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不破哲三・渡辺治 両氏の対談集 「現代史とスターリン」を読んで

2018-01-12 02:36:04 | 日記
 私は1961年生まれ、1987年から町議を務め、1991年の2期目再選されたその年の12月にソビエト連邦の解体の出来事にあった。その翌日だったと思うが、新聞「赤旗」にはソ連崩壊「歴史的巨悪の解体をもろ手を挙げて歓迎する」とした日本共産党の見解が掲載され、目を丸くして読んだ記憶があり、それまで学習していたソ連の覇権主義や大国主義にたいする日本共産党中央委員会のソ連からの干渉をはねのけた体験にもとづき、その相手方が崩れたことにたいする歓喜の深さを知った。

 この対談集は、不破鉄三著「スターリン秘史 巨悪の成立と展開」が問いかけたもの(全6巻)」を踏まえて、渡辺治氏が、1930年代以
 この対談集は私の思惑に十分こたえていただける内容で、年末から朝ガクで読み始め、4つの時期にわけた歯切れのいい展開が、1週間たらずで読み終えることにつながった。
 不破氏のこの6冊の文献について、「私自身もスターリンとその時代の歴史の見方が、この「秘史」を書くことでだいぶ変わりました。いままでロシアをふくめスターリン論はたくさんでていますが、全部内向き・・・ソ連内部の問題が中心なのですね」といいます。不破氏はこれまで1980年代初頭に「スターリンと大国主義」を書き、スターリンの大国主義とスターリン亡き後のソ連などの大国主義を検討し、批判してきましたが、今回のこの6冊は、問題意識はそのままで、体面を一新し、スターリンを通じて現代史の見直しを図ろうというものです。

 そのことを可能にしたのが、不破氏が「デミィトロフ日記」の存在を知り、読んで、これまでの現代史の理解をひっくり返す新事実の連続にであったことです。デミィトロフは、1935年にモスクワでコミンテルン書記長をつとめ、1934年から1948年までの約15年間、スターリンの近くにいて、自分が聞いたスターリンの発言を忠実に「日記」に書いていました。スターリンは完全な独裁者だったので、側近にも自分の考えや方針の全体像は知らせていなかったので、記録は少ないということなので、スターリンの言動を直接記録したものは他に例がないのです。
 不破氏は、その「日記」をタテ糸に、その他のソ連内外の資料をヨコにこの6冊の連載を書いたといっています。降を4つの時期に区分し、問題提起を行い、不破氏と討論する形式で書かれている。私は、昨年末、2018年の読書課題としてまだ読んでいないこの6冊の文献にとりかかろうか、いや、6冊分の内容を簡潔に知るのに、この1冊で間に合わないか、みてみるために、この対談集を読んみるこのにしたのです。

私は、「秘史」の全6巻を読むことに挑戦しようか、どうか決めるために、この対談集を手にとりましたが、渡辺氏が「言葉は不適切かも知れませんが、めっぽう面白く」というように、全6冊読んでみようかなという気になります。せっかく月刊誌「前衛」を購読しておきながら、毎月連載していたときに読んでいればよかったとも思っています。

 この対談集では、渡辺氏が「秘史」全6巻で、スターリン個人を通して、現代史にどんな見直しを迫ったのか、簡潔に述べられています。スターリンの「粛清」は、ソ連の内部問題でも明らかにされていますが、この「大粛清(テロル)」は、スターリンが自分の政策を一切の反対抜きに実現できる個人専制独裁体制の確立のための計画的犯行として、百万単位で殺害したことを明らかにしているとしてることは衝撃的です。
 また領土拡張という覇権主義に執着し、東ヨーロッパ、バルカン半島の勢力圏化をめざし、対日参戦をテコに中国東北部まで広げようと腐心して、戦後処理の手続きとして領土不拡張を決めた「カイロ宣言」に背き、「ヤルタ協定」の密約を結んで、日本の北方領土を奪ったことなど、反ファシズム勢力として第二次世界大戦をたたかいながらも、領土拡張の覇権主義をつらぬき通しているということです。

 そして、スターリンの覇権主義・大国主義は、スターリンの死後のソ連でも受け継がれただけでなく、「社会主義」を名乗る国々で繰り返されたことを考えるえでも「秘史」全6巻は多くのことを示唆しているといいます。

 すぐ結論を知りたい、簡潔に物事を理解したい、という私を変え、じっくりと現在史の闇を暴いたこの「秘史」全6巻の読了を今年1年の課題とするのも悪くないなあと思っています。さて、どんな読了計画を立てるかな。 
 
 
 

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