電子書籍作家 夢野美鈴のブログ

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「腐蝕の連鎖 ~薬害と原発にひそむ人脈~」を読んで

2011年10月31日 15時37分24秒 | 日記

「腐蝕の連鎖 ~薬害と原発にひそむ人脈~」
広瀬隆:著 集英社:刊


原発事故以前にこれほど未来を予測した本が出版されていたとは驚きました。
これは今の時代には全国民必読の書でしょう。
自分達がなぜ被曝という酷い目に遭うのか、この現実を作った犯人達の実名が掲載されているからです。

この本では、原発人脈と薬害人脈が重なっていることを解き明かし、その大元がA級戦犯の関東軍七三一部隊の人脈だったことまで遡っています。
さらにその人脈が、住専処理や公安警察、右翼、法曹界にも繋がっていることを明らかにしています。
七三一部隊は、アメリカに人体実験の研究成果を引き渡す代わりに免罪符を得る取引をしており、この時に逃れたA級戦犯が、今も何の反省もなく日本の権力の中枢部を握っているため、数々の社会問題を起こし、その責任をカネとコネの力で踏み倒し続けていることが分かります。
つまり、戦争犯罪者が現在も日本の実権を握り、国民の上に君臨し、税金を我が物として浪費し、何ら過去の反省をすることなく、アジアにしたのと同じ犯罪行為を国民に対しても繰り返しているのが、現在進行形の事実なのです。
原爆被害、公害、薬害、伝染病、原発事故がずっと同じ人間集団によって引き起こされ、彼らは国家という隠れ蓑に隠れて何の責任も取らず、厚かましくも相変わらず重要な役職に就任し、日本社会を操作し続けているのです。
彼らはオウム真理教など比較にならないくらいタチの悪い、危険な犯罪集団と言えます(その実名と系図が巻末に付いてます)。
原発を推進している中心勢力がこのような人脈であることが分かると、日本人の遺伝子に将来深刻なダメージを及ぼすことが明白であっても、アメリカの言いなりになって平気で日本国民を長期被曝のモルモットにすることは容易に理解できるし、そのために安全基準を甘くして草の根レベルで国民に安全デマをばら撒く理由もよく分かります。
もっと恐ろしいことは、薬害エイズ問題で見せた人命軽視の姿勢と日本中の医師会を束ねる人脈があれば、今後も放射能が原因で増えるであろう様々な病気に対し、それらの症例を隠蔽して別の原因に摩り替えるだろう程度のことは、当然ながら火を見るより明らかなのです。
私達には恐ろしい未来が待ち受けており、国民と国家(マスコミ含む)の戦いは、極めて長く熾烈で苦しい戦いになるでしょう。

また逆に原発事故があったことにより、それまで社会に対して警鐘を鳴らしていた人が一気に脚光を浴びる時代になったとも言えます。
著者の広瀬隆さんは、原発問題以前にも「私物国家」という大作を書いていることで有名です。
今ではすっかり有名になった武田邦彦教授も、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」という有名な著書が過去にあります。
何も原発や放射能が問題になってから現れたのではなく、それ以前から必死に世の中を良くしようと頑張って来た人達だったのです。

私達は、原発事故のような惨事が起こってから、政府を責めたり世の中のシステムを考え直すのではなく、願わくば痛い目に遭う前に、自分の周囲にいる痛い目に遭った人達を見て学ぶべきでした
原発事故が起こる前に、薬害エイズ問題や水俣病等を通じて、欧米式の社会システムのインチキや、国民を洗脳している権威を見出すことは可能でした。

著者は一方で、この国に科学が根付いていないことを嘆いてもいます。
私達が普段科学と思い込まされているものは、科学の仮面を被ったエセ科学であり、肩書きで科学的事実を簡単に捻じ曲げる様は、魔女狩り時代の宗教と何も変わりません。
それは、私達が病院に行っても医者は役立たず、治すのは結局自分自身であることや、地震・津波にも十二分に耐えうると豪語した絶対安全な原発が、津波がなくても呆気なく故障する事実だけ見ても、日本人の語る「科学」が信用の置けないものであることは既に証明されています。
この本を読むと、本当に日本人の知能は欧米人に比べ、未開の原始人レベルしかないのではないかと真剣に疑いたくなります。
未だに「放射能の影響はない」「原子力発電は続けるべきだ」とmixiや2ちゃんねるやツイッターでせっせと安全神話を広める、ニュースでお馴染みのやらせ工作員が元気に活躍していますが、この人達のインテリジェンスはどうなっているのかと、私は彼らの頭をこじ開けて調べてみたくなります。
せめて広瀬隆の著作の一つでも読んでから発言して貰いたいものです。
いずれにしても、これだけ草の根レベルの流言工作ができる人員動員力があるのですから、原発推進派は不正選挙もたやすく行なえる力を備えていることの何よりの証左でしょう。
消費税10%を提唱してもマスコミから批判されなかった菅総理が、浜岡原発を停止すると途端にマスコミから総攻撃を食らうのがよく分かります。

ちなみにこの本が出版されたのは、1999年の東海村の大事故が起こる3年前、高速増殖炉もんじゅの事故の後です。
原発事故はこれまでに何回も起こっており、95年のもんじゅの事故でさえ、私達は神風的な奇跡の力によって救われており、本来であれば95年の時点で日本人は全員死んでいたのだ、今日本人が存在しているのは奇跡なのだと思い知らされました。
私達国民は、国民の命の安全を守って貰うために官僚に高給を払っていますが、その官僚は危険を隠蔽するためにいる人員では、存在理由も存在価値もない穀潰しです。
その認識が官僚にはないようですが。
彼らは調子に乗り過ぎました。
この国は国民主権ですから、国民の手で国家そのものをクビにすべき時代が来ているのかも知れませんね。

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