いまさらですが…

のち…
去年はギターに興味のある方なら誰でも知ってる、フェンダー・ストラトキャスターの生誕(？)50周年だったのです。…つまり、ストラトの生産開始が1954年だったのですよ。

…ってことで、フェンダー社は何種類かの50周年記念モデルを出したのですが、その内の白眉がフェンダー社マスタービルダー(熟練工)たちによる54年モデルのレプリカ…パーツの一つ一つまで完璧に再現された素晴らしいものでした…しかも大量生産品ではなく、一本一本が材料から厳選され、マスタービルダーによる手造りの品。ヘッドの裏に造った人のサインが入っています…これはもう「作品」と言って良いと思います。

実はギターからはしばらく離れていたのですが、去年の暮れに何気なく立ち寄った楽器店で偶然これらのギターの存在を知ってしまいました。…見た瞬間、目が釘付けになりました…お店の人に頼んで試奏すると…構えただけでタダ者ではないのですが、６弦を１本弾いただけでそのサウンドに参ってしまいました…素晴らしい…値段は可愛くなかったですが…実売で約70万円……このプロジェクトに関わったマスタービルダーは10人。そしてこの日試奏したのは３本。それぞれ造り手が違いました…パッと見は似ているのですが、やはりそれぞれネックを握った感じやサウンドに個性があって、この辺りも「作品」という感じがしました。

…ただ、一つ気に入らない点がありました。それは「クローゼット・クラッシック」と呼ばれる仕上げ。「50年間クローゼットに仕舞われていた」というコンセプトで、確かに傷一つ無いのですがボディの塗装に細かいクラック(ヒビ)が入っているんですねぇ～…これは我々の世界で嫌うところの「時代付け」…新しいものをいかにも古そうに見せる…何か、やり過ぎな気がしました。

…ところが、正月休み明けの昼休みにフト思い立って会社の近くの楽器店に行ってみると…出会ってしまったんです…アレに…フェンダー社を代表するシニア・マスタービルダー「ジョン・イングリッシュ」氏製作の54年モデル…例の50周年モデルと同じスペックなのですが、仕上げが「クローゼット・クラッシック」ではなく「New Old Stock」という「タイムマシンで54年の工場から現代に持ってきた」という仕上げ…簡単に言えば「新品同様」かな？…写真のギターがコレです。…構えた感じもサウンドも完璧です。弾き心地は、あたかも長いこと弾いてきたようにシックリきました。とにかく、構えた瞬間身体に電気が走りました…こんなの、「かな」に初めて会ったとき以来かなぁ…

…で、どうしたか？…後先考えずに即決で買ってしまったのですよ……っていうか、気が付いたら「コレください！」って言ってました…それからバタバタと銀行で定期を解約して夕方引取りに行ったのでした…「かな」には内緒で…気が付いているようですが…ね

…ちょっと自慢みたいになってしまいましたかね……まぁ、お許しください…コレは私にとってまさに一生もの。あの時思い切って良かったと思います。…逆に、買い逃していたら…悔しい思いをして、同じようなギターを探し回ってるかもしれませんね…同じものは二つと無いんですけどね…良かった～

ここのところ、KONさんにCDを頂戴したりしてブルースにドップリとハマっています…子どもが寝たあとで、バーボンなんぞヤリながらコイツを抱いてお気に入りのフレーズを弾く…時間を忘れます…お金にはかえられない贅沢なひとときがそこにあるのでした…