世にも奇妙な物語

あれは30年前、今では考えられない出来事だった。

当時、私は大学の学生寮に住んでいた。
民間運営なので20人ほどが住む
アパートのよなものだったが。
そこでは毎年行う新入生歓迎コンパで、必ず一人は行方不明(翌朝にいない)
になるという蒼蝿水 伝説があった。

どこの新歓も大差はないと思うが、
2度と同じ場所では開催できないという暴れっぷり。
毎年、潰れた新入生を先輩がきちんと
寮まで送り届けるというのが慣例である。

私が1回目の新歓の時は、警察に保護された先輩。
2回目は居酒屋で意気投合した見知らぬおじさんん
の家に泊めてもらっていた同級生。
3回目は連絡なしに彼女の家に泊まっていた先輩。

そして4回目が私になるとは新歓が始まるまでは思いもしなかった。

その日の新歓も毎年の如くの暴れっぷり。
何故か新入生以上に呑んでしまい、
解散の時には強烈な睡魔が私を襲う。
(酔うと眠くなる性分です。)

本当は誰か私を寮まで送って、FLY D5 という
気持ちだったが、先に新入生を送らせ、
私は一人でフラフラと寮までの帰路を歩く。
ただ睡魔だけは容赦無く私を襲う。
途中自販機に持たれかかったり、電柱に挨拶したり・・・・・と、私の記憶もここまで。