個人的な書留

日記じゃなくてチラシの裏になりました。

無題

2010年06月16日 00時23分06秒 | Weblog
夢の国の入り口を見つけた。
色んな希望や空想が、その世界にはある。
期待に胸を膨らませその世界に飛び込むと、そこにあるのは


ただの現実だった。

無題

2010年06月09日 01時29分58秒 | Weblog
嘘という言葉が好きだと彼は言う。

嘘という言葉が好きだと私は言う。

彼は嘘を吐く。嘘が好きだと嘘を吐く。きっと、それは間違いなく本当のこと。
優しい、悲しい、とりどりの嘘。

私は嘘を吐く。嘘が好きだと嘘を吐く。でも、それは紛れもない本当のこと。
言葉遊びのちぐはぐ。

知らない。知らない。知らない。知らない。


う そ つ き 。

知らないの?本当に?嘘。

騙してごらん、もっと騙して。本当のことは聞きたくないよ。
本当の嘘。揺ぎ無い真実なんてなくて。コインの裏表が廻る廻る。世界が廻る。

それがあなたのせかい。

眠。。。

2009年11月12日 00時26分35秒 | Weblog
賑やかな声に楽しげな笑い声。勢い良く視界を過ぎ去る絶叫マシンに、ゆっくりと回る観覧車。麻美たっての希望で僕たちは近隣のレジャー施設に足を運んだ。
いつも傍にいる白(はく)は僕の薄着を気にしているようだけど、いつものカーディガンでも十分な程、今日の天気は良かった。僕には少し眩しい位だ。

遡ること、僕がいつものように所長室の椅子でくるくるとペンを回していると、学校から帰ってきた麻美が一冊の雑誌を片手に入ってきた。そしておもむろにそれを差し出すと赤いペンで囲まれている部分を指差した。しきりに色々な説明をしていたが良く覚えていない。ただそこに行きたいのはわかったので、次の日曜日に一日事務所を休みにすることに決める。

「今日は一日遊ぶぞぉ!」
そういう麻美は拳を高く突き上げると乗り物の列に一目散に駆け出していく。麻美に習い、僕も白と一緒にその列に加わる。その列がどんな乗り物かだなんてその時は全然考えていなかった。

乗り物から降りた僕は死人のようにベンチにうなだれていた。並んでいる時、しきりに白が何か言っていたようだけど、僕はたいしたことじゃないだろうと右から左に受け流していたのだが、思えばあれは警告だったのかもしれない。高速ジェットコースターに揺られた脳内は覚醒を通り越して麻痺寸前までになっていた。

白は涼しい顔をしているし、麻美に至っては次の乗り物に並び始めている始末だ。僕はぞんざいに白を追いやるとひとりベンチでぐらぐらと揺れた内臓と脳みそを落ち着かせる。遠くに見える景色、造形物、そして空、ぼんやりと眺めていると段々と僕の右目が疲れてくるのを感じた。

作り物を目に入れるのは異物を飲み込むような感覚、そんな錯覚をまぶたの裏で何度も繰り返しては頭を抱える。なんて馬鹿らしいんだ。そっと髪に隠れた左目をなぞる。そこにあるのは容れ物だけで身体の中に冷たいものが落ちる感覚。少し寒く感じた僕は身体を縮込ませるように自身を抱きしめた。


続くのかわかんない。。。

無題

2009年08月04日 00時44分03秒 | Weblog
どんな美しい言葉が溢れても、現実は非情である。

本当に?どっちなのかな?それともここにはないの?

ほら、そっと僕と君を置くと、見えてくるよ。

無題

2009年08月03日 02時18分51秒 | Weblog
それらしいものを積み上げて、それらしいものを生み出していく。足元から見上げても、どれくらいかわからないね。いびつなのかもわからないなんて。

チラ裏

2009年07月29日 01時52分50秒 | Weblog
「先生の話」

暗幕が引かれた部屋は、昼間だというのに薄暗い。デスクの上の蛍光灯と隙間から入る日の光だけが光源だ。
手元の書類を近くの棚に置き、三角フラスコに水を注ぐ。三脚台を用意してそれに乗せ、アルコールランプの火を点けた。
「コーヒー」
がらりと音がしたかと思うと、白衣の先生は気だるげにそう言った。
この部屋は先生の実験室なのだが、ここに住み着いてるかのように私物が多い。サッカーボールからギターまでなんでもある。揃えられた実験器具も、もはや私生活を支える道具になってしまっている。

あたり一面にコーヒーの香りが漂う。流石に食器はちゃんとしたものだ。
コーヒーをひとくち口に含みながら、ぺらぺらとレポート用紙を捲る。しばらくして読み終えた先生は言った。
「キミは情に重きを置いて物事を捉えているんだね」
軽く目頭を押さえ、険しい顔をして先生は続ける。
「これは情に対する考えをまとめたレポートだ。今回の課題とはまた別物に見えるよ」
重い沈黙が数秒続いた後、ただ、と更に続けた。
「僕はこれを理解できるし、認めることも出来る。ただ、共感は出来ない。」
そういって笑いながらレポートに合格印を押した。

「有難う御座います」
僕は深々と頭を下げ、合格印のついたレポートを受け取った。
「僕は理系の先生なのに、こんなレポートを読むとは思わなかったよ」
「先生は理解できるし、認めることも出来るって仰いましたが」
僕はモカ色の液体を冷まして口に運ぶとほろ苦さが脳神経に伝わる。
「そりゃあまかりなりにも人間だから。ただ、共感は出来ないよ。情というものは曖昧すぎるからね。もう一度言うけど僕は理系の先生だよ」
空になったマグカップを机に置いてつぶやいた。
「人間は誰かと同じになれないからさ。共感なんて出来ないんだ」
「それは悲しいことなのでしょうか」
僕のの言葉に笑いながら、また情で考えてるねと言う。
「さて、僕は子供たちとサッカーしてくる」
そういうと取り出したサッカーボールを片手に、グラウンドに駆けていく。

先生は、曖昧な情を持つ僕を、証明した。

チラ裏

2009年07月25日 01時29分45秒 | Weblog
「子供の話」

世界は不思議に満ちている。
私たちはあるひとつのものを色々な角度から見ているんだ。

「そういうものかな?」
ブラックがミルクによってモカに変わっていく様を見つめながら僕は気のない返事をした。
「そうだよー。少なくとも私はそうだよ。」
手元にある自分のコーヒーに角砂糖をポトンと落とすとゆっくりとかき混ぜた。
「この角砂糖だってそうだよね。溶けちゃうんだよ。不思議じゃない?」
「別に不思議じゃない」
「これが金平糖でさー。キラキラ輝く星の欠片だったらどう?」

綺麗に輝く星たちが、甘い思いを少しだけ欠片に閉じ込めて、私たちにくれたの。それはとっても甘くて溶けてしまうの。その優しい思いが身体中に広がって、私を満たしてくれるのよ。

「とかどうかしら。」
「そうかもしれないな。」
「そうじゃないかもしれないわ。」
気だるげな言葉に笑いを含む言葉が続く。
僕と彼女の見ている世界は同じなのか。それとも違うのか。
もしかして逆なのだろうか?

「そう、世界は不思議で満ちていて、とても楽しいね。」
それを聞いて、僕は笑った。

そう

2009年07月22日 02時06分30秒 | Weblog
歌うことは自分の内側を吐き出していく感覚だ。声がかれるまで、崩れた言葉で狂ったようにどんどんと吐き出していくんだ。疲れ果てて届かなくなっても歌い続けるんだ!駆け抜けて駆け抜けて、そうやって証明して、空気に溶けて、消えて無くなっちゃうんだ。そんな瞬き

チラ裏

2009年07月21日 19時35分38秒 | Weblog
「師弟の話」

いつか師匠と話したことがある。

「君の才能は惜しいよ。何故もっと頑張らない?きっといいものが創れる。」
そういうけれど師匠、と僕は眉根を寄せて
「僕には何かを生み出す力はありません。」
自分の造形物を見るたびに常々感じていた事だった。
「師匠はあるものからひとつの形を作り上げることが出来ます。でも、僕にはそれが出来ません。」
蝋燭の火がゆらゆらと揺れ、師匠の影が歪む。
「何故君にはそれが出来ない?」
「その世界を自由にすることが出来ないからです。僕には捉えることしか出来ません。」
僕はそっと薄汚れた木製の机の縁をなぞる
「いいや、それすら怪しいです。捉えることすら覚束無いから、対象に新しい世界を見出せないのでしょう」
うつむく僕は手に持った筆を置いて師匠に頭を下げた。
師匠は立ち上がり僕を正面から見てこう言った。
「君は、世界をぼやけて見ているのか、それとも美しい世界が見えているのか」
僕は、どっちなのか、分からなかった。


「少女の話」

のどかな田舎町に、白い大きな建物が建った。二階建ての病院だ。大きな街の病院に比べたら小さなものだが、町の人々はこれを大いに喜んだ。
いつも閑散としている待合室に、受付も欠伸が絶えないほど。医者は暇なほど良いと言って笑ったが、町長は複雑な面持ちだったという。そんな病院の二階の一室に、大病を患って療養している少女がいた。いいところのお嬢様で、この病院を建てたのもこの娘のためだと言う。窓から見る眺めが、少女の世界だった。時折来る看護婦さんと、月に一度見舞いに来る両親以外誰とも会わず、父が持ってきてくれる本と、窓の外を眺めるのが、彼女の日課だった。
少女は空を見ていた。雲を見ていた。飛んでる鳥も見ていたし、無邪気に笑う子供たちも見ていた。通りすがりの貴婦人や、配達に来る郵便屋さんも見ていた。
春は花咲く一面に、綺麗な花畑が見えた。
夏は緑生い茂り、高い雲と広がる青が鮮明に、
秋は夕暮れ赤日が差して、沈む夕日を惜しんだり、
冬は黒の帳に灰色と白が溶け合って、
そしてまた春に戻る。
そんな世界を瑠璃色の瞳は捉えていたのだった。


「少年の風景」

快晴の中進んでいく汽車を横目に、僕はゆっくりと進む馬車の荷台で羽を伸ばしていた。画材の詰まった木製の鞄ひとつ持って、隣町のそのまた隣町に行くことにした。特に目指すところはなかったけれど、それでいいと思って目深に被った帽子を被りなおした。緩やかに流れていく風景は何処までも一緒に見えて、退屈だ。空は青、雲は白、鳥は何色だったろうか?そんなことを考えているうちにだんだんと世界が遠くなって、気がついたら隣町の隣町に着いていた。
荷台に乗せてくれたおじさんに礼を言うと、僕は知らない町並みに心をときめかせた。そのときめきもすぐに何処かへいってしまい、降りしきる太陽に焼かれそうな身体を隠すために、木陰に転がり込んだ。その日は夏が戻ってきたような暑さだった。


続く。。。

無題

2009年07月04日 23時58分46秒 | Weblog
感情が乏しいって。酷いね