ある晩、室内が急に騒がしくなったと思ったら、
たくさんの虫がいるではないか。
ほへ?
と思いながら、隣のオフィススペースに移ると
4枚の長い羽をもつその虫が数多く飛び交っている。
他の研修生たちが、室内で騒いでいる中、
外から子どもたちの騒ぐ声が聞こえるので、ドアを開けてみると、
もっとたくさんの虫が、蛍光灯の周りに群がっており、
子どもたちが先を競って、つかみ取りしているではないか。
なんていう虫か?と聞くと、termiteだという。
-------------------------
編注)ふーんって思ったのはそのときだけで、今、
PCで調べてぎょっとしました。詳しくはあとで・・・。
-------------------------
そして、何よりも驚いたのは彼が続けて一言だ。
"It's very nice. We eat it."
ほへ?
そうなんだ・・・。
そうだよね、ここアフリカなんだよね。
部屋に戻って飛び交っている虫を捕まえ、
まじまじと、観察してみる。
体長は大体1センチ、大きいものでも1.5センチにも満たない。
羽はその2~3倍ある。
ふーん、これ食べるんだ・・・。
もちろん、日本でも地域によっては、
虫を食べるところもあるし、
何を隠そう、信州出身の私の祖父は好んで「蜂の子」を食べる。
とはいえ、私自身は何度祖父にすすめられても
かたくなに断り続けていた。
だって、虫じゃん(笑)
その夜は部屋を飛び交う数匹の虫を「駆除」してから床に就いた。
翌朝、スペイン人研修生の甲高い声で目が覚めた私は、外に出た。
すると、昨日の子どもたちの格闘の産物である羽が、床に落ちていた。
その数は10や20ではなく、床一面という表現がふさわしいほどであった。
そして、その一部は、前日の晩から外で乾かしてあった、コップや皿の中にも入っていたのだ。
そう、スペイン人研修生はそれを見て激怒し、
子どもたちに対して声を荒げていたのだ。
しかも、彼女は特に被害の大きかった黄色いコップを捨てる、という。
ある研修生も、虫を食べるなんてありえない、といったような反応をする。
・・・。
もちろん、彼女たちにとっては普通のことではないのかもしれない。
自分にとってだって普通のことではない。
しかしだ、ちがうだろう。
相手の文化に対して敬意が払えないのなら来るんじゃねえよ、
アフリカの人を助けるとか言いつつ、思いっきり
気分を悪くさせてんじゃねえかっ!
といいたかったが、朝から人を不愉快にさせると、
自分自身も不愉快になるのでやめておいた。
それでも、女優で一時期フランスに留学していたK藤N子が
ウルルン滞在記のなかで訪れた村で出される食事のほとんどを
拒絶しているのを見て、腹立たしかったことが再び思い出されていた。
「食べ物」を扱っていた子どもたちは「理不尽」な反応に、
びっくりしたようであり、慌てて、羽を片付けていた。
そんな子どもたちに向かって、なんといっていいのかもわからず、
とりあえず、羽を片付ける子どもたちに「ありがとう」という言葉を投げかける。
すると、小さな声で、あとで調理するからおいでと誘ってくれた。
純粋な興味と同じくらいの子どもたちへの申し訳なさから、
調理するときは呼んでくれ、と頼む。
1時間ばかりすると、子どもたちが部屋に呼びにきた。
すすでうす汚れたレンガに囲まれた隣人のキッチンに向かう。
3つの大きめの石の上に鉄製のなべが置かれている。
火の付いたまきからの煙で室内は一杯になっている。
煙でしみる目を何とか開いて、なべの中を覗くと、
例の虫が、炒られている。
子どもたちは時折、フォークでかき混ぜながら、
時間をかけて炒っていく。
途中火から降ろし、平たい皿にあける。
取り除ききれなかった羽を取るためだ。
羽を取り除きながら、子どもたちはつまみ食いをしている。
そして実においしそうな顔をする。
そして、うーん、なぜか、たべられそうだな。
と思ってしまった。
食べてもいい?と聞くや否や、
口の中に小さめの虫を入れていた。
自分でも驚くほど不思議なほど自然に、食べれた。
そして、おいしかった。
どこかしら懐かしいような、香ばしい味。
不思議な体験だった。
***********************
しかし、本当に不思議な体験はここから始まる。
この記事を書こうとして、スペルを聞いて知った私は、
PCに搭載された、Microsoftエンカルタで検索して、
恐ろしい事実を目の当たりにする。
-------------------------------------------------
シロアリ(白蟻) Termite 家屋や木製の家具などを食害する社会性昆虫(→ 昆虫)で、
シロアリ目の総称。およそ2000種のうち、大半は熱帯地域に分布するが、温帯地方に生
息する種もある。日本には16種が生息し、ヤマトシロアリ(働きアリの体長3~6mm)、イ
エシロアリ(働きアリの体長4.5~8.5mm)が家屋に害をあたえる。アメリカ合衆国には55
をこす種が生息する。
アリの仲間に思われがちだが、アリとは関係がなく、ゴキブリと近縁である。アリ類は
、より進化した膜翅目に属する。シロアリはむしろ原始的で、腰部が太く、体はやわら
かく、不完全変態をする(→ 昆虫の「変態」:変態)。しかし、シロアリは、アリ類、社
会性のある一部のハナバチ類やスズメバチ類と同じくらいに高度化し、際だった社会行
動様式を発達させてきた。
Microsoft (R) Encarta (R) Reference Library 2005. (C)
1993-2004 Microsoft Corporation. All rights reserved.
---------------------------------------------------
おい!
シロアリかよ。
しかもアリとは関係なくゴキブリと近縁かよ。
うーん・・・。
まぁ、いっか。
おいしかったし。
たくさんの虫がいるではないか。
ほへ?
と思いながら、隣のオフィススペースに移ると
4枚の長い羽をもつその虫が数多く飛び交っている。
他の研修生たちが、室内で騒いでいる中、
外から子どもたちの騒ぐ声が聞こえるので、ドアを開けてみると、
もっとたくさんの虫が、蛍光灯の周りに群がっており、
子どもたちが先を競って、つかみ取りしているではないか。
なんていう虫か?と聞くと、termiteだという。
-------------------------
編注)ふーんって思ったのはそのときだけで、今、
PCで調べてぎょっとしました。詳しくはあとで・・・。
-------------------------
そして、何よりも驚いたのは彼が続けて一言だ。
"It's very nice. We eat it."
ほへ?
そうなんだ・・・。
そうだよね、ここアフリカなんだよね。
部屋に戻って飛び交っている虫を捕まえ、
まじまじと、観察してみる。
体長は大体1センチ、大きいものでも1.5センチにも満たない。
羽はその2~3倍ある。
ふーん、これ食べるんだ・・・。
もちろん、日本でも地域によっては、
虫を食べるところもあるし、
何を隠そう、信州出身の私の祖父は好んで「蜂の子」を食べる。
とはいえ、私自身は何度祖父にすすめられても
かたくなに断り続けていた。
だって、虫じゃん(笑)
その夜は部屋を飛び交う数匹の虫を「駆除」してから床に就いた。
翌朝、スペイン人研修生の甲高い声で目が覚めた私は、外に出た。
すると、昨日の子どもたちの格闘の産物である羽が、床に落ちていた。
その数は10や20ではなく、床一面という表現がふさわしいほどであった。
そして、その一部は、前日の晩から外で乾かしてあった、コップや皿の中にも入っていたのだ。
そう、スペイン人研修生はそれを見て激怒し、
子どもたちに対して声を荒げていたのだ。
しかも、彼女は特に被害の大きかった黄色いコップを捨てる、という。
ある研修生も、虫を食べるなんてありえない、といったような反応をする。
・・・。
もちろん、彼女たちにとっては普通のことではないのかもしれない。
自分にとってだって普通のことではない。
しかしだ、ちがうだろう。
相手の文化に対して敬意が払えないのなら来るんじゃねえよ、
アフリカの人を助けるとか言いつつ、思いっきり
気分を悪くさせてんじゃねえかっ!
といいたかったが、朝から人を不愉快にさせると、
自分自身も不愉快になるのでやめておいた。
それでも、女優で一時期フランスに留学していたK藤N子が
ウルルン滞在記のなかで訪れた村で出される食事のほとんどを
拒絶しているのを見て、腹立たしかったことが再び思い出されていた。
「食べ物」を扱っていた子どもたちは「理不尽」な反応に、
びっくりしたようであり、慌てて、羽を片付けていた。
そんな子どもたちに向かって、なんといっていいのかもわからず、
とりあえず、羽を片付ける子どもたちに「ありがとう」という言葉を投げかける。
すると、小さな声で、あとで調理するからおいでと誘ってくれた。
純粋な興味と同じくらいの子どもたちへの申し訳なさから、
調理するときは呼んでくれ、と頼む。
1時間ばかりすると、子どもたちが部屋に呼びにきた。
すすでうす汚れたレンガに囲まれた隣人のキッチンに向かう。
3つの大きめの石の上に鉄製のなべが置かれている。
火の付いたまきからの煙で室内は一杯になっている。
煙でしみる目を何とか開いて、なべの中を覗くと、
例の虫が、炒られている。
子どもたちは時折、フォークでかき混ぜながら、
時間をかけて炒っていく。
途中火から降ろし、平たい皿にあける。
取り除ききれなかった羽を取るためだ。
羽を取り除きながら、子どもたちはつまみ食いをしている。
そして実においしそうな顔をする。
そして、うーん、なぜか、たべられそうだな。
と思ってしまった。
食べてもいい?と聞くや否や、
口の中に小さめの虫を入れていた。
自分でも驚くほど不思議なほど自然に、食べれた。
そして、おいしかった。
どこかしら懐かしいような、香ばしい味。
不思議な体験だった。
***********************
しかし、本当に不思議な体験はここから始まる。
この記事を書こうとして、スペルを聞いて知った私は、
PCに搭載された、Microsoftエンカルタで検索して、
恐ろしい事実を目の当たりにする。
-------------------------------------------------
シロアリ(白蟻) Termite 家屋や木製の家具などを食害する社会性昆虫(→ 昆虫)で、
シロアリ目の総称。およそ2000種のうち、大半は熱帯地域に分布するが、温帯地方に生
息する種もある。日本には16種が生息し、ヤマトシロアリ(働きアリの体長3~6mm)、イ
エシロアリ(働きアリの体長4.5~8.5mm)が家屋に害をあたえる。アメリカ合衆国には55
をこす種が生息する。
アリの仲間に思われがちだが、アリとは関係がなく、ゴキブリと近縁である。アリ類は
、より進化した膜翅目に属する。シロアリはむしろ原始的で、腰部が太く、体はやわら
かく、不完全変態をする(→ 昆虫の「変態」:変態)。しかし、シロアリは、アリ類、社
会性のある一部のハナバチ類やスズメバチ類と同じくらいに高度化し、際だった社会行
動様式を発達させてきた。
Microsoft (R) Encarta (R) Reference Library 2005. (C)
1993-2004 Microsoft Corporation. All rights reserved.
---------------------------------------------------
おい!
シロアリかよ。
しかもアリとは関係なくゴキブリと近縁かよ。
うーん・・・。
まぁ、いっか。
おいしかったし。
そういう意味でいくと、美味いのは肉食性昆虫なはず。
俺も前に秋川の渓流でキカワゲラの幼生(肉食性)を茹でて食ったことがあるけれど、ぷりぷりしてて海老みたいな味だった。なかなか美味い。
シロアリは植食性だろうから、そんなに旨みがあるわけではないと思うけれどね。あんまり味がないんじゃない?
今度はぜひ肉食性昆虫を召し上がれ。
しかし「相手の文化に対して~」ってとこは全く同感。お父さんはそうならないで下さいね。
写真見たよ。久しぶりに元気そうな姿を見れて良かったです。これからも写真のアップ期待してます。
やっぱり"ただもん"じゃないです。
名著だかなんだか知らないけど、
虫の味っていう本の存在を知っている
こと自体が怪しすぎます(笑)
人が食べるもの、食べないものなんて、
文化的な側面によって強く作用を受けているに
決まっていて、たまたま、食用と食用でないものにわけられたのでしょう。
えびとカブトムシにどれだけの差があるのか、といえば、
うーん、疑問です。
もちろんカブトムシを食べる勇気はまだありませんが。
フジは、元気にしてる?
なんか、南国でバカンスを楽しんできたらしいですね。
あぁ、うらやましい。
ここは暑いアフリカのはずなのに、
毎日凍えて暮らしています。
暖かい日本が恋しいです。
ゴキブリは独特の臭いがあるそうですね。シクラメンに似ているとか・・
でもやはりゴキブリを食べる国はたくさんあるそうですね。
アフリカ生活すごいですね。
ウルルンで嫌がりつつ食べ『おいしー』と皆さん言っていましたが、やっぱり美味しいのですか。私はどうもいもむし類は食べれなさそうだなー
ウルルンで食事を拒否してる方ほんとにイライラしました笑 一度食べてから言えよ!じゃ行くなよ!!みたいな
でもウルルンなくなったの寂しい~
アフリカはリアルウルルンですね★
頑張ってください