レトロな空間、マンダラな?テクスト/方法論懇話会ver.2.0へ向けて

2007-06-20 | 研究日常 work
金曜、土曜と研究会で充実した日々を過ごしました。お会いした皆さまの励ましもあって、また力が湧いてきました。
金曜は仏教史の先輩に連れられて、龍谷大学へ。写真は重要文化財指定の龍谷大学の本館。この明治・大正を彷彿とさせるような重みある建物で行われた、南方熊楠の研究会に参加。前々から折口信夫や熊楠について勉強しなければと思っていた折に、先輩から声をかけて頂きました。「すごいんやでぇ~、がははっ!」と脅されていたが、これが本当に凄かった。熊楠の日記を読むのだが、なんと解読が難しい濃密な日記か。様々な言語が混淆しシニフィアン自体が揺れる――日記もまさにマンダラ状態である。翻刻するだけでも難解なうえに、読解にあたっては熊楠の著作や関連文献との関係性もあるため、初参加の身とはいえ、その困難さにうすら笑うしかありませんでした。同時に一切休憩無しで、ひたすら熊楠のテクストと格闘する研究者の皆さまの姿勢に好感を覚えるとともに、動物に関する熊楠のテクストと絡めながら、皆さまから研究のアドヴァイスも受けることができました。色々な分野の方とも出会えるので、来月の例会も楽しみです。ありがとうございました。

土曜も仏教史の先輩と一緒に、仏教史学会へ。市民や学向けに開かれた仏教史入門講座に出席。多くの出席者に驚くとともに、数ヶ月ぶりに北條さんと再会(お元気でホッとしました)。また仏教学の大内先生の講演内容も興味深く大変勉強になりました。
北條さんのご報告は、日中における神仏集合の言説を最近の見解を中心に纏められました。また今後の展望について微妙な表現で触れられましたが、その微妙さにつっかかり、『日本災害史』を見返したりして沈潜しているうちにタイムアップしてしまった。
大内先生のご報告は、仏教石計や仏教類書など仏教学のテクストについてのご報告。お話に上ったテクスト・テクスト享受の多様性に言及するお話は、環境/文化研究会でも議論になるような話だ…と思いつつも、「類書」に対する見解には思わず「むむっ」と感じるところがありました。仏教学では「類書」が顧みられない…ということですが、諸言説の混淆と主体から映るテクストを非本質化する志向は、どの研究領域でも起こりうる話なので「なるほど…」と思案をめぐらしました。

懇親会では仏教史学会の皆さまはじめ、北條さんや1年ぶりにお会いする高松さんを囲んで盛り上がりました。ボクはといえば、初対面の師さん、大谷の院生の皆さまとともにメタな話を交わす。懇親会も佳境となるころには、北條さん、師さんを中心に、方法論懇話会の今後の活動について議論。師さんの積極的活動休止というポジティブな提言に戸惑いつつも、ver.2.0へ向けて動き出すぞ!!となんとか話がまとまりました(はず…)。しかも酔いに任せてトップバッターに立候補してしまう。僕が今準備してできるとしたら〈サバルタン〉の問題くらい。方法論や認識論・言語論の知識を総動員して、スピヴァクの〈サバルタン〉概念の整理と〈サバルタン〉を見出す主体との関係を熟考せねばなりません(直感的な見通しはあるが、どうなるかは今後次第)。いずれにして僕のような院生が動くことで活発になればと思いますし、1回ボコボコになるのも勉強かなぁと。それにしても、社会的存在としての〈主体〉を抉られる、方法論懇話会の報告って恐いなぁ~。

最後に2日間お世話になりましたSさん、ありがとうございました!今週もよろしくお願いします。また北條さん、師さん、熱いお話をありがとうございました。

…っとここで投稿するつもりだったが、簡単にその後の日々についても触れます。

月曜は日本史研究会古代史部会に出席。研究室の先輩のご報告を拝聴。問題関心が異なる(分析対象と分析方法は異なるもの!)ので直接お世話になることはそうないと思います。おおっ!ここが機関紙会館か!っとややミーハーな気分でした…。

火曜は人類学の方と熱く学問について議論。また話しましょうということに。今後とも大歓迎です!

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