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「恥じらい」「日本人」「モザイク」が人気のカギ
「BUKKAKE」は世界語に! ジャポルノは15年で世界を制した
(SAPIO 2009年11月25日号掲載) 2009年12月10日(木)配信
モザイク版と無修整版の2バージョンを撮影
「日本のエロ」が海外進出を果たしたのは野茂英雄がドジャースに移籍した1995年。初の日本人ポルノ女優「スージー鈴木」が登場したことがきっかけだとされている。それまでも欧米のポルノ界に〝日本人〟はいたが、多くが東南アジア系の女性で、無茶なものになると浴衣を着て「ゲイシャ」だと言い張っている黒人女性などもいた。本物の日本人である「スージー鈴木」は白人女性に比べて小柄な体格、きめ細かな肌、そして黒いロングヘアが美しいということで欧米男性から支持された。
時を同じくして日本のAVメーカーの海外進出も始まる。アメリカに現地法人を置き、アメリカの法律にのっとってモザイク無しの「無修整版」を販売。日本資本の日本人による北米向けハードコアポルノ、俗に言う「ジャポルノ」の誕生だ。
ジャポルノのなかには実際に現地に日本人スタッフと日本人女優を呼び撮影をするという本格的なものもあるが、ほとんどは日本国内で撮影されたものを編集し直して「無修整版」としてアメリカのサーバーを用いたオンラインショップで販売する形態だ。
「日本国内で人気のAV女優の作品が北米向けの無修整版となった『アジアンビューティ』『スカイエンジェル』というレーベルは海外市場でも高い評価を受けており、ロングセラー。AV女優が所属する事務所のなかには無修整は絶対にやらせないという方針のところもあるが、最近は多くの事務所が国内版と北米版の2バージョンをつくることを了承している。そのため売れっ子女優は撮影中、無修整なのかモザイクなのか知らないなんてこともよくある」(前出・AVメーカー社員)
事実、インドネシアでは「危険人物」とされた小澤マリアの「無修整版」はインターネットで世界のどこからでも鑑賞できる。そのサイトのサーバーはアメリカにあるため、日本国内の猥褻物陳列罪には抵触しない。つまり、海外ポルノという位置づけなのだ。
しかし、日本のAVが世界を席巻している背景は、このような正規のルートだけではない。女優やメーカーの著作権を侵害した海賊版、いわゆる昔ながらの「裏ビデオ」というものも健在で、アジア圏のAV人気に一役買っている。
「日本の暴力団がもちこんだ無修整映像をDVDにプレスしているのは台湾。中国本土や東南アジア、さらにはイスラム圏まで闇ルートで流通させる中継基地になっている可能性が高い」(捜査関係者)
たしかに台湾は日本国内のアダルトDVDの8割にあたる「年間3000万枚以上」(台湾通信5月29日)がプレスされる「世界のDVD工場」である一方で、夜市に行けば当たり前のように日本の「裏DVD」が売られている