「経営陣の責任はどうする?」「今後のコンプライアンス体制はどうあるべきか?」などと評論している段階ではなく、オール日本としての利益をどう守るか?を真剣に考えるべき段階にきています。

 現時点における東芝のこれからは、半導体事業を分社化して(たぶん)海外企業あるいは海外ファンドに売却してしまい、米子会社ウェスティングハウス(以下、WH)は法的整理してもしなくても「ほとんどの損失」を押し付けられたあと、すっかり健全になって米国企業に「捨て値で」売却してしまうシナリオしか見えてきません。

 半導体事業については産業革新機構が出資するとも伝えられていますが、これはあくまでも半導体事業を取得する海外企業を資金的に「援助」するだけです。将来的にはいくばくかの売却益が得られるかもしれませんが、東芝にとっても日本にとっても虎の子の半導体事業の経営権を「丸ごと」海外企業に売り渡してしまうことになります。

 1999年の日産自動車も2016年のシャープや三菱自動車も、いくら資本が注入されても会社自体の経営権を「丸ごと」売り渡しているため、その資本はすべて経営権を取得した海外企業が自由に使えることになります。

 東芝は半導体事業を分社化して売却するため、少なくともその資金は東芝が使えます。つまり「いくらかは」学習効果が働いていることになりますが、その資金もすべてWHの損失処理に使われ、その健全になったWHの経営権は「捨て値」で米国企業に売却されるため、結局はあまり変わらないことになります。

 そもそも東芝が買収した時点のWHは、軍事部門など「高収益部門」は米軍産複合体に売却されており、買収後も高収益の工事は米国エンジニアリング会社に奪われていました。

 この軍産複合体、米国エンジニアリング会社、そして(たぶん)健全になったWHを「捨て値」で買収する米国企業とは、具体的にベクテル社のはずです。

 ベクテル社とは、インフラ関連施設(石油コンビナート、原子力を含む発電所、ダム、港湾、空港設備)の建設に圧倒的強みを持つ世界最大規模の総合建設会社(非上場)です。2013年9月13日付け「軍産複合体の正体」に書いてあります。

 さてここからが本題ですが、半導体事業を売却すれば1.5~2.0兆円が入ります。しかしWHは仮に法的整理しても親会社の東芝が債務保証している8000億円、米国政府が債務保証しているサザン電力の83億ドル(9500億円)、米国で建設中の4基が2020年に稼働できないと(できません)失う減税分5000億円、それに今回計上するはずの損失7000億円の合計約3兆円は、逃れられないように思われます。

 それに中国の4基(三門、海陽発電所の各2基)でも同じくらい覚悟しておく必要があります。つまり(さすがに最大に見積もってですが)合計6兆円となります。

 ということは半導体事業を海外企業に売却して、その資金でWHの海外原子力事業から撤退するという現時点のシナリオは「そもそも成り立たない」となります。ハミ出した損失は、結局オール日本で負担することになります。

 ここで絶対に必要なことはWHの法的整理あるいは東芝の損失負担あるいは売却などの交渉に、東芝の現経営陣を関与させないことです。ロクな結果にならないのでオール日本で「徹底的に強い態度で」臨むべきです。

 さらにWHの過去からの損失についてWHの現在・歴代経営陣、さらにそれに関わった東芝の現在・歴代経営陣の「不正」を日米捜査当局で協力して徹底的に洗い出し、東芝の(オール日本の)損失をできるだけ軽減することが絶対に必要です。

 ところで現時点で、WH経営陣が不当に圧力をかけたとして(これもよくわからない説明ですが)東芝の2016年10~12月期決算を承認していないPwCあらた監査法人は、プライスウォーターハウスクーパースのメンバーファームです。

 考え過ぎかもしれませんが、その監査だとWHが法的整理あるいは売却となったときに東芝の責任が過大になる可能性があります。つまりいい加減な新日本監査法人と交代したPwCあらた監査法人は厳格かもしれませんが、オール日本にとって将来的に不利な監査判断となる可能性も考えておかなければなりません。

 その辺が「どうにもならない」のであれば、WHではなく東芝そのものの法的整理を考えた方がよくなります。少なくともそれくらいの「ブラフ」をかけながら交渉に臨むべきです。繰り返しですがここからの損失はオール日本の損失となるからです。

 半導体事業の売却などは「その辺を見極めてから」ゆっくり取り掛かればいいわけです。「誰にでもできるような楽な交渉」は慌てずに後回しにすべきです。

カルロス・ゴーンが日産自動車CEOを退任する意味

2017年03月06日 23時02分27秒 | 日記
「ルノーに食い尽くされている」感のある日産自動車ですが、2月23日の午前8時に突然カルロス・ゴーン氏が社長とCEOを退任して代表取締役会長となり、西川廣人(さいかわひろと)氏が4月1日付けで代表取締役社長・単独CEOになるとの「そっけないIR」が出されました。

 西川氏は2016年11月に共同CEOとなっていましたが、IRから一週間たつものの記者会見も行われていません。

 そうはいってもゴーン氏は親会社・ルノーのCEOであり、引き続きグループを引っ張ることは変わりません。また日産自動車は2016年10月に2373億円を出資して三菱自動車の34%を取得し支配下に入れており、ゴーン氏はその三菱自動車の代表取締役会長も兼ねています(CEOは益子修氏)。

 ゴーン氏は「三菱自動車の再建などにもっと力を割かなければならない」さらに「今こそ西川氏にCEOを引き継ぐタイミングであると判断した」とだけ話しています。

 ゴーン氏といえば2013年8月にルノーでNo.2だったタバレスCOOを「自分の地位を狙っている」との奇怪な理由で解任しています。タバレス氏は直後にライバルのプジョー・シトロエングループ(PSA)CEOにスカウトされています。

 また日産自動車が2014年3月期に大幅減益となり円安で潤う日本の自動車会社で「一人負け」となったときも、名目No.2の志賀COOと実質No.2のドッジ副社長を閑職に追いやり、西川氏を含む3人にCOO職を分担させたものの、自らは何の責任も取らずに居座っていました。

 ゴーン氏は「権限はすべて抱え込み絶対に手放さないタイプ」のようで、これはレバノン系ブラジル人でありフランスでは決してエリート(特権階級)ではないゴーン氏の処世術であるはずです。そう考えると今回の退任は、実質的な権力構造は変わらないとは言え、やはり違和感があります。

 ゴーン氏にとって最優先課題とは、ルノーCEOとして実績を上げてフランス社会での評価を上げることであり、日産自動車や三菱自動車を「超一流」に仕上げてもほとんど意味がありません。

 そこで本誌がいつも書くように「日産自動車をせっせと食い尽くし、そのうち残骸だけにしてしまう」となるわけです。

 ルノーは1999年3月に日産自動車の第三者割当増資を14.64億株、2002年3月にワラント行使で5.4億株を、それぞれ1株=400円で引き受け、合わせて8016億円で日産自動車の44.4%を取得して支配下に入れました(現在の持ち株は43.4%)。

 ここでルノーが出資した8016億円は、その後の配当とワラント行使に合わせてルノーの15%を2470億円で取得させたため(議決権なし)、もうすっかり回収しています。さらに日産自動車は、本来はルノーが投資すべきタンジール工場(モロッコ)の建設費やアフトワズ(ロシア)への出資金の大半を負担し、ルノーに生産ラインや開発チームを提供し、国内資産を極限まで売却させられています。

 先ほどのゴーン氏の発言も「これからは三菱自動車を本格的に食い尽くすために力を割く」、日産自動車は「もうあらかた食いつくしてしまった」あるいは「これからは西川氏に任せておけば引き続き食い尽くしてくれる」という意味にとれます。西川氏はその忠誠心でゴーン氏に引き上げられたはずだからです。

 さて西川体制となる日産自動車の今後は、以前よりゴーン氏の経営陣に対するプレッシャーが少なくなるはずで、経営の緩みは避けられないはずです。

 それより最大の懸念は大統領選挙を控えたフランス政府の(ルノーを通じた)日産自動車への支配強化(子会社化)が再燃することです。前回(2015年)は日産自動車CEOも兼ねるゴーン氏が逆に抵抗した形となって、日産自動車が「日本の会社でなくなる」事態は回避されました。

 フランス次期大統領は、極右のルペンか、2015年に日産自動車への支配強化(子会社化)を主導した張本人であるマクロンの「どちらか」と考えます。

 つまりルペンかマクロン大統領、フランスでの評価を上げたいルノーのゴーンCEO、そのルノーとゴーンCEOに忠誠心を示す日産自動車の西川CEOの組み合わせでは、次に日産自動車への支配強化(子会社化)が出てくると今度は回避できないような気がします。

 そんな予感がする今回の日産自動車のゴーンCEO退任でした。

北朝鮮を取り巻く状況の激変を軽視してはいけない

2017年03月01日 16時57分43秒 | 日記

 2月13日の金正男・暗殺事件については日本でも連日テレビニュースやワイドショーで取り上げられていますが、どれも興味本位で他人事でしかなく「日本にも及ぶかもしれない深刻な事態」が指摘されることはほとんどありません。

 しかし北朝鮮あるいは金正恩を取り巻く状況が時間とともに激変しており、思わぬ事態となる可能性があります。そうなると距離的に近いだけでなく、北朝鮮の工作員がやすやすと潜入している日本のリスクも「日に日に」高まっていると認識しなければなりません。

 オバマ政権時代から金正恩に対する襲撃計画(斬首作戦と名付けられています)がありましたが、北朝鮮の後ろ盾である中国や「核開発で密接な関係のある」イランに対して弱腰のオバマ政権では実行されるはずがありませんでした。

 それがトランプ政権の発足で大きく変化しているはずです。

 いくら米国でも他国にいる元首や要人を勝手に襲撃できないだろう?と思われるかもしれませんが、ブッシュ政権時には大量破壊兵器の存在をでっちあげてイラクのフセイン元大統領を捕えて処刑し、オバマ政権時でもウサマ・ビンラディンを潜入先のパキスタンで襲撃して殺害しています。

 金正恩はすでに米国に向けてICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を繰り返し米国領と米国民を危険に晒しているとするだけで十分ですが、米軍の襲撃計画を察知した金正恩がさらに過激な行動をとればもっと好都合となります。

 今回の金正男暗殺だけでなく、ここのところ金正恩が側近を粛清(処刑)するペースが加速しており、本年1月中旬にはその粛清の実行部隊である国家保衛部のトップだった金元弘国家保衛相まで所在不明になっています(同じく所在不明だった最側近の崔竜海は数日前に人前に現れたようです)。

 これらは明らかにパニックとなった金正恩の常軌を逸した行動です。米軍や諜報機関の流す意識的なデマ(側近が裏切っているとか)にも混乱させられているはずです。

 折も折、本日(3月1日)から米韓合同軍事演習が始まります。すでに原子力空母・カールビンソンが参加すると公表されています。ちなみにこのカールビンソンはビンラディン襲撃時にもアラビア海で待機しており、襲撃の実行部隊は海軍特殊部隊(Navy SEALs)でした。

 また高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)が設置される前提での演習も行われるようです。THAAD設置には中国が猛反対していますが、当の韓国では朴大統領が職務停止中で機能不全となっているため、THAAD設置にも韓国内の米軍基地から金正恩襲撃部隊が飛び立っても抵抗できません。

 またこのままでは韓国の次期大統領には親北の文在寅となってしまうため、やはり米国も「このタイミング」で実行すべきと考えているはずです。

 ただ米国と中国も北朝鮮に関して「接触」しているようで、2月17日のG20(ボン)ではティラーソン国務長官と王毅外交部長(外相)が会談し、その翌日に中国が北朝鮮からの石炭輸入を打ち切っています。

 この石炭とは品質が最悪の褐炭で、中国以外の国が輸入できるシロモノではありません。中国はそんな褐炭を北朝鮮から11億8000万ドル(2016年実績)も輸入する「実質的な経済援助」を行っていましたが、それを(年内いっぱいですが)打ち切ったわけです。

 また中国外交トップの楊国務委員(副首相級で王毅外交部長より地位が上)が訪米中で、北朝鮮について協議しているようです。これも極めて異例のことです。

 またトランプ政権となってから初の米朝実務レベル会談が3月1~2日に予定されていましたが、米国政府が北朝鮮外務省・北米局長へのビザ発給を2月24日になって拒否したため中止されています。これも外交の世界では「開戦前夜」に相当する措置です。

 つまりどこを見ても金正恩包囲網が縮まっています。金正恩がさらなる過激な行動に走る可能性も、逆に北朝鮮でクーデターが起こる可能性もありますが、いずれにしても東アジアの軍事的緊張が一気に高まります。

 米軍による襲撃でもクーデターでも金正恩体制が倒れた瞬間に米国、中国、ロシアが一気になだれ込み戦闘状態となるはずです。また核兵器やミサイルがどさくさに紛れてどこかに「売り飛ばされる」恐れもあります。

 また日本でも多数潜伏している北朝鮮工作員が一気に破壊活動に走る可能性もあります。少なくとも日本でもリスクが高まっていることだけは認識しておかなければなりません。