ＲＪ

ＲＪ＝ROBERT JOHNSON…一年ほど前、ふとしたことからブルースの世界に足を踏み入れて…やがてKONさんからクラプトンを教わり…さらに深みへハマるのに、そう時間は掛かりませんでした…そしてとうとう…と言うか、ついに…ＲＪへ辿り着いてしまいました


19世紀の終わり頃、白人からの差別とそこから生じた貧困…アフリカン・アメリカンたちが受けた、数々の精神的な屈辱の中から生まれてきた音楽…ブルース…

…生い立ちからして影を持つこの音楽は、いつしか多くの人々の共感を得て色々なジャンルの音楽に影響を与えてきました…現代の音楽に、ブルースの影響を受けていない音楽は無い…とまで言われています

その、ブルースの流れの中に…1920～30年代、アメリカ南部ミシシッピーで興った「デルタ・ブルース」があります…チャーリー・パットン、サン・ハウス、トミー・ジョンソン…といったブルースマンたちの中に、それまでとは違う輝きを持った人物が登場しました…それが、ロバート・ジョンソンです

ＲＪは、1911年５月８日…ミシシッピ州の農村に生まれ、1938年８月16日、27歳でその短い生涯を閉じるまでに29曲の楽曲とそれらの12曲の別テイク…あと、たった２枚の写真を残しました。

ＲＪは、短命の天才の例に漏れず、数々の逸話を残しています…「悪魔との取引で天才的なギターテクニックを手に入れた」とか「その契約で悪魔が迎えに来た」とか…


…かのクラプトンにも、ＲＪは大きな影響を与えています…ロック・ギタリストとして認識されているクラプトンですが、その根底にはブルースが流れていて…ジツは彼をここまで突き動かしてきたのはＲＪだったのです…クラプトン自身、自分を「ブルース求道者」と位置づけています。

そしてクラプトンは２枚のトリビュート・アルバムを発表しました…

「ME & MR.JOHNSON」


「SESSIONS FOR ROBERT J」


…どちらも、素晴らしい内容となっています

特に「SESSIONS FOR ROBERT J」に付属しているＤＶＤが秀逸です

…クラプトンが、自身とＲＪのことを語るインタビュー…


…を挟んで、数々のセッションが収録されています

冒頭、ポルシェで颯爽と現れるクラプトン…

…８だったらもっとカッコイイかも…


セッションはバンド・スタイル…



～アコースティック・デュオ…なんと、ＲＪがレコーディングした「その場所」での収録です



…かつてＲＪがいた「その場所」に来て…

…ゴキゲンのクラプトン…

…そしてセッション…




～最後はソロ…と、徐々に人数を減らして、ＲＪのスタイルに近付いていくという凝った演出がされています

ＲＪの写真をバックに…

…クラプトンが熱唱するソロ・シーン…

…窓辺から…それを見つめるＲＪ…



・・・ってなワケで、どうしてもＲＪを聞いてみたくなった私が買ってきたのが、の「ＲＪ COMPLETE RECORDINGS」…ＲＪの全てのセッション＝29曲＋12曲の別テイクが収録されています

1936～37年に録音されたものなので、モノラルでノイズもありますが…そんなことはどうでも良くなってしまうくらい、聞かせてくれます…クラプトンが生涯を捧げるのも解るような気さえしました

興味を持たれた方、是非聞いてみてくださいネ～…